2015 News and Events @ Anri Morimoto

12/25 フライデー』という写真週刊誌にわたしのコメントが載っています(1/8-15日号)。「トランプが全米1の人気者になった7つの理由」という記事ですが、「アメリカ文化に詳しい」専門家として、アメリカ人が自分の才覚でのし上がった人物を好むこと、ポリティカル・コレクトネスの抑圧に嫌気がさしていること、そして過激な発言の割にトランプ氏はそれほど強硬なタカ派ではないこと、などを説明しました。いっしょに載っているのが檀蜜さんの「官能ヌード」なので、ちょっと気が引けますが・・・
12/19 慶應大学で「アメリカ政治研究会」。安井明彦さん(みずほ総研)のご発表も飯田健さん(同志社大学)のご発表も、統計を駆使した計量的な議論でとても説得力がありました。わたしのコメントは、ポピュリズムを越えて共和党が共和党たる所以つまり正統性の所在と、異端であることの代償が小さくなった社会の行く末について。
12/14 サントリー学芸賞の贈呈式。今年選ばれた6点は、みんな面白そうな本です。「人文社会科学は国の文化の品格を表す」ってほんとその通りですね。日本の公務員数は人口比でアメリカの半分、ヨーロッパの3分の1だとか、ヒットラーは実はチャップリンの映画と違ってそんなに小男ではなかったとか、予想外の小ネタもいっぱいで、それぞれの研究者の熱意が感じられます。モンゴルの福音派論も地味で光っていました。
12/7 5日は関西大学で「私大連フォーラム」(「講演」ページ参照)。「前門に教養主義の衰退、後門に反知性主義」というテーマがよかったのか、今年はすぐに全席埋まったということです。たしかに以前のヴィデオを見ると出席者がパラパラですが、今年は聴衆に熱気があり、わたしも少し踏み込んで話しました。打ち上げでは、大阪人はほんまにノリツッコミするんでっか、の話。
12/4 先週わたしの本がまたベストセラーにランクインしたのは、向井万起男さんが「大リーグが大好き!」という朝日新聞夕刊のコラムで拙著を取り上げてくださったからです(11/25)。ビリー・サンデーの紹介で、「反知性主義の旗手となった男」という題です。わたしも掲載内容を知っていたのですが、いつ載るのか忘れていました。スミマセン。次回はそのサンデーに関する現地取材リポートとか。向井先生、続きも楽しみにしています。
12/2 渡辺靖『沈まぬアメリカ』(新潮社)をいただきました。連載当初から拙著が引用され(第1章「ハーバード」)、その後も「リベラルアーツ」や「メガチャーチ」など、きっちりとアメリカン・レガシーの世界拡散に焦点が当てられた好著です。みなさんぜひご一読ください。渡辺先生には、この春にも日経新聞で拙著の書評をしていただきましたが(「著書」ページ参照)、今回のご本で引用されているのはその一つ前の学術書の方で、それもありがたいことです。
11/26 反知性主義』が9刷、21,500部になりました。小説でも1万部行けばいい方だと言われていますので、2万部を越えるなんて、まことにありがたい話です。出版からそろそろ1年になるのに、ここ数日アマゾンではなぜかまた ベストセラー1位 のリボンがついています(西洋哲学部門)。やっぱりこうなると、掃除機が売れた時のエルマー・ガントリーじゃないけど、「神さま、ありがとうございます」みたいな気持ちになってきます。
11/21 昨夜のBS日テレ「深層ニュース」は、はじめ反知性主義とアメリカ大統領選挙の話だったのですが、テロが起きたのでそれと関連づけて話してくれ、と言われて困りました。宗教としてのイスラムには、アメリカのキリスト教が培ったような反知性主義が生まれる余地はありません。中央集権的な構造がないし、宗教的権威への原理的な反撥も表面化しにくいからです。それにしても、イスラーム指導者たちにはもう少し大きな声で「反テロ」の発言をしてもらいたいですね。
11/18 The Upper Room というキリスト教の小冊子があります。今朝は、パリを訪れたアメリカ人女性が、大雑踏の中で大きな荷物を二つ抱えて困っていた時の話。
Suddenly I felt someone reaching for the bag on my right. When I realized the woman was reaching not to steal my bag but to carry it for me, I grabbed the other bag and together we made the trek. My good Samaritan was a young Muslim woman wearing a hijab. When we reached the tree-lined avenue outside the metro station, she left my bag and proceeded on her way. All I could do was yell, "Shukran!" the Arabic word for "thank you." (By Teresa Cannaday, quoted from p. 25, Nov 18, 2015)
これは、おそらく2年くらい前から準備されて出版され、たまたま今日読むように配列されていた話です。今日、パリのテロ事件を思いながら、この無名の若いムスリム女性の善意のことを、全世界のキリスト教徒が、いくつもの言語で読むのです。わたしはこの巡り合わせに神意を感じます。
11/16 今晩のBS日テレの番組は、急遽フランスのテロを特集するということで、金曜日に延期になりました。どんな番組なのか見るチャンスができてよかった。それから、先日中山先生とやった『中央公論』の対談「アメリカの憂鬱」が出ました(「その他」ページ)。ついでに、書くのを忘れていましたが、『2016年の論点100』(文藝春秋)も出ています。
