2010 News and Events @ Anri Morimoto

12/27 年末恒例の日本基督教学会学会誌編集委員会(立教大学)。今年度から学会直後に掲載候補を絞り込んだので、楽になるかと思いきや、かえって議論が盛り上がってしまいました。まとめるのがたいへんでしたが、よい方向への発展だと思います。論文4本と書評15本の掲載を決定。全国からおいでくださった編集委員の先生方、貴重なご協力をありがとうございます。
12/23 今年の授業が終わったので、小説でも一つ、と星野智幸『俺俺』を読みました。複数の信頼できる書評者が挙げていたので。でも全然面白くなかった。ありそうな卑近な日常を重ね焼きしただけで、爆発的な喚起力もないし、結末もいたって安直。こんなもので「存在の不安」が問えるのでしょうか。うすうす感じていましたが、やっぱりわたしには現代日本文学を愉しむ能力が欠けているようです。
12/18 初期アメリカ学会例会(「講演」ページ参照)。先日の一神教研究センターでやった講演の焼き直しです。イスラムの政教関係を参照しつつ中世とニューイングランドの寛容理解を論じました。明日もアメリカ学会常務理事会。
12/15 Jonathan Edwards as Contemporary が届きました(「著書」ページ参照)。ハードカバーできれいにできあがっています。"leading Jonathan Edwards Scholars" っていう触れ込みがいいですね。Amazon.com で US$80-、Amazon.co.jp で 8300円ですが、アメリカの方では Look Inside で中身の一部が覗けます。
12/13 昨日の日経新聞読書欄 「今を読み解く」(「その他」ページ参照)は、自分の学生たちはまったく知らなかったようですが、立教の年配の方がクラスでコピーを配っていました。メールでもいろいろコメントをいただきましたが、やはり日経を読むのは年配者か実業界の方なのでしょうか。
12/8 人権論のクラスは、今年はICUの院生ばかり。アメリカ、イギリス、オランダ、中国、フランス、ベネズエラ、それに日本の学生が集まりました。さあ、お国柄でどういう反応を示すか、楽しみです。まずはロックとウォルツァーで地ならしをして、それからヌスバウムの近著を読みます。
12/5 今学期のキリスト教概論のアンケート結果をアップしました(「シラバス」ページ参照)。150人分の10年間の定点観測なので、ICUに入学する学生のプロファイルがだいたいわかります。それにしても冬学期は春に比べて学生が落ち着いています。
12/2 冬学期登録日。他の大学ではそろそろ秋学期の終盤にさしかかっているのに、また新学期です。大学院の「人権論」はいつも外語大の留学生が来ますが、今年はどこの国から来るのかな。お国柄によって「寛容」の理解に大きな違いがあることを知ったのもこのクラスです。
11/27 Jonathan Edwards as Contemporary (Peter Lang) が出たようですね。まだ手元には届いていませんが、編者から連絡がありました。わたしのは、"The End for Which God Created Jonathan Edwards" というエドワーズの最晩年論文のもじりで、ティリヒ、バルト、モルトマン、トマスとの比較です。
11/25 日本基督教学会関東支部の理事会。学会は3/18に東京神学大学で開催、若手研究者の発表を奨励します。
11/18 International Theological Consultation「講演」ページ参照) が終了。CSソンは80歳を越えていますが元気いっぱいに議論していました。バークレーで会えなかったので、ていねいなお招きをいただきました。台南は台北に比べると少し田舎の感じが残っています。新幹線は日本製で、外観からアナウンスから売り子さんまで、日本の新幹線と瓜二つ。
11/10 高校のクラスメイトが「はやぶさ」を運用した宇宙航空研究開発機構 JAXA のホームページでインタヴューを受けています。GPSカーナビの発明者で、「みちびき」の開発にも携わったそうな。輝いてますね。
11/7 銀座で高校の同窓会。この歳になるとようやくみんなで定期的な再会を愉しめるようになります。内閣情報資料室だとか農林省だとか役所勤めの連中の話は、昨今のニュースがらみで妙に現実味があり面白かった。中国でさんざんな目に遭った商社マンあり、沖縄基地移転問題で穿った見方をするゼネコン関係者あり。それに比べて、この夏まで「研究休暇」だったというと、おまえは1年間も遊んで暮らしたのか、と言われますが、いえそういうわけではありません。
