2014 News and Events @ Anri Morimoto

12/26 もう一つ、毎号送ってもらっているんだけど気づかなかったもの。 The Journal of Religion (The University of Chicago Press) に書いた書評が10月に出版されていました(「その他」ページ「書評」をクリック)。S. T. Campagna-Pinto, The Workshop of Being: Religious Affections and Their Pragmatic Value in the Thought of Jonathan Edwards and William James ですが、かなり辛辣に批判したせいか、著者からはいまだに何の連絡もありません。。。
12/21 Go Global Japan Expo(関西学院大学)第2回が終わりました。昨年は早稲田でしたが、今年は関西なので、昨年ほどのフィーバーはなかったかな。それにしても今日はクリスマス・サンデーです。関西学院大学が文科省の世俗大イベントを引き受けるには、ずいぶん苦衷の判断があったのでしょう。学内の早天礼拝に ICU チームだけ参加させていただきました。
12/14 そういえば、山川出版社『キリスト教の歴史』(「著書」ページ「共著」欄)がしばらく前に再版になりました。再版のたびに少額ですが印税をいただくのでわかります。きっと誰かがどこかで教科書にでも使っているのでしょう。ありがたや。
12/10 できることの見つけ方――全盲女子大生が手に入れた大切なもの」(岩波ジュニア新書)をいただきました。ICU生の石田由香理さんと西村幹子教授の共著です。読んでいてとてもすがすがしい気持ちになり、よしっ、自分もがんばろうという元気が出ます。とても素直で自然で表現力があって、ぜひお薦めです。表紙と最後の写真もニクい。一人のごく普通の女子大生がいることで、回りがどんなにたくさんのことを学べるか。浪人してまで来てくれた石田さん、着任前から伴走している西村先生、ほんとにありがとう。
12/4 オーストラリア大使館で高等教育の国際化に関する日豪大学円卓会議。要するに日本のスーパーグローバル大学を集めて、彼らが目標に掲げた国際化の数値を実現するお手伝いをいたします、というお申し出。はじめてわかったのは、オーストラリアの大学はみんな学生数何万人というマンモス大学でリサーチ志向、リベラルアーツなんていう考えはまったくない、ということです。S/T比はどのくらいかを尋ねても、そもそもそんな数字は考えたことがない。代わりにクラスサイズを尋ねたら、数百人からいちばん小さいので30人とか。
11/30 一昨日は中渋谷教会で『並木浩一著作集』完結記念シンポジウム。わたしは30年以上も前の手紙を見つけて、「教育者」としての並木先生を語りました。高橋一氏と奥泉光氏も相変わらず絶好調で面白かった。昨日はキャンパスで「ICUにおける英語教育」シンポジウム。英語教育とリベラルアーツとの接点を探りましたが、登壇した4人の学生の発言がそれぞれとても光っていました。今日からアドヴェント。
11/24 海のてっぺん」という劇を観に行きました。家というか家族をめぐる古城十忍の作品。おつきあいだったけど、役者もよかったし、まあ話の筋もよかった。舞台装置も標準的だし、所作事がきちんとしているし、声は怒鳴らなくても出ているし、安心して観ていられる。さすが商業演劇。でも劇の最初にやった「ムーヴメント」とかいうのは興ざめでした。あんなもん要らん。俳優の訓練のためにやるなら舞台裏で勝手にやれ。
11/20 グローバル人材におけるアーツとサイエンス」を聴きに行きました。何か「アーツ」という言葉が「芸術」と理解されているみたいで奇妙でした。他方、主催の一橋大学には「サイエンス」学部はないし、Oxford からの講演者は Arts and Sciences には何も触れませんでした。何だかちょっとちぐはぐな取り合わせ。
11/15 United Board の理事会。最近は teleconference で済ませるので、ニューヨークも久しぶり。アジアの諸大学に占める ICU の特別な位置がわかりますが、それだけに今後果たすべき特別な使命も感じます。宿にした The Yale Club には、百年前のハーヴァードとの対抗試合ポスターが飾られていて、今日はプリンストンとの試合だとか。ブルドッグだのタイガーだの、大学のブランディングにはマスコットが不可欠ですね。ICU だとアナグマかな。何だかあんまり強くなさそう。。。