11/15 United Board の理事会とAsian University Leadership Programに出席。新しい Mission Statement を創るのに朝7時から夜10時まで3日間の徹底した会議で、ほとほとくたびれました。最終日の空港へ出発する5分前にようやく見事に全員一致で採択。これで新しい出発ができます。帰ったらパリのニュースでいっぱい。明日の番組でコメントを求められたら、何を話せばいいのかな。
11/10 昨晩はリベラルアーツ研究会(日本産学フォーラム)。つくづく改革の歩みが遅い大学には、企業から学生の目線で圧力をかけてもらうのも有効ですね。今日は慶應大学文学部総合教育科目「聖と俗」で、アメリカの政教分離と反知性主義について。巽先生と粂川先生にお世話になりました。久しぶりに学生相手に授業をしたので、とても楽しかった。中にはちょっとオトナすぎる聴講生もいたみたいですね、宇沢先生。
11/5 The Writers Directory (St. James Press) から掲載情報の確認がありました。最初はまたぞろ scam かと思ったら、どうやら本物らしい。Gale Cengage Learningって図書館向けの教育研究総覧などを出している出版社ですが、27,000人の英語著者が載っているとかで、しばらく前からわたしも載っていました。
10/31 キャンパスプラザ京都で「エドワーズ国際学会準備研究会」。午後は日本ピューリタニズム学会のはじめての関西支部会でしたが、来年もぜひ継続したいと思います。エドワーズ学会の方は来春3月26-27日が本番、「エドワーズ日本センター」のホームページに Call for Papers もアップしてあります。発表をしたい方も聞くだけの方も歓迎しますのでどうぞ。帰りは豊橋あたりで新幹線が一時止まって深夜に。線路に人が入ったとかで、ニュースにもならないが、まったく迷惑な話です。
10/25 長らく絶版だったハンフリート・ミュラー『福音主義神学概説』がオンデマンドで再版されることになりました(「著書」ページ「訳書」をクリック)。新体操選手のカルトからの脱会に役だった、という例の本です。『反知性主義』は、出てから半年で8刷に。『現代に語りかけるキリスト教』も、この春9刷目が出ました。こちらは17年前でさすがに少し古くなっているのですが、とても書き直す時間がありません。
10/21 反知性主義に陥らないための必読書70冊』(文藝春秋)が出ました。雑誌のときに「50冊」だったのが「70冊」に増えているのがミソ。増えた中に橋爪大三郎氏の拙著評が入っています。反知性主義は知性に対する反撥ではない、反知性主義がないと官僚の専制支配になってしまうなど、まことに正しい指摘でありがたい。その上で、これはアメリカに特有で、フランスでも日本と同じように反知性主義には場所がないのだとか。どうやらこりゃ出版社に頼まれて入れた原稿ですな。
10/16 『中央公論』で中山俊宏先生と対談。大統領選で躍進しているトランプ氏を見ると、やっぱりアメリカは反知性主義の視点が欠かせないと思います。両党の討論大会では、共和党候補はみんな派手で面白いが、ほんとに政治を託すなら民主党だ、というコメントが多い。一方、ピュー・リサーチの数字では、福音派やカトリックよりも無宗教ないし無所属という人が急増しています。これはモイセス・ナイム『権力の終焉』が提起する問題にもつながる。反知性主義の行き着く先はアナーキーなのか?
10/10 scamにご注意! 学術雑誌の詐欺が流行しています。"This is Modern Education Review (ISSN 2155-7993), a professional journal published worldwide by Academic Star Publishing Company, New York , NY, USA." 「あなたがどこぞで発表した論文を掲載したい」ということは、つまり金を払えば出版してくれる、ということです。こんな雑誌に発表したり、Editorial Board に名前が出たりしたら、それこそ不名誉なことです。
10/6 「キリスト新聞」1面に「戦後70年企画連続インタビュー」が載りました。「憲法制定時の決意尊ぶべき」という記事です(「その他」ページ)。でも、2面にも「トピックス」で先日のニコニコ動画の記事が載ることは知らなかった。そこに「アメリカではすでにカトリックがプロテスタントを上回っている」という一言がありますが、これは編集者の聞き間違いです。わたしが言ったのは「単一教派としてはカトリックが最大だ」ということです。
10/3 小田嶋隆との対談」を楽しく終えて打ち上げの後、東京駅から久しぶりに終電に乗ったら超満員、降りたらタクシーも長蛇の待ち。カイシャ勤めのたいへんさを実感しました。明けて今日は「父母向けオープンキャンパス」で午前と午後2回のモデル講義。理系を含むリベラルアーツの授業がどんなものか、ICUは学生を見せれば文句なしに納得してもらえるので、企画する方は楽ですね。水野さん・千葉君・黒木君、参加協力ありがとう。ご来場のご父母の方々にも、ICUの教育の実際を十分にご理解いただけたと思います。
10/1 もう明日のことになっちゃったけど、小田嶋との対談「超・反知性主義トークライブ」は何とチケットが3,000円もするのに予約完売だとか。そのプレ企画とかで、本に載らなかった対談の部分が2回に分けて「日経ビジネスオンライン」に掲載されています(『超・反知性主義入門』刊行記念企画、その1『三田線に轢かれかけた「スタンド・バイ・ミー」(9/16)』、その2『「信仰」って、ライフスタイルのことかもしれない (9/24)』)。
9/24 オープンキャンパスでやるモデル授業の準備にと、『意識をめぐる冒険』を読んだらとても面白かった。心身問題への脳科学的なアプローチで、類書の中でもいちばん人文科学的です。犬の意識についてもつくづく同感。ただし、最終章の「私自身が自分の人生という劇の主役なのだ」という結論は、どう考えてもそれまで書き連ねられてきたことと矛盾しています。
