I.デモクリトスの原子仮説をそのまま復活させた.
すべての物質は、微粒子atomからなり、化学現象はatomの結合、分離によって起こる.
II.ダルトンが付け加えた仮説
(1) 実験的にそれ以上分解できないものだけを原子とよぶことにした.
(ラボアジェの単体定義を採用)
∴ 33種の原子
(2) 単体(一種類の原子から成る物質)の場合、気体粒子は個々の原子であると仮定した.
Gas: 水素 酸素 窒素
(3)2種以上の原子からなる物質(化合物)を仮定した.
化合物の分子式を立てた元素記号を導入
分子式を最大単純原理に基ずいて立てた.
<例>
2種の元素からなる化合物が、
・1つしか知られていない場合 :XY
水 : (HO)アンモニア : (NH)
メタン : (CH)
・2つ知られている場合 : XY,X2Y or XY2
●○ (CO)
●○●(CO2)
(4)原子の(相対的な)重さ(=原子量)を定義した.
<例> 実験事実:水(化合物)の定量分析データ
重量比 (水素) 12.6%(酸素) 87.4%
(水素)の原子量を1とすると,水を (HO)と考えていたので
水素/ 酸素= 12.6/87.4 = 1/酸素
∴酸素(○)の 原子量= 7
※正しくは H2O12.6/87.4 =1x2/酸素
∴酸素(○)=14 となる
↓ (実験誤差のため)
16 正しい酸素の原子量
ゲイリュサックの気体反応の法則(1808)
「反応する気体の容積間には簡単な整数比が成り立つ」(経験則)
<気体反応:2 例>
2 + 1 ---------> 2 容積比=2:1:2水素 酸素 水蒸気
3 + 1 ---------> 2 容積比=3:1:2
水素 窒素 アンモニア
アボガドロの分子説(1811)
a.すべての気体は同温,同圧のもとでは,同容積の中に同数の粒子を含む.b.単体にも分子が存在し,2個の原子から成り立っている.
(2原子からなる気体分子が存在する)
そこで,単体気体(水素,酸素)を2原子分子として,同容積中に同数の分子を含むという仮説aを上の気体反応当てはめると以下のようになる。すると,物質(原子)不滅の原理により水の分子式は(H2O)でなければならない。
水素 酸素 水蒸気
2・H2 + 1・O2 → 2・H2O
一般に(各体積中にN個の分子を含むと考えると)
2N・H2 + 1N・O2 ------→ 2N・H2O
すなわち, 気体の容積比=粒子(分子)数比
(重要な結論) 反応式の係数は容積比あるいは分子数比を示す。
どんな種類の気体も(一定の温度,圧力下では)、一定容積中に同数の分子を含む。(気体分子間の距離が十分大きいため) (重量は異なる)
●分子の重さ(分子量)/相対値を定義する。分子量は含まれる各原子の原子量の和。H2 の分子量=1x2=2 O2 の分子量=16x2=32 H2Oの分子量=1x2+16=18
固体のぶどう糖(C6H12O6)=6x12+12+6x16=180
Q: はたして水素分子が何個集まるとgスケールの重さになるのだろうか?
(水素原子が1g, 水素分子が2gとなる分子数を知りたい)。その個数をN0(アボガドロ数)と呼ぶことにする。N0個の水素分子があ2gであれば、N0個の水分子の集団は18g, N0個のぶどう糖の集団は180gとなる。
N0個の分子の集団を1モル(mol)と定義しよう。モルは反応する分子の単位として便利だ。
(体重の異なるヒトを“人”単位で数えるように)