11/12 すごい本が出ましたね。マックス・ミュラー『比較宗教学の誕生――宗教・神話・仏教』の訳です。600頁もある分厚い本で、誰が買うのかわかりませんが、訳者の方々のご努力に感謝します。解題もそれぞれ充実していて、この本の歴史的な意義が現代宗教学の水準からしてよくわかります。仏教の「発見」が西洋世界にとってどんなに大きな衝撃だったか。アメリカからエマソンがオックスフォードを訪れてミュラーと深い交友をもっていた、というのも興味深い。
11/6 日本産学フォーラム主催の「リベラルアーツ研究会」。リベラルアーツの歴史と日米の現代企業から寄せられる熱い視線について話しました(「講演」ページ)。フクシマ原発事故の際に、テレビで解説してくれる専門家の言葉が市井の人にまったく伝わらなかった、という話をしきりにしたら、後で東芝の重役の方に「あれはわたしの友人の○○です」と告げられました。。。
11/3 この夏の旅行経験について、『図書』に書きました(「その他」ページ参照)。ヨーロッパのエドワーズ・センターを訪ねたのですが、そこで思わずボンヘッファーの生家やナチスの宗教施設に出くわした、という話。まだ残り数部ありますので、学生のみなさん、取りに来たら差し上げます。
10/29 『週刊ダイヤモンド』(2014年10月18日号)「最新大学評価ランキング」で、ICUが「使えるグローバル人材輩出大学」で、2位以下に大差をつけて1位として評価されました。ICUは559ポイント、2位は上智で274ポイントです。こんなに評価していただけるのはありがたいが、それにしても「使える」ってどういうことなのだろう。
10/25 アメリカの運転手さんに、「日本はたいへんだったらしいね、キリマンジャロの噴火で」と同情されました。一瞬わからなかったけど、どうやら御嶽山のことらしい。タンザニアと日本の区別もできないなんて、と思いましたが、よく考えてみると、アルファベットには漢字もカタカナもないんだから、Kirishima も Kichijoji も Kilimanjaro もみんな似てるよね。
10/19 最後の訪問先は The College of Wooster。学部教育では毎年プリンストンと並んで全米トップに挙げられる大学です。前に来たのは前々回のリーヴの時だったので、10年ぶり。ついでに昨日は、アーミシュ文化の専門家のフィールドトリップに同行させていただきました。観光で行った時との大きな違いは、馬車制作の現場や普通のご家庭でお話し、食事も一緒にしたこと。
10/16 リベラルアーツ大学視察の2校目は Denison University。大学間対抗スポーツに大きな予算を使っているのがわかります。それでもdivision3なので、スポーツ学生への奨学金などは出せません。Varsity, Club, Intramural という区別も初めて知りました。宿は南北戦争時代に黒人を自由州へと逃がす地下鉄道の秘密駅となっていた建物で、屋根裏に隠し部屋への不思議な入り口がありました。
10/14 キャンパスデザインの視察で Ohio Wesleyan University に来ています。理系分野に力を入れているリベラルアーツ大学なので、特に実験設備などを備えた Science Hall を見ました。9割以上の学生が住む寮は、大きさもテーマも多種多彩。ただ毎年学生の入れ替えがあるので、4年間同じ寮に住むという伝統はないらしい。いちばん印象深い違いは、卒業生の寄付。口は出さないが金は出す。それぞれの建物や部屋に掲げられた感謝のプレートが、とっても眩しく見えました。
10/10 「大学のグローバル化に関する教職員研修」が終了(「講演」ページ参照)。4年前の授業から Moodle の具体的な活用法をお話しました。大学のグローバル化には、留学生寮を建てたり英語で授業をしたりするだけでなく、授業の内容や形態が変わらなければならない、というお話。それにしても、G5 の大学がみんなスーパーグローバル大学 (SGU) に認定されてよかった。どこか欠けると今後やりにくいし。
10/3 Thunderbird のずっと昔のメールを探すのに困っていたら、ImportExportTools というアドオンがとても便利でした。テキストで一括保存を選ぶと、文字化けも解消されて、フォルダごと html 形式で出力されます。添付ファイルもすべて利用可。Gmail へ移行する人は多いと思いますが、移行直後でなくしばらく前に使っていたメーラーの中を検索するのはたいへんです。こんな便利なソフトを作ってくれた人、ありがとう。