9/18 えっ? 視聴者数が2万人を越えています。ほんとかね。ニコニコ対談番組「本当は知らないキリスト教とアメリカ」に出ました。時間がルーズでびっくり。開始も5分遅れて、終了は30分も超過。モーリーさん、えらい興奮してよくしゃべるし、大田先生も静かに長話。わたしの本もよく読んで宣伝してくださり、ありがたかった。3人とも楽しんだから、きっと視聴者も楽しかったでしょう。雨のように流れるコメント、見てる余裕ぜんぜんなかったけど。
9/15 小田嶋隆「超・反知性主義入門」の新刊がアマゾンに載っています。わたしの本の宣伝が「帯のど真ん中にどーんと入っています」と編集者が連絡をくれました。10/2には、その小田嶋と対談をします。詳細はまた後で。それと、今週の金曜日にもドワンゴとかいうインターネット番組でニコニコ対談をします。左のコラムをご覧ください。生放送で、夜遅いのはやだな。
9/10 有志の学生と読書会を始めます。関心のある方はご連絡ください。テキストは、キッペンベルク『宗教史の発見:宗教学と近代』。月に2回くらい、木曜夕方、第一回は9/17です。
9/8 筑摩書房のPR誌『ちくま』に斎藤美奈子氏が拙著をていねいに論評してくれています(「著書」ページ参照)。新潮の編集者が送ってくれました。本の紹介の最後に「ちなみに男性」と書いてあるのがいい。ほんとは「禿げたオッサン」と書きたかったんだろうけど。内田樹編の『日本の反知性主義』と佐藤優の『知性とは何か』にも触れていて、前者への寄稿者でいちばん真正の反知性主義者は小田嶋隆だ、という指摘はわたしの考えと重なります。
9/4 善と悪の経済学』がとても面白かった。特に旧約聖書とキリスト教の項目。新約と違って旧約は徹底して現世的で、禁欲主義が不在、天国や地獄にもほとんど関心がない。しかも、歴史を倫理で説明するから、現世で羽振りがよいのは神の好意の結果と考えるって、こりゃアメリカのキリスト教そのまんまじゃないですか! そもそも「贖い」は経済的概念だし、イエスの譬えも経済の話ばかりだし、Credit は Credo から来るし、負債をゆるすことすなわち罪をゆるすことだし。もし人間の原罪が「過剰消費」なら、本書末尾の提言もよくわかる。
8/31 リベラルアーツ研究会(日本産学フォーラム)で日本アスペン研究所の報告。ハッチンスは結局シカゴ大学で専門化の圧力に勝てなかったけれど、現代日本ではどうか。古典をじっくりと学ぶアスペンの高額なリベラルアーツ研修には、企業経営者が続々と参加しているそうです。MBA さえ取得すればグローバルに通用する、なんて勘違いの時代じゃありません。座談では、文科省の「人社系の学部は廃止」という方針は、実は誤解されて伝わってるんです、という高等教育局長のコメントあり。
8/28 教学担当理事者会議は「アクティブ・ラーニング」がテーマでした。でも、口先ばかりアクティブじゃしかたがない。ただじっと講義を聞いている学生でも、頭の中は非常にアクティブに回転していることだってあります。大学は社会のニーズに対応すべきか? そもそも今日の大学は、戦前の日本やドイツの大学が当時の国家的ニーズに対応しすぎたことへの反省の上に立っているんじゃないのか。だいたい、専門家なら将来社会のニーズを予測できる、と考えるのが愚かです。
8/20 新聞の書評に出ていた『理不尽な進化』を読みました。ゴシック建築の Spandrel とヴォルテールの Dr. Pangloss に託したグールドの適応主義批判が面白かった。生物学の権威ドーキンスとの対決は、鮮やかな反知性主義ですね。進化は偶然性を包含するから、カンブリア紀から百万回リプレイしても、人間は生まれなかっただろうって、へーそうなのか。それにしても、もう少し簡潔に書けそうですが、「あとがき」を読んで理由がわかりました。もともとブログ記事だったものを単行本化したのだそうです。本文にカッコが頻出するのも、ウェブ系の文章には許されるのかな。
8/17 雑誌『正論』に反知性主義の特集が載りました(「その他」ページ参照)。わたしの前に先崎彰容氏(東日本国際大学教授)と潮匡人氏(評論家)のお二人が書いていますが、いずれも拙著をよく読んで咀嚼した文章で、とてもありがたい論考になっています。ネット評を見ると、わたしの文章は右や左と好き勝手に色づけされていますが、そういう近年の論争とは無関係ですっていうのがこの特集に書いたことなんだけど。
8/14 先日の Japan Times の記事は、全国22紙に掲載されたという報告がありました(山梨日日、下野新聞、千葉日報、信濃毎日、東奥日報、沖縄タイムズ、山口新聞、福井新聞、熊本日日、長崎、宮崎日日、河北新報、愛媛、四国、日本海、北日本、大分合同、埼玉、茨城、京都、神戸、山陰中央新報)。すごいね。参考までに、共同通信からいただいた3紙を「その他」ページに載せておきます。
8/12 ブラジル大使館で Do Lago 大使と面談。戦後70年の安倍談話、アソウタロウがカトリックだったこと、ブラジルのカトリックがアメリカ由来の福音派に脅かされて困っていることなど。日本の外交官はどうですか、と訊いたら、概して知識は豊富なのに交渉や決断ができない。「本国と相談して」なんて言ってるうちに他国でみんな決まっちゃうとか。高度なシステムと矮小な個人。やっぱり日本では反知性主義は育ちません。
8/10 昨日の Japan Times にわたしのコメントが載っています。"B-29 pilot asked pope to support Nagasaki atomic bomb victims." 米軍人としての誇らしげな公式見解と、惨状を知った個人としての贖罪の希求とは、同じ一人の中にも同居しているのだと思います。共同通信の記事で、日本語では京都、長崎、茨城などで記事が載ったらしい。ちなみに、Sweeney という同名の旧友に尋ねたら、残念ながら無関係でぜんぜん知らないって。
