Daltonの原子論(1803年)

 

I.デモクリトスの原子仮説をそのまま復活させた.

すべての物質は、微粒子atomからなり、

化学現象はatomの結合、分離によって起こる.

 

II.ダルトンが付け加えた仮説

 

(1) 実験的にそれ以上分解できないものだけを原子とよぶことにした.

 (ラボアジェの単体定義を採用)

  ∴ 33種の原子

(2) 単体(一種類の原子から成る物質)の場合、気体粒子は個々の原子であると仮定した.

     Gas:   水素   酸素   窒素

(3)2種以上の原子からなる物質(化合物)を仮定した.

  化合物の分子式を立てた元素記号を導入

   分子式を最大単純原理に基ずいて立てた.

  <例>

  2種の元素からなる化合物が、

  ・1つしか知られていない場合 :XY

  水   :   (HO)

  アンモニア : (NH)

  メタン :   (CH)

  ・2つ知られている場合 : XY,X2Y or XY2

      ●○ (CO)

      ●○●(CO2

(4)原子の(相対的な)重さ(=原子量)を定義した.

 

  <例>  実験事実:水(化合物)の定量分析データ

 重量比  (水素) 12.6%

        (酸素) 87.4%

(水素)の原子量を1とすると,水を (HO)と考えていたので

 

  水素/ 酸素= 12.6/87.4 = 1/酸素

      ∴酸素(○)の 原子量= 7   

※正しくは  2O

 12.6/87.4 =1x2/酸素

    ∴酸素(○)=14 となる

        ↓ (実験誤差のため)

      16 正しい酸素の原子量

 

ゲイリュサックの気体反応の法則(1808)

  「反応する気体の容積間には簡単な整数比が成り立つ」(経験則)

<気体反応:2 例>

  2    +    1  --------->  2    容積比=2:1:2

 水素        酸素         水蒸気

 

 3    +    1  --------->  2    容積比=3:1:2

    水素         窒素          アンモニア

 

アボガドロの分子説(1811)

a.すべての気体は同温,同圧のもとでは,同容積の中に同数の粒子を含む.

b.単体にも分子が存在し,2個の原子から成り立っている.

(2原子からなる気体分子が存在する)

 

そこで,単体気体(水素,酸素)を2原子分子として,同容積中に同数の分子を含むという仮説aを上の気体反応当てはめると以下のようになる。

すると,物質(原子)不滅の原理により水の分子式は(H2O)でなければならない。

 水素         酸素       水蒸気

2・H2    + 1・O2   →   2・H2O

 

 一般に(各体積中にN個の分子を含むと考えると)

   2N・H2 + 1N・O2 ------→ 2N・H2O

 

   すなわち, 気体の容積比=粒子(分子)数比  

      (重要な結論) 反応式の係数は容積比あるいは分子数比を示す。

 

どんな種類の気体も(一定の温度,圧力下では)、一定容積中に同数の分子を含む。

(気体分子間の距離が十分大きいため)   (重量は異なる)

 

●分子の重さ(分子量)/相対値を定義する。分子量は含まれる各原子の原子量の和。

 H2 の分子量=1x2=2   O2 の分子量=16x2=32  H2Oの分子量=1x2+16=18

 固体のぶどう糖(C6H12O6)=6x12+12+6x16=180   

 

Q: はたして水素分子が何個集まるとgスケールの重さになるのだろうか?

(水素原子が1g, 水素分子が2gとなる分子数を知りたい)。その個数をN0(アボガドロ数)と呼ぶことにする。

N0個の水素分子があ2gであれば、N0個の水分子の集団は18g, N0個のぶどう糖の集団は180gとなる。

N0個の分子の集団を1モル(mol)と定義しよう。モルは反応する分子の単位として便利だ。

(体重の異なるヒトを“人”単位で数えるように)

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