9/26 アルメニア共和国独立23周年の記念パーティ。お招きいただいたのは、もちろん駐日大使のグラント・ポゴシャン「閣下」によるものですが、おい、そんなに偉くなっちゃって、こりゃもう大学には戻ってきそうにないな、という感じです。会場では昔と今のICUキャンパス・ファミリーがいっぱい。料理もおいしかったが、さすがにアルメニア・コニャックが絶品でした。
9/23 朝起きたらあまりにいい天気だったので、突然思い立って日光東照宮を見に行きました。たぶん修学旅行以来だと思います。ところが、何と陽明門は工事中で見られませんでした。来年400年記念で、大改築なのだそうです。ちょっと調べてから来ればよかった。とほほ。「見ざる聞かざる言わざる」の写真だけ載せておきます。
9/18 島薗進先生の退任記念『宗教と公共空間』(東大出版会)を共著者の一人藤本龍児さんからいただきました。ハーバーマスらの公共性論の批判的な見直しと、アジアや日本からの視点が含められていて、いずれも意欲的な論文が並んでいます。わたしはあまりゆっくり読んでる暇がないけど、ご興味のある方にはお勧めします。
9/11 日本基督教学会が終了。学会誌編集のお役目も4年間つとめましたので、こちらも無事終了、次の事務局へ引き継ぎました。次期の編集委員長は芦名定道先生(京都大学)ですが、京都はもともとわれわれの前に事務局だったので、何だかもとのところにお戻ししたような感じです。学会誌も4年間で改善できたところと、途半ばのところとあります。「あとがき」に書きましたが、他学会で行われている書評と応答の同時掲載は、今後ぜひ実現してもらいたいと思います。
9/7 『変わり続けるキリスト教の不思議』(宗教情報センター、2014年)が出ました。旧約を月本昭男先生、ギリシア正教を久松英二先生がご担当で、わたしは「非西洋化するキリスト教――歴史の先端に立つアジア」(137-199頁)という章です。この出版元は真如苑という仏教系新宗教ですが、とても真面目に他宗教のことを勉強する方々です。本書は「もっとよくわかる世界宗教」のシリーズで、イスラムに続いて2冊目。
9/2 秋の入学式、新任教員就任式の後、学校教育法改正について文科省で説明会。教授会の役割や学長の選任方法など、大学のガバナンスを変えて機動的に改革が進むようにということなので、わたしは大歓迎なのですが、不安をもつ大学は多いようです。6月20日の国会最終日、参議院での採決の結果は賛成223票に反対15票でした。「大学の自治を脅かす」などと息巻く人もいますが、「権限と責任の一致」ということからすると、ごくあたりまえのような気がします。
8/26 私大連の教学担当理事者会議。教養教育がテーマでしたが、大学の規模や理念によって大きく理解が異なることがよくわかります。それと、はじめて知ったのは多くの大学が初年次教育などを「外注」していること。そんな会社があるというのも驚きだし、入学前に学生が自腹でそれを履修するというのも驚きです。というより、いくら注文生産と言っても、大学の教育理念までは共有してくれないでしょうから、委託する内容はやはりスキル習得という面に限定されるのでしょうね。
8/20 朝日新聞に「センター試験に代わる新しい大学入試」についての各大学の反応が載っています。知識量よりも考える力を重視する試験なんて「困難だ」と考えているのが7割だそうです。センター試験の後継となるテストについて、朝日はしきりに「ワインについての文章を読みながら、特定教科にとらわれない総合的な設問に答える」と書きますが、実はこれはICUのサンプル問題です。HPで誰でもチャレンジできますので、みなさんもどうぞ聞いてみてください(それにしてもいい声だな~誰が読んでるんだろ~)。
8/14 でも何で1960年代の話を今作ったんだろう。戦争の過去に加えて、共産主義下の生活実感が縁遠い。「いや、この映画はポーランドの歴史の話ではなく、人間の魂とアイデンティティをめぐる普遍的な話です」と監督は少し苛立って言う。だが、"Never trust the teller, trust the tale." The New Yorker によると、主役を演じたのは監督がワルシャワのカフェで見つけた素人で、修道誓願前という設定とまったく違うフェミニストでヒップスターなのだとか。やっぱり最後はコルトレーンからバッハに帰る、という話かな。