8/8 「iRONNA」というウェブ誌に「反知性主義を鍛え直す」という記事を書きました。よく見たら、同じサイトに岩田温氏の「宗教的情熱こそが反知性主義の原点である」という記事があり、わたしの本をよく理解して推薦してくれています。ありがたいことです。それにしても、ここ何回か産経系の誌面に書いたり話したりしましたが、編集者はそれぞれの媒体間でぜんぜんやりとりがないらしい。そういうものなのかな。
8/5 毎日暑いですね。せっかく北海道に行ったのに、ちっとも涼しくありませんでした。とほほ。「ジョナサン・エドワーズ・日本センター」の所員で北星学園大学の Bruce Davidson 先生と来春の学会についての打ち合わせ。東京神学大学にある19世紀のエドワーズ全集には、新島襄の手書き署名があります。明治日本の指導者たちもエドワーズを読んでいた証拠ですが、これを来年の学会の案内状にアレンジしてみようかな。
7/23 森本あんり」という若い女性アイドルがいるらしい。活動終了前の最終公演で、涙ながらにこんな挨拶をしています「ステージに立ち始めて半年、アイドルとしての生活をしてきていろんなことを学んできました。皆さんに支えられて人として成長してこれたなと思います。次に進む道でもここで勉強したことを生かしてがんばっていきたいです。皆さん、これからもBudLaBの応援よろしくお願いします!」――そうですか。同姓同名のよしみで、これからもがんばってね。
7/18 オープンキャンパス「ICUがよくわかるガイダンス」。高校生とその親御さんが中心ですが、みんな真剣なのか、じっと聞いてくださるばかりで、こちらから問いかけてもあまり反応がない。やっぱりいきなり授業のように双方向にはなりません。でも、こういう高校生たちがああいうICU生になるんだから、そりゃ成長実感がありますね。
7/13 群像』にエッセイを書きました(「その他」ページ参照)。テイカカズラという花の名について。または、正統と異端について。または、ICUの「バカ山」という名称について。最近よくこういう文芸誌にお世話になりますが、一緒に載っている小説を読むと、あまりにぶっ飛んでて筋もよくわからないのがあります。現代小説家にとって、何のヒネリもなく素人が楽しんで読めるような物語を書くのは恥ずかしいことなのかも。
7/9 BSスカパー!「ニュースザップ」に出てきました。宮澤エマさんの才色兼備と、アーサー・ビナードさんの日本語の美しさに驚嘆。詩人のビナードさん、じゃ英語は読めないのかと思ったら、いやもともと英文学だし、Japan Times からオーストリアの原発について、とても面白い記事を紹介してくれました。おかげで、わたしの『反知性主義』についても、リベラルアーツについても、楽しい会話ができました。やっぱりプロのみなさんすごいね。
7/7 移転したばかりの真新しいPHP研究所で「新しい人間観」の研究会(「講演」ページ)。松下幸之助を座長に始められ、何と今回が第349回、もう30年以上やっているということです。現在の座長は渡部昇一先生で、「世界には2千年続いている組織が二つある、カトリック教会と日本の皇室だ」と、なかなかお元気でした。午前中はGlobal Leadership Studiesの2時間授業で、今日は東京教区東支区の教師研修会。
7/5 水曜日の第4回「リベラルアーツ研究会」(日本産学フォーラム)は、国立研究開発法人「科学技術機構研究開発戦略センター」上席フェローの岩野和生先生のご発表。コンピューターやAIの進化で問われるようになった ELSI (Ethical, Legal and Social Implications) についてでしたが、非常に深刻かつ興味深かった。近頃は iPhone の Siri ちゃんもだいぶ進化してきたけど、「チューリング・テスト」の問題では「人格とは何か」を考えざるを得ない。結局人間は、人間とは何かを自ら問い続ける動物なのです。
7/1 『一冊の本』(朝日新聞出版)に書いたものが出ました(「その他」ページ)。カント認識論、というより人間は頭でものを見ているのだ、という話ですが、ご登場いただいた同僚に差し上げたら「先生やっぱり何も見てないんですね」と言われてしまった。「太った猫のイラスト」がついてるのに気がつかなかった、と書いたら、「あれはイラストじゃなくて写真です」って。。。
6/28 The United Board IASACT セミナー(香港中文大学)が終了。今年の参加者16人の中にわたしがバークレーで教えた学生が2人もいました。いずれも国を代表する優秀な学生です。日本の大学はまだ授業期間中なので、日本からの参加者は毎年ゼロなのが残念。4週間のプログラムで、わたしは最後の発表を聞いてコメントするという役割です。香港で研究を続けている ICU 卒業生の松谷君にも会いました。
6/25 Forbes の Top 10 Liberal Arts Colleges in Asia に ICU が選ばれています!他には、Chinese University of Hong Kong, Lingnan, Yonsei, Ehwa, Yale-NUS など。東京大学と早稲田大学も入っていますが、どちらも「教養」という言葉が入っているからでしょう。国際教養大学は、理系分野がないから入っていないのかな。どんな基準かはともかく、アジアでリベラルアーツが見直され始めている、というのはよいニュースです。
6/23 Wedge という総合月刊誌に著者インタヴューが載りました(「著書」ページ参照)。いつも新幹線とかのシートポケットに入っている雑誌で、14万部も出ているのだそうです。そのせいか、アマゾンでの売れ行きが少し回復しました。ネットでの販売とは別に、「新潮選書フェア」というのをやっていて、書店での売れ行きも好調とか。現在6刷、あと少しで2万部。
