NSIII レポート課題
041564 吉田 一平
“ミネラルウォーターに関する問題点‘
以前は、ミネラルウォーターと言うと「水道施設が発達していない海外で,水が合わないから仕方なく飲むもの」と言う認識が日本人にはありました。しかし、今日では、日本人の生活にもミネラルウォーターは急速に浸透しています。そもそも、ミネラルウォーター類は日本では4種類に分けられます。
特定水源により採水された地下水で、ろ過,沈殿,及び加熱殺菌のいずれかの手段で殺菌が施されたもの
特定水源より採取された地下水のうち,地下で滞留または移動中にミネラル類が溶解したもの。(鉱水、鉱泉水など)殺菌方法は1と同じ。
原水に関しては2と同じだが殺菌方法として1と同じ方法に加えて,複数の原水の調合、ミネラル分の調整、オゾン殺菌、紫外線殺菌などを施したもの。
しかし、これらの基準は農林水産省によって、業者向けに作られたガイドラインにすぎないため、はっきりとした区別がついていないのが現状で、市販されているミネラルウォーターの中には加熱殺菌されていないもの含まれていたり、複数の水源の水を混ぜたり、ミネラル分を調整,添加してもミネラルウォーターとして販売されているなど、消費者であるわたし達のミネラルウォーターに対する「ピュア」なイメージとはちょっと違うと言う事が言えると思います。
そして,1995年9月に起こったカナダ産ミネラルウォーターのカビ胞子混入事件に象徴されるように国産,外国産を問わず安全管理や取水の際の衛生管理にもまだまだ問題があります。
環境に対する問題点としてあげられるのが、ペットボトルの増加によるゴミ問題です。現在大半のミネラルウォーターがペットボトルに詰められていますが、それらはほとんどがゴミとして捨てられているのが現状です。現在、日本では1時間に約40万本のペットボトルがゴミとして捨てられていて、その99パーセントが廃棄物として捨てられています。このままゴミが増えつづけると約8年でゴミ廃棄場がいっぱいになってしまうという予想結果も出ています。97年に「容器包装リサイクル法」が制定されたものの、ペットボトルをリサイクルして商品にするのにはコストが割高なためなかなか商品化されない状態です。
なぜ、現在のようにミネラルウォーターが日本で普及したのでしょうか?1970年代まで日本ではミネラルウォーターというと「水割り用の水」と言うイメージしかなかったのが、1983年に発売された「六甲のおいしい水」をきっかけとして家庭でも水を「買って飲む」というのが話題となり、翌、84年の夏の記録的な渇水によって一気に家庭用ミネラルウォーターというのがひろまりました。その後も順調にシェアを広げていき、1993年には輸入品の500mlペットボトルが若者に人気を集め、それを入れて歩くための「エビアン・ホルダー」と言うグッズが登場し、若者向けの雑誌で紹介されブームとなりました。1998年の統計によると国民一人当たり年間6.9l消費した計算になっています。
ここまでミネラルウォーターが普及した背景には日本人の水道(水環境)に対する不満や不安が隠されているといえると思います。1999年9月の調査によると水道水を飲み水として考えたとき気にかかることがあると答えた人は45.0%で前回の同様の調査より5%ほど増加しています。具体的に見ていくとカルキくさい(27,8%)水源地の事を考えると安心して飲めない(13.6%)変な味がする(9.0%)などの理由が挙げられています。前回の同様の調査のときに比べて、「水源地のことを考えると安心して飲めない」と言う理由が4%増加していることからも水質そのものよりも,水環境に対する不安が隠されていると言えます。しかし,水道に関する不安、不満は私達自身が作り出していると言えるのではないでしょうか。たとえば、「カルキ臭い」と言う不満は、私達が排出した生活排水によって川の水質が悪化したせいで、塩素濃度をあげざるを得ないというのが実情です。また、水源地の環境にしても私達が環境を破壊した事によって環境バランスが崩れてしまったということも言えると思います。ミネラルウォーターを飲む事も飲まない事も今の段階では自由ですが、飲まざるをえない環境にならないようにするにも私達が水環境に与える影響を考え行動していくことが大切なのではないでしょうか?
例えば、私達にできる事としては生活廃水を減らす、洗剤などを使いすぎない、しん大切にする
参考にしたInternet Site
●Water(ミネラルウォーターについて)
●水道水とミネラルウォーターの飲用実態調査
●水の話
http://home.interlink.or.jp/~k-tsuji/mizu/miz_essa.html
●ペットボトルの現状
http://www.gunze.co.jp/REPET/genjyo3.html
●東京都水道局
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/index.html
---------------------------------------------------------------------