8/13 イーダ」を観てきました。ポーランドから帰ったばかりなので、風景や言葉になじみが感じられました。白黒でとても抑えた表現。描きすぎず、見せすぎず、想像させる力。でも翻訳は短く省略しすぎで、ほんとはもっと大事なこと言ってるんだろうな、という何だか損した気分。渋谷の小さなシアターでしたが、壁に貼ってある宣伝文を読んでいたら、同僚の岩切正一郎先生のコメントが。
8/5 ようやくトップメニューのスマートフォン対応ができました。何だかよくわからないままに jQuery を使っているので、少し不安です。旧写真帳のスライドショーもだいぶ変換できました。何らかの教育情報コンテンツがないと、ただの旅行記になってしまうので、ドイツやポーランドのは、また暇をみて編集してからアップしたいと思います。
7/27 日曜日なので Swidnica と Jawor の平和教会に行きました。1648年のウェストファリア条約直後に建てられた木造の教会で、世界遺産にもなっています。なぜ木造か。プロテスタントを容認したけれど、教会建設には厳しい条件をつけたからです。石や鉄などの永続的な材料を使わないこと、高い塔を作らないこと、町の大砲の射程距離内にあること。。。ところがそのおかげで、発奮した信徒が建てた教会は今もこうして残ることに。内部は、質素な外見からは想像もつかないほど壮麗なバロック芸術の粋でした。
7/26 ええっ、ポーランドの Wroclaw は ドイツの Breslau だった! だからそこには、ボンヘッファーの生家があり、シュライエルマッハーが洗礼を受けた教会があった! エドワーズのことばかり頭にあったので、どちらもその場に行ってはじめて気がつきました。ヨーロッパはやはり戦争の歴史がわからないとわかりませんね。
7/25 ポーランドのジョナサン・エドワーズ・センターを訪れました。Joel Burnell 教授の案内で、ヴロツワフ大学を見せていただき、お宅で夕食をご馳走になりました。ヨーロッパでエドワーズ研究のセンターを運営するのはどこもたいへんなようですが、2016年3月に計画している国際学会については、多くのヒントをもらいました。大学内の博物館では、リベラルアーツの殿堂とも言うべき立派な講堂 Aula Leopoldina が。こんなところで講義するって、いったいどういう気分だろ。何だか急に自分の大学が薄っぺらに見えてきます。
7/23 ハイデルベルク大学に来ています。ジョナサン・エドワーズ・センター長の Jan Stievermann 教授とグローバル・センターの運営方法について協議しました。試験期間中でお忙しいのに、旧市街の観光案内までしていただきました。特にHeiligenberg の遺跡は圧巻でした。第三帝国時代にヒトラーが新しいドイツ精神を鼓舞するために利用した巨大な円形劇場。先史時代の聖所の上に作られてすでに廃墟となった修道院。axis mundi が見える宗教学の教科書のような歴史地理です。あとでスライド写真にまとめてアップします。
7/18 早稲田大学が小保方晴子氏の博士論文を再調査した結果が公表されました。完成版ではなく草稿版を提出したのは「単なる過失」だとか、4千語もの無断盗用が「重大ではない」とか、調査委員会の見識を疑います。おそらく、もしこれが学位取り消しとなれば、他にも類似例がたくさん出てくるからでしょう。博士号を量産できるはずがないからです。わたしも他大学でごく最近経験しました。自分の大学なら、こんな論文は到底通らない、という博士号です。
7/15 ロールズがご専門の川本隆史先生から東京新聞記事「考える広場」(5/24)をいただきました。発行日はちょうどお母上の一周忌だったとか。「共感」の及ぶ範囲を超えた他者への配慮を考える「ケアの正義」。今後ご一緒に研究と教育の働きが担えることを嬉しく思います。
7/12 「有限は無限を容れるか (finitum capax infiniti)――三書評に答えて」(東京大学『アメリカ太平洋研究』)と「修道神学者トマスと今日の神学的実存」(『季刊創文』)とのpdfをアップしておきました(「論文」ページ)。いずれも当該部分のみですが、アメリカ研究の方は遠藤・増井・藤本による三書評の後ろにわたしの応答があります。
7/9 フルブライトの推薦状を書いてほしい人、わたしは7月20日から不在なので、早く申請書を送ってくれないと書けないよ!