6/20 ピューリタニズム学会(青山学院大学)が終了(「講演」ページ参照)。やはり正統と異端の話になるいろいろな意見が出ます。東大『アメリカ太平洋研究』での3者合評(「論文」ページ参照)でも同じようなコメントがありました。思い出してみると、2012年の本からというより『アジア神学』(2004年)以来の関心です。シンポジウムではスコットランド自由教会の話が面白かった。
6/14 Works というリクルート社が出している雑誌に、わたしの『反知性主義』を扱ったインタヴュー記事が出ました(「著書」ページ参照)。「畑違いに学ぶ人事の知恵」という触れ込みです。たしか出版直後に受けたインタヴューですが、季刊なので今になったようです。本来の反知性主義がもつ反権威志向が、実は大企業を忌避するアメリカのベンチャー企業の精神につながっているんだ、という話。
6/8 文學界』の「反知性主義に陥らないないための必読書50冊」という特集に書きました(「その他」ページ参照)。文藝春秋からの執筆依頼にもわたしの著書が触れられていましたが、その内容がわたしの言う「反知性主義」とちょっとずれているので困りました。まあ、おかげでわたしの本もまた大きく売り上げが伸びているのでいっか。土曜日に見たら81位でした。その『文學界』にも、アマゾン「ベストセラー」のリボンがついています。
6/7 ICU で行われたアメリカ学会年次大会が終了(「講演」ページ参照)。わたしの講演は、ペリー・ミラーの The New England Mind: From Colony to Province をもじって作ろうとしたものですが、一生懸命読み直したのに、ついにその"Colony"と"Province"の定義を捕まえられなかった、という愚かでお粗末なお話。でも他の登壇者のおかげで、日米の大学比較などはとても楽しい対話になりました。
6/6 池内恵氏がブログ「イスラーム学の風姿花伝」で拙著をたいへん好意的に評価してくれています(反知性主義を読むならこの二冊)。池内先生とはいつか京都の会議でご一緒しましたが、わたしもときどきご著書から引用します。
6/5 カーネギー倫理国際関係協議会との共催によるGlobal Ethics Conference。ハーヴァードに戻ったマイケル・イグナチエフがずいぶん丸くなっていたので、わたしのコメントが少しずれてしまいました。そう言ったら、ケネディ・スクールだから政策論に特化しているだけで、リアリストである点は昔と同じだよ、と言うのだけど。南アフリカ共和国 Pheko 大使の講演が鋭かった。ご自分の家に来る家政婦が日常的に経験している二つの世界の citizenship について。
6/2 Hope College 学長 John Knapp 氏によるリベラルアーツ講演会。ICU が新しく加わった Global Liberal Arts Alliance のイベントです。なぜリベラルアーツが今日特に注目されるようになったか、なぜアメリカがその担い手になったのか。昔ながらの神学者型学長で、セコイアの木と根の喩えが興味深かった。
5/31 内藤正典『イスラムの怒り』を読みました。ちょっと古いけど、和辻風土論への批判には同感。砂漠って、もともとたいして人が住んでいないのに、そこから人間や文明の性格を導き出すなんて無理です。キリスト教十字軍への批判やイスラムに対する距離も理解できる。身内の女性や子どもなど弱者を徹底して守ることと、旅の日本人女性に対する大胆な接近態度とのギャップは、わたしも学生を連れていてよく感じました。
5/25 Mark Juergensmeyer (UC Santa Barbara) による「宗教と暴力」のシンポジウム。邦訳では「ユルゲンスマイヤー」ですが、彼が米国メソジスト教会の牧師でもあることは、あまり知られていません。昨日は大学教会で説教もしたし、今日の講演では若い頃のリバイバル経験を話題にしていました。Shani 先生の講演も学生たちの質問もよかった。ロータリーの学生が多かったからかな。
5/23 Dr. Carolyn Newton (Provost, College of Wooster) をお迎えして「リベラルアーツにおける科学教育の役割」というシンポジウムを開きました(「講演」ページ参照)。GGJ-SGU のイベント。日本では「リベラルアーツ」は文系教養のように考えられていますが、理系分野を含まないリベラルアーツなんて、歴史的にも現代的にも形容矛盾です。そういう看板は「詐称」と言うべきでしょう。逆に、文学や哲学を教えていても、それがぜんぜんリベラルアーツ的でないことだってあります。
5/19 マチエ『革命宗教の起源』を読みました。とっても面白かった。フランス革命の副産物「最高存在の祝祭」が、単なる狂気のカリカチュアではなく、深く宗教的な動機に彩られていた、という話。デュルケムと同時代人で、内容もシンクロしています。啓蒙思想家たちは反カトリックではあっても、むしろ国家と宗教との究極的一致を求めていたわけで、政教分離やライシテの起源をフランス革命に求めるのはまったくのナンセンスです。法が神で、人権宣言は国家の教理問答だ、というのも納得。
5/10 「人間は、欲したいように欲することはできず、欲せざるを得ないように欲することしかできない。」リヒャルト・クローナー『自由と恩寵』より。「意志の自由」とは、liberum arbitriumではなく、目的追求意欲のことだ。選択の自由なら動物だってもっている。普通のロバなら、ビュリダンのロバにはならない。つまり人間とは意志だ。エドワーズの自由意志論を早く刊行しないと。
5/6 うーん、いくら考えてもわかりません。水平線を見てほんとに「地球の丸さを実感できる」のかな。紀元前の昔から知られていたのは、船がマストから見えてくるということ。水平線が弧になって端っこが落ちてたら、ぐるり360度見て回ったらずれちゃうはず。逆にそれでも水平に見えるってことは、両脇は正面よりさらに遠いところを見ているわけだ。係のオジサンに聞くと、「いやこれは市長の思いつきで」と弁解気味で怪しかった。入館料380円は、いつまでも考える勉強料にしては安い!