10/31 2週続きで京都だったので、新幹線の中でジョン・グレイ『わらの犬』を読みました。科学やヒューマニズムをキリスト教的な進歩信仰の残滓とするシニシズムで、はじめは面白いのですが、すぐに食傷します。読み散らした本の引用が続く博学な饒舌。気の利いたアフォリズムを繰り返したいだけで、神学史や教会史の記述はごくありきたり。おかしいなあ。前の本は面白かったのに。
10/28 学生主導の読書会にゲスト参加。バーガーの新刊本をすでに半分読み終えたとかで、授業後の夜なのに1年生が10人以上も来ていたのには驚きました。ついでに、今学期の授業シラバスをここにもアップしておきます。要求度が高かったので、受講学生はずいぶん成長したように思います。こちらはもうすぐ終わりますが、同じ主題の授業を立教大学大学院でも継続中。
10/26 "Rethinking Islamic Reform" (Oxford University) を見ました。Hamza Yusuf の雄弁が光っています。知っていたらバークレーにいる間に聞きに行けたのに。ただ、もう一人の講演者とのやりとりを見ると、宗教間対話の前に宗教内対話が重要であることがよくわかります。他のムスリム同胞にどう受け取られるか、ということを考えることなしに外に向かって発言することはできないから。
10/23 同志社大学一神教学際研究センターの講演(「講演」ページ参照)。一般向けは出席も質問も多く、よく聞いていただいたという印象。ICU卒の親しい学生が3人も来ていました。専門家会議はユダヤ教(市川裕先生)はおられましたがイスラム教関係がご欠席。むしろ森孝一先生などアメリカ研究の人が多かったかな。センター長の小原克博先生にお世話になりました。
10/20 Ministry 秋号の「時事評論・現代を読む」に「一夫多妻婚の問いかけ――モルモン教とイスラム」を書きました(「その他」ページ参照)。下の5/18の話です。偶然通りかかったのですが、あの赤茶けた山容を見てピンと来ました。まさにPBSの映像通り。実に震撼とさせられる経験でした。さて、イスラムはこの面で教義を変えることができるのでしょうか。
10/17 日本基督教団成瀬が丘教会の特別伝道礼拝。住宅街の小さな教会ですが、梅田牧師はICUの大先輩だし、入試面接で会った卒業生もいたりで、思わぬつながりがありました。がんばりすぎる日本の牧師が多いなかで、肩の力が抜けたよい牧会の見本です。
10/13 大学パンフレット制作会社がわたしの授業を見に来ました。インタラクティヴな授業の実際を知りたかったようで、とても驚いて帰って行かれましたが、彼らが帰った後はもっと学生たちの討論の内容が濃かった。いつもわたしが口を挟む暇がなくて困ります。そういう時の教育効果は非常に高い。テレビでハーヴァードのサンデル教授の授業が話題になりましたが、何であれをそんなに大騒ぎするのかわかりません。
10/9 今朝の朝日新聞be土曜版を見てびっくり。せっかくの恋歌にとんでもない誤訳です。"If I should stay I would only be in your way" を「もしいなくてはならないのなら、あなたのやり方に従うまでよ」と訳していますが、"in your way"は「じゃまになる」という意味です。だから"so I'll go"と続くのです。それに、恋人と一緒に「いなくてはならない」なんていう人はいません。「江戸賀あい子」対訳となっていますが、この人は英語がわからないだけでなく、恋愛もわからないのでしょう。朝日新聞も少し恥ずかしいと思ってください。
10/8 同志社大学「一神教学際研究センター」での講演予告が出ています。「寛容論の中世的本義と現代的誤解――アメリカ・ピューリタニズムの歴史から」という題にしましたが、一般向けと研究者向けというふたつのセッションをどう分けてつなげるのか、少し悩みます。その次の週も同志社。
10/4 立教の後期授業。ICUとほぼ同じ内容ですが、大学院で12人と少ないためか、みなさん非常に熱心です。目的意識の明確な社会人学生が数人、日本語のよくできる韓国からの留学生が数人。とてもよいクラスになりそうです。
10/1 ようやくムードルが復旧。心配していた内容も残っており、ひと安心しましたが、授業の日程は崩れ、学生への対応に追われた一週間でした。大学ITの基幹部分がこれほど脆弱なまま放っておかれたことに驚きます。ただ、ムードルを本格的に使用している授業が少ないこともわかりました。21世紀のリベラルアーツにはこの面のリテラシーが必須であるのに、教員たちがついてゆけないのです。それで今回のように、先へ進んだ者が罰せられるという不条理なシステムができてしまいます。