7/5 上智で初期アメリカ学会の例会。2人の大学院生が発表しましたが、それぞれ自分の追いかけているものと格闘しているようで、将来が楽しみです。考えてみると、自分の院生時代には学会発表などとても時間がなくてできませんでした。今は業績作りとかで早いうちから発表をさせますが、それが本当にいいのかどうか。Alan Bloom なんて、ほとんど生涯にドカンとあれ一冊です。
7/1 大学のホームページが新しくなりました! 制作に関わった方々の努力に深謝。写真や情報がとても新鮮に飛び込んできます。スマートフォンにももちろん対応しています。今年から新しい入試も始まりますので、どうぞご覧ください。そういえば、今朝アメリカの友人が "So very cool!" と送ってきたのが "It's PAPER !!" こうして見ると、やっぱりフェイスブックとかツイッターとかも必要かな。。。
6/28 インドネシアから Petra Christian University のご一行をお迎えしました。Rector の Dr. Rolly Intan は ICU の卒業生。ドクターの年月を一緒に過ごしました。偉くなりましたね。3200 もあるインドネシアの大学の中で、政府の認証を得ているのはごくわずか。そのうちAランクはたったの 18大学、そのうち私立大学は 5つ、そのうち 4つはイスラム系で、残る一つがこの Petra なのだそうです。すごい! 学生が 8千人もいる大学ですが、正教授は何と 8人だけだとか。それは "Professor" が大学ではなく国で認定されるものだからだそうです。Intan さんはその 8人のうちの一人。これまたすごい!
6/25 Editions Rodopi が Brill に買収されたというお知らせ。哲学・神学・社会学・言語学・歴史学などを専門にしたオランダの出版社ですが、左欄に出ているわたしの本も含めすべて Brill に移管されるということです。Brill の印象は、昔の Edwin Mellen みたいですが、今はたぶん違うのでしょう。よい出版社になることを願っています。
6/20 『アメリカ的理念の身体』の書評が3本、東京大学アメリカ太平洋地域研究センター編『アメリカ太平洋研究』に掲載されました(「著書」ページ参照)。全般的によく理解していただき、日本のアメリカ研究に対するわたしの批判も十分に受け止めていただいた、と感じました。拙著を丹念に読み込んで適切な評価と批判をしてくださった3人の書評者に感謝を申し上げます。3書評に対するわたし自身の応答も掲載されています(「論文」ページ参照)。
6/14 ICU はアメリカ・イギリス・オーストラリア・スウェーデンと並んで世界に5つしかないロータリー平和フェロープログラム大学の一つです。今日は第11期卒業生の年次発表会でしたが、みなすばらしい発表でした。特に現代ネパールにおける魔女狩りと司法を扱った発表が興味深かった。ヒンドゥー社会では今も頻発する暴力ですが、これを witch-huntingという英語に置き換えたとたんに、概念の背景が乗っ取られてしまうように思うのは、自分が初期アメリカ研究者だからかな。
6/9 アメリカ学会が終了。沖縄の海はやっぱり色が違いますね。来年はICUで学会開催を受け入れましたので、どうぞみなさんおいでください。いつまでもお断りし続けているわけにはゆかないので、大西直樹教授の退職前に、と受け入れを決めました。今日はその大西先生の授業で話しました。昨年『アステイオン』に書いたこと(「論文」ページ参照)をネタに、アメリカの政教分離が神学的なプログラムであることをお話ししました。
6/4 新しいページに移行しました。スマホなどの画面にも対応しています。サブコンテンツのエドワーズ関係と写真ページは古いままですが、おいおい暇を見て移行してゆきます。html5 だとビジュアル関係がダイナミックにできるので、自分でできる範囲の工夫をしてみます。なお、Internet Explorer の古いバージョンには対応していません。最上部のメニューバーが茶色に見える方は、一般的なセキュリティリスクも高いということですので、この際ぜひ別のブラウザを試してみてください。IE9 以前だと、アニメーションやグラデーションもまったく機能しません。
5/29 大学の公式ホームページがもうすぐリニューアルされるのを機に、このホームページもまったく新しくしようかと思います。今度は iPhone などのスマートフォンや iPad などのタブレットにも対応する予定です。この10年でウェブ環境は大きく変わりましたし、ブラウザも進化しました。html5 で書くと、画面が立体的になり、美しくなり、機動的になります。
