課題 1
匿名希望
「水の世紀」
「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」。これ
は、1995年、当時世界銀行副総裁であったイスマル・セラゲル
ディン氏の発言である。その発言から10年が経とうとしている現在、不幸にもその予測は的中
し、“21世紀は「水の世紀」である“という言葉が、水不足・
水汚染・水紛争などを包括する概念として定着してきた。
そして実際問題として、水問題は21世紀の国際社会において最も重要な課題の一つとなっ
ている。世界の水事情について簡単にまとめたものが、以下である。
●水が原因で年間500〜1000万人が死亡
●12億人が安全な飲料水を確保できない
●2025年には48か国で水が不足する見込み
●水がかかわる病気で子どもたちが8秒に1人ずつ死亡
●途上国における病気の80%の原因は汚れた水
●世界人口の50%に対し下水道などの衛生設備
が未整備
●淡水魚の20%の種が水の汚染で絶滅の危機
[第3回世界水フォーラム事務局資料]
グローバルな視点から人間
は何をすべきか
「21世紀は水の世紀」という概念は、水問題への理解と解
決なくして世界の平和は訪れないという考えが根底にあると言える。水問題は、もはや発展途上国だけの問題ではなく、国際社会全体の問題であるという認識が
必要である。そして、その解決に向けて国際的な取り組みをしていかなければならない。
今、私たちに何ができるか
まずは、世界の水事情に関して
の現状を知ることではないだろうか。そして、この世界で問題となっている水問題について、自分達の身近な問題として捉えることが重要ではないだろうか。確
かに、蛇口をひねれば、水が当たり前のように出てくる、それが当たり前であるといった環境の日本に住んでいる私たちにとっては、この水問題というのは、実
感が湧きづらく、それゆえ関心の低い問題であるかもしれない。しかし、日本に住んでいる私たちにとっても、この問題は決して他人事として考えることはあっ
てはならないし、むしろ、その立場から積極的にこの問題に取り組んでいくべきである。そして、何よりも、そのきっかけとして、まず「水」について知ること
ではないだろうか。水が、生命全体のみなもとであるということを、そして、水にはその代用品がないことを、深く再認識する必要がある。普段の日常生活にお
いて、なかなか水のありがたみを感じることができなくなっている分、水に対して敏感になる意識を持たなければならない。もし、その水の価値が分かれば、お
のずと水の使い方にも気を配りようになると思うし、一人一人のそういった考えようが全体的な影響力にも大きな力を発するものだと、私は考える。
【参考資料】
朝日新聞 朝刊2000年1月11日 9p.
「水が世界を脅かす 枯渇・汚染で奪い合い懸念」
「水の世紀とはなにか」<http://park10.wakwak.com/~ooki/sub13.html>
「世界の水問題」<http://www.pref.kyoto.jp/wwf3-kyoto/contents02.html>
クリストファー。フレイヴィン編著 『ワールド
ウォッチ研究所 地球白書2002-03』、
家の光協会、2002年.
レスター・ブラウン著、福岡克也監訳 『エコ・エコ
ノミー』、家の光協会、2002年.