9/25 全学停電からの復帰後 Moodle のサーバーがダウンし使用不能状態になっています。わたしの授業は日本でもアメリカでも、毎週のクイズやアサインメントやディスカッション、それに成績までも全面的にムードルに依拠していますので、深刻な事態です。一刻も早い復旧を願います。それにしても、ハード面での障害だということになると、バックアップなどへのアクセスはどうなるのでしょう。
9/22 明日は大学の電源が定期点検のため、終日全学停電になります。メールやこのウェブも使えません。研究室もすべて真っ暗で仕事はできず、かといって遊びに行く暇もなし。キャンパスに住んでいた頃は悲惨な一日でした。
9/18 日本基督教学会の大会が終了(立教大学)。Gerd Theissen (Heidelberg) の講演は、何だか基本的な義認論のおさらいのような話でした。わたしが新約専門でないからかもしれません。なお、学会誌の編集を担当することになりました。委員と執筆者のみなさま、どうぞよろしくお願いします。芦名定道先生(京都大)や水谷誠先生(同志社大)など京都の理事の方々、4年間お疲れ様でした。
9/13 土曜日に続いて David Hall (Harvard Divinity School) のレクチャー。今日は原稿もない気楽なスピーチで、リベラルアーツの危機がテーマでした。あとでピューリタン研究史を追った小さな論文のプレゼントをもらいましたが、新しい本もニューイングランド中心史観と非難されるだろう、といかにも愉しげでした。
9/10 久しぶりに John Lee (University of Bristol) と再会。もう3年前でしょうか、彼がICUにいたのは。短期間でしたがよき同僚でした。ICUでいやというほど経験した大学改革に、帰ってから自分の大学でも巻き込まれたとか。おかげで英文学デパートメントは好調のようです。
9/8 秋学期登録日。会議も重なり、久しぶりの業務日でした。わたしの授業は 65 人も登録していることが判明し困惑しています。いつもの双方向形式でできるかな。ふだんは 30 人台なので、ちょうど2年分です。やっぱり休暇の分もきっちり働かされるのか、と実感。
9/1 Arata Miyamoto, Embodied Cross (Wipf and Stock) の裏表紙に載る推薦文を書きました。こちらのページで "Endorsements and Review" というところをクリックすると出てきます。著者からはごていねいに現物をお送りいただきましたが、出版社が何も送ってこないのは失敬な話です。
8/28 卒論合宿。今年は大学院生を中心に、発表は13人。バルトやティリヒやニーチェやハイデガー、それにトルコのスカーフ問題や2001年宇宙の旅をめぐる発表などの常連組に加え、大戦期日本のキリスト教、ウェンデル・ベリー、裁判員裁判の判断における影響関係、アメリカのカルト論、政教分離論の比較、ペット殺処分の倫理的検討、松本史朗の縁起説など多士済々。特に他大学へ進学した院生の瞠目すべき成長ぶりを嬉しく思いました。更なる精進と健闘を祈る。
8/21 Jonathan Edwards for Armchair Theologians を脱稿。エドワーズのイラスト入り評伝です。漫画でエドワーズ思想を表現できるのかどうか、はなはだ疑問でしたが、カルヴァンとバルトの次にエドワーズが出るなら、日本におけるエドワーズの位置づけも少しは高まるかなと思いつつ、訳業を引き受けました。さあ、秋学期までに論文あと一つ。
8/16 Received the final proofs of Jonathan Edwards as Contemporary (Peter Lang Publishing). Beautifully done. My chapter deals with Barth, Tillich, Moltmann, Thomas and Edwards. Sang Lee's recent photo comes out very well, too--he looks as though he was a nice old gentleman! Kudos Don, for your excellent editing job.