5/22 Blackboard 社とアメリカ大使館にお昼をご馳走になりました。でも、「うちは無料の Moodle を使っているので Blackboard に戻ることはないと思います」って言ったら、「いや貴学でお使いの Xythos はうちの商品です」って。むむむ、知らなかった。ところで、26歳のチャーミングな社員が言うには、「わたし生まれてから黒板なんて見たことありません」。社名に関わるアイデンティティ・クライシスですね。
5/21 内田樹氏の講演。小田嶋隆を通してのお知り合いです。武道というのは、筋肉を鍛えて自分の力を強くすることじゃなくて、自然の大きなエネルギーを自分の身体を通して素直に放散させることだ。なるほど。それは西洋にないものか。いやいやあります。A River Runs Through It を読むとわかります。美しい映画にもなったフライフィッシングの話。今わたしが書いている本ができたらお送りします。
5/17 アメリカ大使館公邸で同窓会。100人ほど集まりました。夜の東京タワーが目の前に見える静かな都会の森でした。お招きくださった Tong 首席公使ご夫妻に感謝します。お二人とも卒業生で、お父上は ICU で体育を教えておられました。Child of War 翻訳出版の件も承りました。
5/16 八ヶ岳で新入生リトリート。「学問的倫理基準」 Academic Integrity の話をしました(「講演」ページ)。STAP細胞論文不正問題があったからではありません。昨年からの継続です。毎年考えますが、ICUの学生は、4年間の教育の成果の故なのか、それとも入学した時から違うのか。やはり後の方だと思います。
5/10 トマスの神学を修道者の神学として捉えることの困難は、どんなに修道者の聖性を強調しても、スコラ学の命題形式で書かれている以上、結局は高度に思弁的な営為の産物として受け取られることになり、宗教とはこれらの命題に知的に同意することだ、という愚かな近代人の誤解を再生産してしまうことです。命題の背後にあって、皆既日蝕のコロナのごとくその余白に滲み出てくる聖性を、どのように伝えればよいのか。
5/4 稲垣先生よりていねいなお礼状をいただきました。ご寛恕に恐懼するばかりですが、一点だけ、トマスがカントの理性批判に耐えうるかについては、わたしの解釈に同意されませんでした。日本のこのような優れたトマス研究が、国外でもっと認知されてほしいと思います。それにしても、教会の歴史の中で「神学者にして聖人であった者はほとんど存在しなかった」というバルタザールの言葉は、よく考えると笑えます。
4/28 稲垣良典著『トマス・アクイナスの神学』の書評が出ました(「論文」ページ)。桑原直己先生(筑波)と山本芳久先生(東大)の合評で、わたしのは専門外からの発言ですが、期せずして通ずるところが多いように思いました。著者のトマス像には強く惹かれますが、それが輝けば輝くほど、現代日本の神学的実存からは遠く隔たって霞んでしまう。これは同著者の前著を書評した際にも感じた矛盾です。
4/24 ある日学校で講義をしていた。たいへん困難な問題で、私は、これをどう解明しようかと悪戦苦闘していた。他を顧みる余裕はなかった。しばらくすると、あやふやな手附きで、手を挙げる学生に気附いた。「質問ならもっとはっきり手を挙げたらどうだ」と言うと、「先生、教室が違います」と彼は言った。これには驚いた。(小林秀雄「教育」より)
4/19 Google Scholar Citations という新機能があります。自分の被引用件数を調べてみたら、39件。人文系だとそんなものなのかな。たぶんグーグルのロボットで集めたのでしょうが、英語論文は7本しか登録されていませんでした。一方、Google Scholar で探すと216件。日本語のシステムができたらどうなるのだろう。これで何かが測れると言えるのかどうか。でも少なくとも、理系論文と違って、これはぜーんぶ私が自分で書いたものです。
4/17 オボちゃん問題で新聞もテレビも週刊誌も大フィーバーですが、やはり理系論文の「共著者」っていったい何だろうと思います。着想も実験も解析も文章化もせず、最後の「書き直し」に加わるだけで「共著者」なのですか。それで「被引用件数」にも数えられるのですか。理系の先生方、こんなことをするのは一部の人だけだと言うでしょうが、理系だから客観的だとか理性的だとか言うのはもうやめていただきたい。
4/13 棕櫚の聖日。今日から受難週です。カトリックの方々はレントの期間にいろいろと「断ちもの」をして過ごすそうですが、プロテスタンティズムはそういう聖なる習慣を失ってしまいました。宗教にはやはりお祭りが必要ですね。そういえば、アメリカでは洗足木曜日の礼拝が多かったように思うけれど、受難日の金曜礼拝のところもありました。でもなぜかどちらかだけで、両方はやらない。