5/3 あ゛~、自分で宣伝しといて聞くの忘れた! 野尻リユニオンの仲間からメールがありました。まえこありがとう。でも、よく考えると家にラジオないし。。。今朝は読売新聞にも村田晃嗣氏(同志社学長)の書評が載りました。「宗教史・文化史・政治史・大学史」と、拙著を隅々までお読みいただいたことがわかります。村田先生はアメリカ学会でも大学行政関係でもよくお目にかかります。今日はアマゾン全書で36位
5/1 NHKラジオ第一放送「マイ朝ラジオ」の「著者に聞きたい本のツボ」というコーナーに出ます。あさって日曜の朝6:40頃からだそうです。「全国で250万人が聞いています」ってほんとかな。えーと、そのうちの100人、いや1000人に一人が本を買ってくれるとして。。。ただし、例の「編集権」とやらで、収録されたものがどう放送されるのかはまったくわかりません。
4/29 46年目の光』を読みました。3歳で失明し46歳で視力を取り戻した人の冒険。やっぱり人間は頭でものを見ているのですね。カントは正しかった。と同時に、"nihil est in intellectu quod non prius fuerit in sensu." この人にとって、世界はただの色の洪水で、錯視も起こりえず、手で触れられるより遠くにあるものには凹凸も遠近もない。いちばん面白かったのは、『プレイボーイ』誌の3頁にわたる折り込みグラビアを見たときの話(内緒)。
4/26 今日は大澤真幸氏が東京新聞で拙著を書評しています。アメリカのキリスト教が「土着化」によって大きく変質した結果、宗教と商売とが直結した、ということまではわたしが書いたことですが、大澤真幸の解釈が優れているのはその先。だから読者が最後に気づくのは、「反知性主義の歴史を辿ることは、アメリカに代表される資本主義の本性を探求することでもあった」ということだ、という点。さすが『世界史の哲学』の著者です。
4/25 日経ビジネスオンライン」にわたしのインタヴュー記事が載っています。ちっとも「キーパーソン」なんかじゃないけれど、「反知性主義」という言葉が最初に使われるようになった時の本来のニュアンスについて話しました。最近はこういうウェブ記事が新聞などの伝統的なメディアを凌ぐ影響力をもっていることがよくわかります。「Amazon 本のベストセラーまとめ」というサイトによると、わたしの本は4月24日に51位まで上がりました。写真集だの辞典だのマンガだのを合わせた全書籍ジャンル中だから、一瞬だけにしてもすごいね。
4/22 長崎新聞」に吉田徹先生(北海道大学)の書評が掲載されている、というお知らせがありました。共同通信の配信なので、他の地方でも出てくるそうです。また、それとは別の書評が、「信濃毎日新聞」にも載っています。評者の芝山豊先生はモンゴルのキリスト教の専門家で、先生が学長になられた清泉女学院大は、たしか一昨年に講演で行きました。ほんとにみなさんよい評価と推薦をしていただき、ありがたく思います。
4/20 今日は読売新聞に取り上げていただきました。評者ごとにそれぞれ視点が違って面白いですね。今回は文化部記者の植田さんによる著者インタヴューです。「日本にはむしろ反知性主義が不十分」、「もっと反権威で、既存の知的序列とは異質な知性の多様性が必要だ」というところは、まさにわたしの言いたかったことでありがたい。それにしても、コンビニへ読売新聞を買いに行ったら、若いアルバイトの店員さん、レジの打ち方が分からず、「読売ってサンケイスポーツのことですか?」ってオイオイ。
4/19 産経新聞に吉田一彦氏(神戸大名誉教授)による拙著の書評が掲載されました。アメリカの反知性主義は、猥雑で世俗的であっても強い起動力となり、それが既成の秩序を打破して新しい価値観を生み出す、とわたしの言いたいことがずばりまとめられています。「優れた洞察力に裏付けられた刺激的なアメリカ文化論」というありがたいお言葉。考えてみると、わたしのアメリカ体験は、産経新聞の懸賞論文に始まったのです。ちょうど40年前のことでした。
4/18 ぎょっ。新聞広告に顔写真が。。。『新潮45』でやった竹内洋先生との対談です。橋下市長とかビートたけしとか野坂昭如とかと同じ雑誌に載るっていうのは、何かちょっと挑発的でいいのかな。ほんとは小田嶋隆との鼎談になるはずだったのですが、直前に彼が自転車事故で大怪我をしてしまいました。ツイッターを見る限り元気で執筆は続けているようです。対談では昔の思い出で彼にもちょっと登場してもらいました。同じ号には、評論家の稲垣真澄氏による拙著の正確で核心をついた書評も載っていますので、ぜひ併せてご覧ください。
4/16 朝日朝刊に、日本のミジンコがすべて北米から渡ってきた4匹の親から広がった、という記事が載っていました。700年から3000年くらい前の話だそうです。想像力が刺激されますね。いったいどうやって渡来したのかな。誰かが歩いてきたのかな。何かにくっついて運ばれたのかな。それにしても、たった4匹が延々と単為生殖で全国制覇っていうのは、淋しいのか賑やかなのか。。。
4/12 日本経済新聞に拙著が書評されました。渡辺靖先生(慶應大)の詳細な内容紹介で、「政治学や経済学の観点からの米国論は巷に溢れているが、こうした神学的な視点もやはり米国理解には欠かせない」と、たいへんありがたいコメントです。最後に「白人中心主義を覆そうとする多文化主義」をどう見るか、という問題提起があります。既存の制度や権威への異議申立という意味では、やはり反知性主義の勢力に属するかと思うのですが、たぶん書評者にはもう一段深い問いがありそうです。
4/9 WEB RONZA に拙著が書評されています。「そうだったのか!」が満載、とたいへん好意的な言葉をくださった評者の大槻慎二さんに感謝。反知性主義の成り立ちと変遷、最後にはその堕落まで、正確な理解を簡潔にまとめてあり、これじゃ逆に本を買う必要がなくなっちゃうよ、と思うくらいです。それにしても、「氏の講義は大人気で、説教を受けると入信者が続出する」なんて、人をまるで巡回伝道の詐欺師みたいに言いふらした卒業生って誰や!
