506 Akira and Tomoko Kigoshi 木越 晃・智子

BRIEF BIOGRAPHY
木越 晃(1924~2009)

大正13年2月8生、平成21年9月21日没、享年85歳

東京都生まれ。戦中は学徒として前橋陸軍予備士官学校に入り、戦後の昭和22年9月に最後の東京帝国大学法学部を卒業、暫くして岩波書店に入社しました。最初の仕事は著作権・翻訳権の処理だったそうです。戦前の旧著作権法がGHQによって停止され、翻訳物の海外著作権交渉を一からやり直す必要があり、とても忙しかったとのこと。そのお蔭か子供たちは翻訳物の児童書に囲まれて育つことができました。その後、宣伝部、編集部、総務部などを経て経営陣に加わりました。その中では編集部時代が一番楽しかったようで、興味深い逸話をいくつも聞かせてくれたことを覚えています。一方常務になった頃は出版不況の只中で、大変苦労していたようです。役員退任後は、岩波ブックセンターで当時としてはまだ珍しかった自費出版ビジネスを立ち上げました。これがその後のライフワークとなります。

昭和59年3月に定年退社、現役時代からお付き合いの深かった制作・校正のベテランの方々や印刷・製本・用紙店の方々の協力を得て、武蔵野にある自宅で自費出版の事業を始めました。屋号は独歩書林、武蔵野にゆかりの国木田独歩に因んだ命名です。一般出版社では手掛けないような特色のある本を世に出すお手伝いに情熱を傾け、依頼された方々に喜んで頂けることを何より喜んでおりました。母に先立たれた後の最晩年は、長男の純がサポートに入り、父の没後独歩書林を継承しています。

木越 智子(1932~2005)

昭和7年1月16日生まれ、平成17年12月10日没、享年73歳

旧姓中川、富山県生まれ。青山学院女子短期大学卒業、その後父と結婚、よき母として一男一女を育て上げ、またよき伴侶として父を支えました。晩年は癌を患い父に先立ち享年73歳で他界。料理の上手な気の優しい母でした。生前ICUのキャンパスを散歩コースとしてこよなく愛し、若いころ触れたキリスト教への親しみもあり、本人の希望によりICUシーベリーチャペルで葬儀を行って頂きました。
木越 純
DONORS
  • 木越 純 Jun Kigoshi
    27期・ID83・社会科学科
    第18代国際基督教大学同窓会長
PHOTO

木越 智子(左)・晃(右)
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