4/5 しばらく前に書いたものが、いつの間にかウェブで全文が読めるようになっています。"A Definite and Comprehensive Commentary on Edwards's Theology," in Evangelical Studies Bulletin 83 (Fall 2012). 読み返してみると、よくもまああんな分厚い本を、よくもまあこんなに長い書評にまとめたなあと、感慨があります。えへん。文章もいい。
3/26 ICU卒業式。4年前に新入生だった学生たちに、「卒業前になったらもう一度この授業をとってごらん、自分が大きく成長したことがわかるから」と話しました。それをずっと楽しみにしてきたのに、今は授業がまったく出せないなんて、「みんな怒ってますヨ」と言われてしまいました。ごめんなさい。でも、そういう君たちを心から誇りに思います。今日は成長もたしかに見せていただきました。「フルート」のかやちゃん、ピースベル・スカラーの「いく」さん、人生の新しい章でがんばれ。
3/21 ええっ。今日は春分の日なのに、日の出が 5:44 で日の入りが 17:53。昼間の方が 18 分も長い! Equinox というのは夜が昼と同じ長さだと思っていたのに。 国立天文台のサイトで調べてみたら、日の出も日没も「太陽の上辺が地平線と一致する瞬間」と定義されているので、それぞれ太陽の半径分だけ昼の方が長くなるのだそうです。
3/20 昨夏に慶応大学文学部で話したものがブックレットになって送られてきました。山本敏夫記念講座「文化多元主義とキリスト教」です。3頁にまとめたので「論文」とは言いがたいですが、杉本智俊先生の編集のご努力に感謝します。ついでに、昨秋のピューリタニズム学会の発表もニューズレターに報告しておきました。(「論文」ページ)。
3/14 今日は何の日だかご存じですか? いえ、3.11 じゃなくて 3.14 です。同僚に教えてもらいましたが、実は「数学の日」なのだそうです。なぜかって、円周率だから。他にも、7月22日から8月22日までは「数学月間」というのだそうです。22/7 も円周率ですが、22/8 が何を表しているのか、説明してもらったけどよくわからなかった。。。
3/11 昨冬に長野の清泉女学院大学で行った講演が本になりました(「著書」ページ)。奪格の神学によるアジアのキリスト教解釈ですが、内容は Studies in World Christianity (Edinburgh, 2009) に掲載された論文のパラフレーズです。最後のバイカル先生による講演は、モンゴルのキリスト教についての貴重な報告。それから、編者の古橋昌尚先生は、何と高校時代の同級生でした。不思議な巡り合わせですね。
3/5 卒論発表会。少人数でまったり、と思っていたら、学内ポータルにお知らせが出ていて20人も来てくれました。学生が大きく成長し変貌してゆくのを見るのは、やっぱりいちばん嬉しいことです。「灰の水曜日」でレントに入りましたので、上の写真を取り替えておきました。インドネシアのワヤン美術によるキリストの受難の絵(「写真帳」参照)。
2/27 一昨年の ICU 祭 (2012/11/4) で語った「ラスト・レクチャー」がようやく YouTube にアップされました。この企画は Randy Pausch のが最初ですが、日本でやるならぜひ ICU が最初でなければならない、と思っていたので、学生から講演を依頼された時、すぐに引き受けました。編集の最初の 5 分ほどが無音なのは残念。子どもの頃の写真を見せてみんな大笑いだったんだけど。
2/21 力の限り精一杯努力しても及ばない、ということは誰にだってある。特にスポーツ選手は、優れていればいるほどそれを知っているものです(「もっとゲームを」その他ページ参照)。その姿を見て、「あの子大事な時にはいつも転ぶんですよね」というのは、特に東京オリンピック組織委員会の委員長の発言としては、不適切です。だいたい「あの子」って失礼じゃありませんか。真央ちゃん地元の食堂では、「それなら森さんが滑ってみればいい」という声。まあ図柄的にはちょっと勘弁してほしいけど。
2/13 人環フォーラム』(京都大学)にリベラルアーツ教育をめぐる対談が掲載されました(「その他」ページ参照)。杉万俊夫先生(大学院人間・環境学研究科副研究科長)との対談で、2段組16頁とずいぶん長いものです。掲載誌は、まさに分野横断的で研究紹介や寄稿や書評など、いずれも熱のこもったものばかり。京大というと西田哲学以来の京都学派の印象が強いですが、実は理医薬工農と理系の方が多いようです。その中で総合人間学部と人間・環境学研究科は、先生方の意識や学びの制度が ICU に近く、リベラルアーツの同志を得たような嬉しい思いがしました。
2/8 大雪の中を入学試験においでになった受験生のみなさん、よくがんばりましたね。欠席もほとんどありませんでした。成績は例年よりよいようです。やはり ICU には、「いくつも受けていちばん偏差値の高い大学に入る」という学生ではなく、「どうしてもここに来たい」という学生が来るのです。これは pre-screening で、入試に来たという段階で、すでに二次試験なのです。できればみんな入れたい。。。