4/5 Happy Easter! 大学食堂では ID99 のリユニオンをやっていましたが、アラムナイハウスでは野尻キャンプスタッフ 1977 年のリユニオン。数えてみると、われわれはちょうど40年前の春に入学したのです。卒業後はじめて会う仲間も。昨年洞爺湖畔のペンションを営みながら闘病の果てに亡くなった友を偲びました。イースターのメッセージにふさわしい集まりだったね。
3/31 日本産学フォーラムのリベラルアーツ研究会(第3回)で三菱商事の環境CSR のお話。「商社」という業態の存在意義が大きく変容していたのを知りませんでした。利潤と倫理の狭間に立つ時、大企業のトップは何を根拠にして困難な決断をするのか。たとえば、今後日本でカジノが合法化された時、その業界に進出するのかしないのか。それを企業の「体面」の問題と考えるのか、それとも人間の幸不幸という根っこから考えるのか。モラルではなくモラールの問題です。人は誰でも社会の役に立ちたいと願っている。単に儲けるというだけでなく、尊敬される会社で働く社員は、士気も高い。
3/26 朝日新聞の「論壇時評」で高橋源一郎氏が拙著を紹介してくれています。写真も入っているのは、明らかに著者が男性のおっさんであることを示すためでしょう。ご自分も寄稿している『日本の反知性主義』に触れていないのは、お約束なのかもしれませんがダンディですね。あの本の寄稿者たちには、「身体知」というテーマが共通しています。わたしの言葉で言うと habit。
3/24 その『新潮45』に『イミテーション・ゲーム』の映画評(森田真生)が載っていたので観に行きました。とても面白かった。数学には「天才」がいて、ナチスの暗号を解読したり、計算を機械化してコンピュータを理論化したりして、しまいには同性愛で告発されて42歳で没する。人間の心は機械で模倣できるか、という問いそのものは出てこなかったけれど。最近の BONES に「エニグマ」が出てきたのは、この映画の影響に違いない。
3/21 新潮45』最新号に小田嶋隆が「反知性主義の正体?」というエッセイを書いています。冒頭は彼が内田樹・赤坂真理・高橋源一郎・平川克美・鷲田清一らとの共著で出した『日本の反知性主義』の宣伝なのですが、後半はわたしの本のていねいな紹介。「反知性主義」が相手を非難する際のレッテル貼りになってしまい、語義が拡散しているので、ここらで少し整理しておこう、という趣旨です。オダジマありがとう。「小石川教養主義」の開花ですね。教養っていうのは、「ある目的地に到達するために、知らない道を歩く時の歩き方を身につけることだ」というのは、とてもよく言い当てています。
3/18 わたしの本がYahooニュースに載っています。おかげさまで3刷になりました。「反知性主義」という言葉の流行でしょうか、内田樹氏の本なんて発売前から「ランキング1位」(amazon)だそうです。でもインターネットで癪にさわるのは、なぜだかわからないんだけど、どこかをクリックした拍子に「助けてあげたい。ハゲのあなたを」という広告メッセージが現れること。余計なお世話じゃ!
3/16 『図書新聞』に友人たちの訳書を書評しました(「その他」ページ「書評 Book Reviews」バーをクリック)。哲学史の名著『カントからヘーゲルへ』を書いたクローナーがナチズムの嵐で被った運命の翻弄。とりわけ読んでいて苦しいのは、彼と教授席を争ったハイデガーの非学問的な反感とどす黒い悪意に満ちた嘲笑。深遠な知性と不誠実な人格は、やっぱり共存可能なのか。
3/11 武蔵野大学の有明キャンパスで FD シンポジウム(「講演」ページ参照)。二つのキャンパスをネットでつないだ講演とパネルディスカッションで、学内は原則全教員が参加とのこと。教養教育センターの先生々も熱心でしたが、特に中村孝文副学長にはICUで政治学の非常勤もご担当いただいており、大学改革の同志という気がいたします。途中14:46には、震災でなくなられた方々のために黙祷が捧げられました。
3/8 アマゾンでベストセラー1位(イギリス・アメリカ思想部門)というリボンがついています。ホンマかいな。今朝の『毎日新聞』には、張競先生の書評が載っています。「久々にいい書物に出会った喜びに浸ることができた」というありがたいお言葉。張先生は、わたしが『アステイオン』(79号)に反知性主義と幸福について書く直前に、「魂の幸福を語り合うこと」という論攷を書かれており(76号)、考え方の指針としてとても参考になりました。
3/6 『反知性主義』(新潮社)が重版になりました。まだ2週間しか経っていないのに。小田嶋隆のブログ「日経ビジネス ONLINEの影響だとしたら、すごいやつですね彼は。
3/5 青山学院大学でグローバル化する大学における宗教多様性の話(「講演」ページ参照)。ムスリムの留学生に礼拝用の小スペースを確保することは、今の時代にはキリスト教系の大学でも必要な配慮だと思います。だが大きなモスクを建てたいと言われれば、それは無理でしょう。「すべての宗教は絶対宗教として生まれる」というトレルチの洞察と、「信ずるという異端」を看破したキャントウェル・スミスの現代批判。
2/25 いつも使う駅でトイレの脇を通るたびに、「右側は、滝のおトイレです」っていう案内が聞こえるので、きっとものすごい量の水が流れるんだろうなあ、と思っていたら、「多機能トイレ」なんだって。
2/20 反知性主義――アメリカが生んだ「熱病」の正体』が出ました(「著書」ページ参照)。まだ再校も見ていないうちから、アマゾンで新刊の予約販売が始まっていてびっくり。今月の新潮社刊『波』には、竹内洋先生のありがたい書評も出ます。さすが手回しがいいですね。このホームページなんて、タイトルが "2014" News and Updates のままになっていたのに最近ようやく気がついたばかり。
