一般教育科目 NS
III「自然の化学的基礎」
目 的
1.自然および人工的世界を化学的基礎から理解すること。
2.現代化学および化学技術の発展と問題点を認識する。
3.民主的社会において、将来、一市民として、化学・技術行政に関し、知的な判断力と適切な影響力を
持ち、かつ、行使しうるように備えること。
内 容
主題「水」――水と人間との共生――
1.「水」を中心とした化学の歴史:万物の根源を水と考えたターレス以来、水の本性を探り続けた人間
の歴史は、そのまま化学(物質学)の歴史でもある。古代ギリシャから17世紀の自然科学方法論確立
期を経て、近代化学の基礎が確立されるまでの人間のあくなき物質(水)探求史をたどる。
2.水の自然科学:水は簡単な構造でありながら極めて特異な性質をもち、それが日常見なれている現象
にも反映されている。「仮説実験授業」方式によって水の特異性を科学的に理解する。
3.自然環境における水:植物・動物の生存に水がいかに深くかかわっているかを学び、さらに地球上の
水の循環と自然環境との関係、人間の水利用とその結果起きている環境汚染の問題を考える。
4.水の起源:水はどこから来たのか? この問は宇宙のはじまりと元素の起源をたずねることであり、
また、水惑星・地球の特異性、生命発生の謎を解く鍵でもある。このような時と空間の限界に関わる
問題をVTRを見ながら考える。
まとめとして、水なしでは一日たりとも存続不可能な地球生命の危機と人間の課題について考える。
クラスの中でいくつかのレポート課題を出す。例えば、「水と人間」について扱っている新聞記事やTV番
組、internet等から情報を収集し、人間の課題を考える。レポートの発表と討論の時間もつくる。
クラスの予定
講義資料
参考書
1.○高木貞恵『水を主題とする一般科学』科学同人 1973 435 Ta29m
2.○米山正信『水―このふしぎなもの』化学のドレミファ第 7 黎明書房 1974 430.8 Y84k v.7
3.○プラット, R.『水=生命をはぐくむもの』紀伊国屋書店 1975 452 P717wJ
4.○セーガン, C.『Cosmos』朝日新聞社 1980 440 Sa15cJk
5.Moore, J. W. and Moore, E. A.『環境理解のための基礎化学』東京化学同人 1980 430 Mo397eJ
6.○半谷高久『地球・水・思う』化学同人 1982 519 H307c
7.○半谷高久編『水とつきあう』化学同人 1983 517 Mi97
8.○ワトソン, L.『水の惑星』河出書房新社 1988 452 W483wJ
9.北野康『水の科学』NHKブックス 1969 080.1 N2 92
10.富山和子『水の文化史』文芸春秋 1980 517 To59m
11.○小倉紀雄『調べる・身近な水』講談社ブルーバックス 1987 080.1 B 696
12.井上靖編『水』日本の名随筆33 作品社 1985 914.608 N77
13.中村運『水の生物学』培風館 1992 452 N37m
14.○宇井純『日本の水を考える』NHK人間大学日本放送出版協会 1994 519.1 U56n
15.島 誠『水の惑星――元素・地球・人間』玉川選書 1976 080.1 T 23
16.日本生態系協会編著『環境を守る最新知識』信山社 サイテック 1998
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