8/12 旧人文科学科の教員による連続講演集の編集を進めています。年度末までに出したいと思っていますが、原稿の書き直しにだいぶ手間がかかっています。自分の章だけを書いたものを集めるという論文集ではなく、異分野間の学問的交流を折り込むためです。各講演には、質疑のやりとりと「思い出の3冊」という小コラムがつき、魅力的な本になりそうです。
8/6 秋学期のシラバスをアップしました。「Billy Sunday と 20世紀初頭のアメリカ」 というテーマで、大リーグ野球選手から大衆伝道家となった彼の人生を辿り、戦争と禁酒法、男性性と女性性などをめぐるアメリカ的な宗教と倫理を追います。以前から取り上げたかった主題ですが、なかなか機会がありませんでした。
7/31 久しぶりの初期アメリカ研究会。主題はトマス・フッカーとコネチカット植民地。最近フッカーやコトンをやる人はアメリカでもいないそうですが、一次資料を読んでよく勉強した発表でした。ただ、「民主主義」という言葉の意味は現代とはだいぶ違います。「政教分離」も、単に牧師が政治に口出しするとかしないとかの話ではなく、制度の問題として捉えた方がよいように思いました。
7/28 教団出版局の企画会議。委員は土曜日に京都の学会事務局でお会いしたお顔ばかりでした。出版界はどの分野も人材が払底している感じですが、いくつか希望のもてる話もあり。コロンビア神学校教授の旧友ハルコさんのキリシタン研究書、きっとよい本になります。
7/25 三軒茶屋教会牧師就任式に出席。伊藤英志先生ご立派になられて。何度も一緒にタイへ行きましたね。ICUの卒業生や教会員が何人も来ていました。教会は地下へと掘り下げて空間を創り出した、とても斬新なデザイン。外からはあまり高く見えないのに、中に入って礼拝堂へ降りると、高さが感じられます。
7/23 Conference on Christology and Religious Pluralism が終わりました。シカゴのCarl Henry Center とトリニティ神学校の資金提供による会議で、東京基督教大学というところははじめて行きましたが、静かできれいなミニICUのようなキャンパスでした。Doug Sweeney と会えたのもよかったが、エドワーズの論文はまだ手もつけていないので肩身が狭い。
7/17 アメリカ学会常務理事会。行ったら誰もいません。いつもの時間が変更になったのを忘れていた。。。見ると隣の資料センターも閉館中。しかたなく生協で暑さを凌ぎました。この××忙しいのに、つくづくオロカな自分に泣けてきます。
7/14 「中央集権と地方分権――神学教育の連携」を Ministry 誌に書きました(「その他」ページ参照)。どうも日本人は、組織作りになると、完全な一致団結か、よそよそしい分離かのどちらかしかないように思います。独立を保ったまま連携する連邦制のようなあり方ができなければ、地方分権も不可能でしょう。
7/10 久しぶりにエドワーズのリンクページを更新しました。リンク切れになっている古い情報を削除し、アメリカのエドワーズ学会やイェール大学出版局の意欲的なHP情報を追加しました。今秋のノーサンプトンでの学会は、リーヴ明け直後なので出席できそうにありません。
7/3 駒場でアメリカ革命理解をめぐるお話二つ。特に斎藤眞先生のアレント理解を中心に伺いました。いつも気になることですが、アレントの古典ローマ的理解は、植民地時代の雰囲気とどうつながるのか。エドワーズ時代のアメリカ人がある日いきなりトーガを羽織ってゆったりとペリパテオを始めたなんて、とても信じられません。
7/1 United Board の Avron Boretz と今後のプログラムの可能性を探る。宗教間の相互理解を大学教育カリキュラムにどう入れるかって、もうここ10年ほどやってきたことなのですが。香港オフィスの顔ぶれもだいぶ変わったようです。
6/28 アメリカ学会HPの更新に手間取っています。ふだんのアップは委員の方の協力でスムースなのですが、学会誌の経年目次などは、昔の誰かが作ったページを解釈し、その意図を推し量りながら更新してゆかねばなりません。不可解なタグ構造に首を傾げるばかりなので、今後は誰でも担当できるように、できるだけ簡単明瞭なページにしたいと願っています。それとも、CiNiiなどがあるので、もう目次一覧は不要かな。
6/26 リーヴ中に大学宛にご恵送いただきながら、知らずにお礼も申し上げられなかったご本の数々、遅ればせながら感謝を申し上げます。櫻井義秀・中西尋子『統一教会』(北海道大学出版会)、有賀夏紀・小檜山ルイ『アメリカ・ジェンダー史研究入門』(青木書店)、松谷邦英『技術社会を超えて』(晃洋書房)、樋口映美「アメリカ合衆国の人種秩序をめぐる状況」『歴史学研究』、奥山倫明「日米関係の中のキリスト教」『アカデミア』など。特に、川添美央子著『ホッブズ――人為と自然』(創文社)は自由意志論や人間論でエドワーズと問題関心が時代的にも近く、ゆっくり勉強させていただきます。
6/19 ピューリタニズム学会。大澤麦・矢嶋直規・泉谷周三郎の3先生によるシンポジウムだけを聞きに行きました。去年がアメリカだったので、今年はイギリスのピューリタニズムに焦点を当てるということだったのでしょうが、3発表の共通点が見えにくかった。アメリカとの違いをいちばん感じたのは、法制史的な影響が辿れない、という点。
