laser speakerを利用したguidance system
Laser speakerを用いたガイダンスシステムは,光でデータを伝送する情報伝達システムの1つですが,次のような利点を持っています
1.ユーザー端末が無電源であること.これによりメンテナンスがほとんど不要.
2.ユーザー端末が軽量で安価,さらに環境負荷がきわめて小さい.
3.従来は,無電源端末はイヤホンしか使用不能であったが,これだと周囲の音が聞こえにくくなり,危険であるという問題があったが,Laser speakerを用いれば,小型スピーカーを耳の近くに置くだけであるので,周囲の音を遮蔽しない.(特開2007-53712)
4.反射板を用いたガイダンスシステム(特願2007-215481)によれば,音声情報と同時に,光源の方向を知ることができるので,直感的に人等を誘導することができる.反射板により,斜めからの入射光に対しても感度が落ちない.
Laser speakerを用いたガイダンスシステムのコンセプト
ガイダンスシステムのユーザー端末の構造
2つの太陽電池の間に反射板が立てられている.
技術的考察
まず,左右の音量差から,一意に光源の方向を決定できることを示す.左右の音量の比をAとすると,光源の方向θは次の式によって求まる.
A
θ
下図は、上式に基づきh=1.0、L=1.0、r=1.0の場合に片側の受光部についてプロットしたものである。反射板がないときの正面からの照射での出力が1.0であるが、グラフでは出力が最大1.3となり反射板の効果があらわれている。 選択性(左右の受光量の比)は反射板が高いほど向上する。左右の出力の合計をみてみると,同様の選択性を,反射板なしで実現した場合に比べ,10倍の増加となっている,反射板により,感度と角度選択性を両立することができることがわかる.
(太陽電池間の角度が10度の場合)
パネル1からの出力
θ
太陽電池パネルは斜め入射の光に対して,受光量がcosθにしたがって減少し,そのために受信感度が低下する.2枚の太陽電池パネルの間に反射板を設けることにより,斜め入射でも受信感度が低下せず,また同時に角度選択性も向上させることができる.
反射率をrとする(0<r<1)。r=0は黒い板、遮光板もしくは完全吸収板の場合であり、r=1が完全反射である。衝立2の高さをhとし、それぞれの受光部の長さをLとする。単位面積あたりの光量を1とした場合、-90°<θ<-θ1のとき光量は0となり、図10bのように-θ1<θ< 0のとき光量はL+htanθとなり、図10cのように0<θ<θ1 のとき光量はrh sinθ+Lcosθとなり、図10dのようにθ1<θ<90°のとき光量は(1+r)Lc osθとなる。ここで、θ1は衝立に反射した光がちょうど受光部全面にあたるような状態でのθでありtanθ1=L/hである。
θ
左右の出力の比
左右の出力の和