2/5 公園の臘梅が典雅で幽玄な香りを放っています。上の表紙写真に切り取ってみたけれど、香りは伝わりませんね。そういえば去年は宝登山に行きました。たしか3月で、花の季節も終わりかけていましたが、香りは山一面に残っていました。山頂の神社は日本武尊の東征に縁があるとかで、日本オオカミの記憶にもつながるし、山名の「火止」はイザナミの出産に関係がありそうで、宗教学的にも興味深い山でした。
2/1 ようやく日の出が少し早くなってきました。日の出は12月の冬至からどんどん早くなるのかと思っていたら、実はそうじゃないんです! 国立天文台の Koyomix で調べたら、日の出が一番遅いのは冬至の半月くらい後。日没が一番早いのも冬至より半月ほど前。うーん、どうしてそうなるのかの説明も別にありましたが、難しすぎてわたしには理解できません。やっぱり天文学はリベラルアーツの一部だ。 3/19から ICU で日本天文学会が開催されます。
1/26 今日の NHK番組「ダーウィンが来た!」ICU 編を見逃した方、このページに「前回のおさらい」があります。途中アナグマの水浴びが出てきますが、それを用意している親切な無名のオバハンは、近隣大学の教授夫人。ご夫婦ともICUの卒業生です。
1/22 『経営者通信』という情報誌に大学紹介のインタヴューが載りました。「グローバル人材の育成に取り組むニッポンの大学のいま」という記事ですが、どちらかというとベンチャー起業家のような読者層なので、ちょっと挑戦的に「日本の常識は世界の非常識」という題をつけました。たまたま次頁にのった別大学が、「学長からの評価ランキング」を載せてくれています。その大学は5位ですが、ICU は全国3位の注目度。これまであまりこういう宣伝をしてこなかったけれど、ちょっと奥ゆかしすぎるのかな。
1/19 今年からセンター試験を離脱しましたので、たいへん心安らかな土日でございます。離脱表明後に、センター試験そのものが5年後に廃止される可能性が発表されたので、「ICU は知っていたのか」と尋ねられますが、いいえそんなことはありません。以前から行ってきた独自の入試を進めることにしただけです。その独自入試も、来年からリベラルアーツ的に大きく変わります。入試は、社会に向けた大学からのメッセージなのです。
1/13 そういえば編集者からの年賀状に『岩波世界人名大辞典』が出た、とありました。アメリカのキリスト教系の人物を中心に 100 項目ほど書きました。当時はずいぶんたいへんだったけど、それでも 38,000 のうちの 100 か。この編集者、『舟を編む』という小説の主人公のモデルになったそうで、研究室に来た時も、まさに辞典編纂一筋、という感じの没頭ぶりでした。なんか映画もあるらしいので、観てみたいな。
1/7 セブンスデー・アドベンチストの機関誌『サインズ オブ ザ タイムス』に、同教団総理の島田真澄先生と独立学園校長の安積力也先生とで新春鼎談をしました(「その他の出版物」ページ)。といってもまだ残暑の9月にしたものです。わたしは若い時に聖書の言葉を心に蓄えることが大切だという話をしました。人生の危機に直面した時には、他に手を伸ばすことができず、自分の内にあるもので対処するしかないからです。3人とも ICU 卒業生、島田さんはカナダハウスの住人でわたしの2年先輩、アメフト選手でみんなの憧れの的でした。
1/3 ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」』を読みました。膨大な量のディテールで、著者も訳者もたいへんだったろうと思います。最後までアジアを発見したと思い込んでいたコロンブスより、インド航路を開拓したガマの方が世界史的に重要だという視点。実はこれもイスラム勢力をアジアから挟み撃ちにするための同盟探しだったとか、ポルトガル船の拿捕で航海術を手に入れたのがハクルートだったとか、エリザベス女王はカトリック・スペインに対抗するためにオスマン帝国と手を組んだとか、そのスルタンは「イスラムとプロテスタントはどちらもカトリックと違って偶像礼拝を嫌い啓典を信じるので同盟したい」という書簡をラテン語で送ってきたとか、仰天のおもしろさ満載。
1/1 あけましておめでとうございます。今年も例によってクリスマスカードも年賀状も出しません。ご無礼をおゆるしください。郵便局は何とかして年賀状を再興させようとしているようですが、やはりネットの時代には難しそうです。旧年中の記事はアーカイヴ欄に移しました。これでこの HP も10 年目。継続するうちに目的も変わってきました。最近は何となく大学の広報という意識が強くなっています。

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