6/14 「カリフォルニアの花」と「アメリカ西部の自然公園」の写真をアップしました(「写真帳」参照)。
6/6 アメリカ学会年次大会(大阪大学)。"Change and Reconciliation" のテーマで、Scott Kurashige (University of Michigan), Peggy Chung Hui Cho (Kyung Hee University), Kevin Gaines (President, American Studies Association) とのセッション(「講演」ページ参照)。旅の後のまた旅で、少しくたびれました。
5/31 帰国しました。帰途サンフランシスコ空港で、オバマ大統領の乗ったエアフォースワンと一緒になりました(ご挨拶はできなかったけれど)。ラウンジで「あそこだ」とアナウンスが流れると、みんなオーと喜んでいました。
5/26 村上春樹は最後に『遠い太鼓』を読みました。少し古いけれど、3年間日本を離れて小説を書き続けた本人の旅行記なので、ヨーロッパの仮住まいを畳んで日本へ帰る時の気持ちが自分に重なります。何だか夢の中を歩いてきたような、喪失感と充実感とがないまぜになって、この4ヶ月自分は何をしてきたんだろう、と考えます。日本への大気圏再突入が怖いのかも。無事に軟着陸できるかどうか。
5/22 バークレーの写真をいくつかアップしました(「写真帳」参照)。カリフォルニアで見られる花については、植物園で詳しく調べてきたので、時間ができたら別にまとめて掲載します。
5/18 長い旅行の帰路にふと気がつくと、Colorado City, AZ という標示が。ここは一夫多妻制を公言するモルモン教ファンダメンタリストの町で、女性は大人も子どももみな同じ服を着ています。あたりを見ながら走っていると、ピックアップが執拗に後をつけてきます。よそ者はすぐにわかるらしい。町ぐるみの隠蔽された性暴力を扱った PBS のドキュメンタリーを毎年見ているので、戦慄を覚えました。
5/15 Monument Valley は昼間も素晴らしかったけれど、夜は街の明かりがまったくないので、地平線近くまで全天に輝く星が美しかった。初めてさそり座を見ました。しっぽが地平線にかかっていましたが、おそらく日本では明るすぎて見えないのでしょう。
5/14 Navajo 居留地にいます。ここの人々はプラスチックマネーを使いません。それを忘れていて、Antelope という美しい縞模様の洞穴に入るための入場料を払うところで、ポケットの中の現金をかき集めても3ドル足りない。でも ATM なんて何マイルも先だし、と途方に暮れていると、後ろに並んでいたイタリア人の親切なおじさんが「いくら足りないんだ?」と出してくれました。ありがとう。ここに日本語で書いてももちろん伝わらないのだけれど、それでも感謝を記しておきます。I will pay it forward.
5/11 早朝からヘリコプターの騒音で起こされました。何事かと思ってテレビをつけると、バークレーの学生ストライキの強制排除。アリゾナ州の差別的移民法に反対してのことだそうですが、こんな光景は日本ではもうまったく見られませんね。日本の大学生は大人なのか醒めているのか、考えさせられます。
5/10 何と、まったく偶然に Ardyce Worth にお会いしました。3年前に亡くなった ICU 物理学の Don Worth 教授夫人。たまたま行った教会の礼拝で、たまたま前に座った婦人があまりにも似ているので、尋ねてみたら何とご本人!90歳になるとかでしたが、記憶もたしかで、まだご自分で歩けるほどお元気です。わたしの学生時代からあまり変わらないご様子、実になつかしくて奇跡的な再会でした。そういえば、先生の記念会がバークレーであったはずですが、それがこの教会だったとは、まったく気がつきませんでした。
5/8 Professor Ronald Nakasone のお宅で夕食。日系3世で浄土真宗の開教師ですが、スタンフォードでは老齢化問題の専門家。
5/6 Women's Faculty Club で Jesuit School の教授 Mia MochizukiGeorge Griener と昼食。二人とも宗教芸術や図像学がご専門なので、先日訪れた Santa Ines Mission の立像(そのうち写真をアップします)のことを教えてもらいました。St. Anthony of Padua がもっているものは、聖書から幼子イエスへと歴史的に変遷してゆきます。「言は肉体となった」(John 1:14) から。
5/4 先日のヨセミテの写真を少しアップしました(「写真帳」)。バークレーの写真帳も用意しているのですが、花の名前がわからなくてまだできません。今度植物園に行って尋ねてきます。授業はいよいよ来週で終わり。成績をつけたらもう夏休みです。