2/18 昨日は桜の聖母短大のFD研修会で、熱心な先生方との質疑とディスカッション。Moodleの新しいバージョンは、iPadやiPhoneにも一部対応できるようになっています。その後、遠藤静子学長に修道会の戦前からの歴史資料を集めた部屋を見せていただきました。なお、今日からレントですので、トップ画像を替えました。インドネシアのワヤン美術による受難画です。
2/11 先日図書館に行ったら、古参の館員に呼び止められて「先生ご活躍ですね」とニヤニヤ。何と、わたしが「出版界の女性活用」の例として紹介されているのです(『いける本・いけない本』27頁)。名前だけで性別を見分けるのは難しい時代ですが、トランスビューの中島廣さん、わたしはここ半世紀ばかりこの名前を使っています。
2/7 入試が無事終了。新しい「総合教養」科目のせいか、今年は昨年より2割以上も受験者が多くなりました。今日受験した学生のみなさん、これは2次試験です。あなたがたは、「ICUを受験しよう」と思った時点で、すでに1次試験に合格しています。ICUの入試は、他大学とまったく異なる独自の入試なので、リスクを進んで引き受ける覚悟のある人しか受けないからです。わたしたちは、そういう学生を待っています。さあ、4月に桜の下でお会いしましょう。
2/4 NHK News Web という番組から "I am ○○" の由来を尋ねられ、公民権運動などとの歴史的なつながりを説明したワンカットが放映されました。見ないで寝ちゃったので、今日学校で広報オフィスに録画してもらったのを見ました。ほんの一瞬です。
1/31 南山大学宗教文化研究所でシンポジウム(「講演」ページ)。半分は2年前に同じところでお話したことの焼き直しで、残りはまだ未完成な楽屋裏話。それなのに、丁寧で慧眼で簡潔なレスポンスをくださった寺尾寿芳先生(聖カタリナ大学)に感謝申し上げます。共通の友人もいたようで、名古屋つながりだみゃー。他に、1920年代から進められている中国の本色化の議論と、現代韓国のミッションスクールが置かれている「信教の自由」に関する奇妙な立場が興味深かった。
1/27 キャロライン・ケネディ駐日大使が来学。キャンパス中央にハナミズキの木を植樹いただきました。日米交流財団の"Friendship Blossoms" プロジェクトです。セキュリティが厳格で、事前にお伝えすることもできず、集まった学生も半信半疑でした。大使は波瀾万丈の人生でしょうが、とてもカジュアルな親しみやすい方で、学生の質問にも気さくにお答えいただきました。
1/24 Gordon Graham 教授(プリンストン神学大学)の講演(初期アメリカ学会・ピューリタニズム学会合同)。スコットランド啓蒙と自然宗教の話でしたが、特にアダム・スミスの道徳感情論が面白かった。自分にまったく落ち度がないのにたまたま誰かの死の原因になってしまったら、たとえ罪悪感はなくても、やっぱり「寝覚めが悪い」。この感情をヒュームだったらどう説明するのか。それにしても、最後にプリンストンに行ったのは2007年。学長も替わるし、往年の教授たちはみな引退や物故で、寂寞感しきり。
1/22 ポーランド大使ツィリル・コザチェフスキ氏が来学。授業では、先日のヴロツワフで見たカトリック司教の銅像 "Wir vergeben und bitten um vergebung" のことと、"Track Two Diplomacy" についてお尋ねしました。食事の時に伺った話では、ヴロツワフは2016年のEU文化首都になるのだそうです。あのハプスブルク家が創設した大学の絢爛豪華な文化遺産やノーベル賞受賞者の一覧などを見ると、その資格が十分にあることもわかります。
1/15 第二回「リベラルアーツ研究会」(日本産学フォーラム)。東芝イノベーション推進本部の話で、"icu-be" ってICUみたいになることかと思ったら、"i-cube" なんだって。東芝が手がけた初代の「ワープロ」は、アルファベットの表記が3000ビットくらいでできるのに、最低でも200万ビットは必要な漢字で成し遂げたのだから、人類史的な発明だった、ということです。なるほど。それにしても、大企業の社内研修がリベラルアーツで哲学宗教歴史を論じている、というのは驚きですね。専門知識だけではイノベーションは生まれないのだとか。
1/12 藤沢で友人の葬儀。享年60歳。卒業以来ずっと家族ぐるみで親しかったので、とても残念です。自分と同世代の人を送る年齢になったのか、という memento mori の実感あり。この数年、彼を通して「大動脈解離」だとか「腹膜播種」だとかいう難しい医学用語を知りました。自分の終末を見据えながら、なお生き続けるというのは、過酷な使命です。「生きる」ということは、生きる「意志」や「希望」を持ち続ける、ということで、それがなくなると、生命の炎はすうっと消えてゆくのだ、ということもわかりました。
1/7 昨年夏のポーランドでの経験をようやくまとめました(左下の PHOTO ALBUM をクリック)。一部は岩波『図書』に書いたことですが(「その他ページ」「新聞・雑誌・エッセイなど」を参照)、思わぬ過去との遭遇の連続でした。といっても、わたしがヨーロッパの歴史に無知だった、というだけの間抜けな話。久しぶりにページを作ったので、htmlの基本を忘れていて悪戦苦闘しました。きっと次に作る時もまた忘れているのでしょう。とほほ。
1/1 あけましておめでとうございます。今年も例によってクリスマスカードや年賀状のたぐいは失礼します。わたし宛にお送りいただいた方々、筆無精で申し訳ありません。旧年中の記録は左のアーカイヴ欄に移しました。このHPのデザインを新しくしたので、トップのスライドに使う画像を用意するのがなかなかたいへんです。テーマにふさわしいものを、と考えつつ、ときにちょっと見慣れないものを。memento mori-moto.

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