4/28 村上春樹の 1Q84 を読みました。ふだんはとても読めませんが、リーヴに出ると余裕ができます。前回もプリンストンで村上春樹に耽りました。ここの東アジア図書館も充実しています。考えてみると、リーヴ中は日本の実生活から遊離した「かりそめの人生」を送るので、パラレル・ワールドの強い実感があります。読み終わって、つい夜空に月が二つあるかどうか確かめたくなりました。
4/24 欧州の飛行機が飛ばないため、イギリスからの講演者が来られずに、今日は録音による講演になりました。生命の定義が自己再生産などから環境解釈力へと変化すると、目的論が科学に再導入されることになる、というところが面白かった。パースの象徴論が生きています。
4/23 Paul Davies の講演。"Are We Alone in the Universe?" ちょうど先日(3/22) に SETI の電波望遠鏡群を見学したばかりなので聴きに行きました。50年も成果なしに続けられている地球外知的生命の探求ですが、探し方が間違っているのではないか、という話。人間や生命や知性への問いが非常に面白かったけれど、神学との対話になると講演もレスポンスもまだほんの準備段階という印象。
4/22 40 周年の Earth Day を Yosemite で過ごしました。バークレーは暑かったのに、着いたら雪が降っていました。雪に飾られた山々も美しい。そういえば写真帳がなかなか整理できませんが、そのうちにアップします。
4/20 Ministry 誌が届きました(「その他」ページ参照)。先日の砂川市神社政教分離判決について書きました(1/21 参照)。いったい最高裁はどうやって「社会通念」をはかったのでしょうか。
4/19 『キリスト教教育事典』が出ました(「その他」ページ参照)。といっても、実物は日本の自宅に送られているのでまだ見ていませんが。「神認識」と「人間観」の項目を執筆。
4/18 Sycamore Congregational Church の礼拝。日語部と英語部の両方に出てしまいました。どちらもよい説教で、日本語の讃美歌を歌ったのも久しぶりでした。礼拝後のとんこつラーメンがまた本職並にうまかった。佐原先生、ええ仕事してまんな。この日本人教会は創立百年を越えているというのでまた驚き。図書室には日系人収容所内発行の Topaz Times 復刻版全巻がありました。
4/13 The Singh Lecture. Donahue 学長が挨拶、Kwan 教授が紹介。百人近い聴衆でした。比較宗教だったので仏教にも触れたのですが、きっとわたしより詳しい専門家がおられたはずです。質疑は神学よりも政治の話が多かったかな。手元が暗くて原稿がよく見えないのは困ったけれど、それ以外はとても楽しめる講演でした。
4/9 プリンストンではあまり感じたことはありませんが、ここでは軍が市民生活にずっと近い感じがします。州立だからでしょうか、大学や研究機関が国防の産業や政策と直結していて、誰もそれを憚らない。「国益に奉仕する科学」という標語にはどうしても首を傾げたくなります。核兵器の研究はたしかにそうなのでしょう。カリフォルニア大学って、実に物騒なところです。
4/6 ジョナサン・エドワーズ学会の活動が盛んになっています。わたしも一つポスティングを出しました。エドワーズの翻訳選集についてです。
4/4 ロサンゼルスの Angelus Temple でイースター礼拝に出席。Aimee Semple McPherson という女性がはじめてラジオによる大規模伝道をはじめた歴史的教会です。ここに 1924 年の写真今日の写真 を並べておきます。いつも授業に使っている映画 Elmer Gantry (1960) の主人公のモデルで、なかなか話題性に富んだ人なのですが、そんな歴史的由来はまったく無関係で、礼拝は派手なロックンロールコンサートみたいでした。
4/1 国勢調査票が届きました。たまたま2010年4月1日にいる米国全住民が対象です。税分配の算定基礎となる人数と人種を調べるだけで、宗教や職業などは聞かれません。「あなたはときどき別のところに住むことがあるか?」という最後の質問は面白かった。Yes だと「それは大学か軍隊か老人施設か、それとも監獄か」っていう選択肢。
3/27 Winchester House に行きました。ライフル銃で大儲けをしたウィンチェスターの未亡人が金に飽かせて罪滅ぼしに造らせ続けた奇妙奇天烈な家。でもツアーは単調だし、ごちゃごちゃした作りかけの家っていうだけで、28 ドルは高すぎる。おすすめしません。
3/25 Sierra Pacific Industries の大きな木材工場を見学。カリフォルニア最大の私有会社ですが、ビジネススパンが長い森林業は私企業が多いとか。特に Sustainable Forestry Initiative のレクチャーが面白かった。定期的な山火事や生物多様性の大切さがよくわかります。振り返れば日本の植林は「画一性」の代名詞。アメリカでもこういう理解が進んだのは最近のことだそうですが、スギ花粉問題や林業全体の長期衰退を見ると、もっと学ぶところがあるように思いました。
3/22 Hat Creek Radio Observatory に行ってきました。Microsoft の Paul Allen が出したお金でつくられた電波望遠鏡群があります。地球外知的生命の存在を探す とかで、山の中に忽然とパラボラアンテナ群があらわれて何だかミステリアスでした。さて、それが発見されると、受肉論などはどう展開されることになるのか。ジョン・ヒックみたいな話です。
3/20 論文を二つ追加しました(「論文」ページ)。世界に知られていながら日本ではまったく無名の神学者小山晃佑について書いたものは、こちらでの授業にも触れてあります。不思議な魅力のある人でしたが、その魅力を著作だけから説明するのはなかなか困難です。
3/17 最近はわたしの名前も有名になりました。このあたりで Morimoto と言うと、「え、あの Iron Chef Morimoto の親戚か?」と聞かれます。料理の鉄人です。ニューヨークにレストランがあるとかで、ひとしきりその番組の話を聞かされます。
3/14 Glide Church での礼拝。神学校の同僚に一度は行ってみろと勧められていたので行きました。週報などは何もなく、いきなり手拍子で始まって、派手なビートのブラスサウンド。祭壇にはゲイ・レズビアン権利運動のスライドが大写しに続き、思い思いの格好で身体を揺する聖歌隊が数十人。会衆席も色とりどりで、なかにはちょっとアブナイ人も。それでも牧師の説教は訴える力があってパワフルだし、居心地はよかった。これも現代のキリスト教の姿なのでしょう。毎週これじゃちょっとくたびれるな、と思う反面、日本の教会も古めかしい礼拝ばかりではいけないと思います。
3/12 American Dance Theater がバークレーに来たので観てきました。アクロバティックでもないしあんまり揃ってもいないけれど、のびのびとしていて楽しいダンス。「文化使節大使」にも任命されたというから、いかにもアメリカらしいのでしょう。わたしにはやはり Rock My Soul など聖書や黒人霊歌を題材にしたのがわかりやすかった。観客席も大いに乗っていました。
3/10 Dr. Moses Penumaka のお招きで Pacific Lutheran Theological Seminary祝典に参加。3人の優れた女性指導者たちが話しましたが、学長の説教はこの晴れがましい席に参加を断った人の思いを伝えて、深く心に響きました。友人曰く、成功話は偶然の要素が大きくてあまり参考にはならない。失敗話にこそ学ぶものがある。実にその通りです。
3/6 ICU 北カリフォルニア支部同窓会。幹事の一人が何とセクションメイトの中川君。某大会社の副社長です。アメリカの同窓生は早稲田と同じくらいいるとか。卒業生総数はきっと百分の1くらいなのに。でも、最近の人はもっと南に行くようです。たしかにサンフランシスコは一世代昔の感じで、日本人街というより日系人街です。
3/4 右欄の Singh Lecture のポスターができています。ありあわせの写真を出したので変ですが、仕方がない。リンクも新しくなりました。
3/1 土曜日に Shutter Island を観ました。評判はよかったのですが、Truman Show や Eagle Eye のように、いつの間にか全体の地と絵柄がひっくり返るという最近よくあるパターン。筋書きが open-ended で終わる他なく、すっきり感がありません。70点。
2/28 サンフランシスコの日本人教会に出席したら、説教は何と同窓生の冨長明彦牧師。久しぶりの再会に、礼拝後もお宅でお世話になりました。日語教会はどこも80歳90歳と高齢化していますが、みなさんとてもそんなお歳には見えない方ばかり。
2/26 バークレーの学生騒動。Telegraph Avenue はやはりヒッピー文化の名残があります。テレビ報道では往時の暴動みたいに見えましたが、占拠されたという建物を翌日見に行ったら、もともと改築中で空っぽの建物。案外お行儀のよい騒動だったらしい。
2/25 Asia Project の歓迎パーティ。Jim Donahue(学長)、Arthur Holder(学部長)、Jeffrey Kuan(プロジェクト委員長)、Judith Berling(中国思想)ら10人と夕食。いかにも西海岸風のゆるい会話でした。とても神学の偉い教授たちとは思えないのだけれど。
2/19 Monterey に行きました。ジャズフェスティバルやゴルフの全米オープンで有名らしいですが、水族館がいちばん楽しめました。Carmel Mission の歴史博物館もよかった。宿は The Inn at Del Monte Beach という海辺の B&B。広くはありませんが設備が新しくて清潔、部屋のテイストも日本人好みです。宿のおやじに頼まれたので、宣伝しておきます。
2/17 灰の水曜日の礼拝。しばらく離れて振り返ってみると、改革の仕事で受けた傷が深いことに気づきます。覚悟はしていたものの、親しかった人々との断絶も経験しました。額に十字の印を受けながら、自分の至らなさを思い、大学コミュニティの和解を祈りました。
2/16 日本や米国東部では寒い日が続いているようですが、ここはもう初夏のような陽気です。ところで、冬に赤々と燃える暖炉は、ベイエリアでは一昨年から法律で禁じられています。煙突からけむりが上がっているのが見つかると最高2千ドルの罰金。家庭で木を燃やすと健康公害になるからだそうですが、こんなに暖かいと、ガスで燃やすあのニセ暖炉すら無用に思えてきます。
2/14 市内長老派教会の礼拝。音楽はすばらしいのですが、説教がぱっとしません。主任牧師の交代期で仕方がないのしょう。ただ、祝祷の直前に長々と今週のイベントを紹介してチケット販売まで説明するのだけはやめてほしい。
2/12 International House で Visiting Scholars' Reception。日本人の方々にもお会いしましたが、何といっても急激に増えたのは中国人です。ただ、専門を聞いてみるとみな Marketing や Business 関係。文化や人文系の学問に目が行くのはもう少し先のことなのでしょう。それともバークレーという土地柄なのかな。東部の大学に較べると哲学などの思想系が少ないように思えます。
2/8 Muir Woods National Monument でレッドウッドの大木が聳え立つ森を歩きました。1945年5月、日本が一億総玉砕を叫んでいた頃、国連設立のために集まった世界各国の代表がこの森を訪れています。直前に亡くなったルーズヴェルト大統領を記念するためですが、宗派を問わず人々に崇高な畏敬の念を抱かせる自然は、こういうときには便利な宗教の代用品になります。
2/4 GTU Asia Project の理事会に出席。学校の用意してくれた住まいで、ひとつとんでもない「お宝」を発見。ふだん使いのきれいなお皿をひっくり返してみたら、何と "Made in Occupied Japan" の刻印が。鑑定団に出そうかな。戦後史をお総菜にごはんを食べるとは、実にもったいない話でございます。
2/2 授業の第一回。なかなか食いつきのよい学生たちです。18人の中に日本人が3人もいてびっくり。一人は天理教のご出身です。学部長の Arthur Holder と話したら、GTU が神学校でありながら公立の UC Berkeley と協働できるのは、こういう超宗派的なところがあるからなのだとか。
1/28 バークレーに来ています。ワイヤレスのネット環境が整わず、なかなかつながりませんでした。住まいはカリフォルニア料理発祥の Chez Panisse もすぐそば、おいしいレストランだらけで、まずは食べ過ぎないように注意しないと。
1/21 砂川市神社訴訟違憲判決。最高裁が現実的な処方箋とともにようやく新しい判断を示したのはよい。政教分離の適用は総合判断が必要というのも当然。だが、「一般人の評価や社会通念に照らして」では、少数者の人権を守る最後の砦としての最高裁の機能は果たせない。そんなことは戦前の日本を考えればすぐにわかります。だから「神道側の信教の自由を守る」などというとんちんかんな議論になるのです。政教分離や信教の自由の歴史と意義について、これらの裁判官はどういう見識をおもちなのか。大勢追随ばかりというのは、きっと任命の方法が悪いのでしょうね。ちなみに、唯一合憲とした堀籠幸男裁判官は、「宗教」概念への疑義までは正しいが、上記の点の無理解で哀れなほど論外。
1/20 Ministry 第4号に「時事評論」(「その他」ページ参照)。昨秋のエディンバラ大学滞在で得た歴史的記念の経験。2009年はカルヴァン生誕500年であるばかりか、ダーウィン生誕200年、『種の起源』出版150年でもありました。明けて2010年は、エディンバラ世界宣教会議の100周年記念です。
1/17 例年お正月にはPCを組み直すのですが、今年は渡米用に Mini-ITX で小さいのを作りました。ところが、レガシーポートがないのでキーボードを変えねばならず、これが大問題。マウスは愛用の MX610 が2つともチャタリングが治まらず困っていたので M705 に変えましたが、これは使い勝手がよく正解でした。Unifying の K340 はキー配列が納得できずNG。
1/14 現代に語りかけるキリスト教』重版の知らせ。これで第7版になります。日本の宗教統計とキリスト教諸派統計とをアップデートしておきました。10年前と比べると、「キリスト教系」が2/3に減っています(文化庁資料)。それでも実数よりはずっと多い。何せ日本の信徒総計は2億人で、人口をはるかに越えていますから。
1/11 All Dogs Go To Heaven.
1/6 『平和と和解のグランドデザイン』が出ました(「著書ページ」参照)。これでICUの21世紀COE企画は一応すべて完了ということになります。確かこれを書いたのはもう3年か4年前ですね。千葉先生村上先生、編集作業お疲れさまでした。
1/1 あけましておめでとうございます。旧年中の記事は過去ログへ移しました。今年も年賀状は失礼いたします。ってあんた、クリスマス・カードも失礼したじゃないか、と自分にツッコミ。何だかすべてがリーヴモードになってしまっています。もうすぐ出発だし、受講生たちがシラバスを寄こせというから、そろそろエンジンをかけないといけませんね。みなさまどうぞ今年もよろしくお願いいたします。

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