高校の部活の合宿で“水”について話す

 

* はじめに

 自然の化学的基礎「水と人間の共生」の授業をとって私は、当たり前の存在であった水に関して、考えを改める機会をもつことができました。この3ヶ月で学んだことは、大げさではなく本当に私にとって貴重なものとなっていると思います。そして今、「水は無味、無臭、無色透明で、物理,化学的に特に注目すべき特徴もない。しかもこの地球上のどこにでもある、最もありふれた物質だ。」と考えている高校生がいたら、私はこの授業で学んで感じたこと、考えたことをそっくりそのまま話すと思います。私もこの授業を取るまでは、特に“水”というものに注目もしなかったし、それについてこんなに考えたこともなかったからです。そこで今回、私は“水”の授業をとった後に高校の部活の合宿にOGとして参加して山梨へ行き、そこで後輩たちと水について話す、という場面を想定しました。時間的な矛盾はありますが、夏休みということにします。朝、水道水を飲んで、東京の水よりも同じ水道水なのにおいしい、と感じるところから、“水”についての話が始まります。

 

* 登場人物

いずみ:“私”より1学年下の部長さん。

優介 :いずみのクラスメイト。彼は歯磨きをする時、水を出しっぱなしにしていないと、磨いている気がしない、と主張する男の子。

百合子:副部長。帰国生。二人と同じクラス。

  :ICUの一年生。自然の化学的基礎「水と人間の共生」の授業をとり、今までになかったくらいに水について考えて、水ってすごい、と思った学生。OGとして夏休みの合宿に参加させてもらう。


私   おはよう。いずみちゃん。

いずみ あ、おはよう先輩。ねえ、ここの水、水道水なのに東京の水よりずっとおいしいよ。

私   本当だ。生ぬるくないし、おいしい。

優介  え?でも水に味なんてないじゃん。臭いだってないし、色もない。

私   そうかなあ?優介、東京の水道水を飲んで、カルキ臭い、とか感じたことはない?それによくミネラルウォーターを買って飲んでるじゃない。それはミネラルウォーターの方がおいしい、って思ってるからじゃないの?

優介  そういえばそうだ。水道水ってなんかいまいち。でも本当だ。山梨の水、水道水なのにおいしいや。

百合子 でも、同じ水道水なのにどうしてこんなに違うんだろう?

私   それは、主に水源の違いにあるんだよ。

百合子 水源?

私   うん。水道水をまずいって感じる主な原因はカビ臭や土臭、塩素殺菌によるカルキ臭さなんだけど、水源である川や湖が汚染によって富栄養化の状態になると、水中の水生植物や植物性プランクトンの藻類が急激に繁殖して、その川や湖は酸欠状態になっちゃうの。そうすると、藻類は珪藻類や緑藻類よりも、藍藻類の方が優勢になってきちゃってこの藍藻類がカビ臭や土臭の原因となるのね。それに、自然の豊かな地域では水源はきれいな川であることが多いんだけど、都市部では、水源をダムに頼っている所が多いの。何せ、都市用水の殆どはダムにたよっているんだから。

いずみ へぇ。カルキ臭さっていうのは?

私   それは、現在浄水場で行われている、急速ろ過っていう処理方法で、上水をつくるのに、塩素で殺菌していることに原因があるんだ。

百合子 急速ろ過?

私   うん。昔、まだ水道水の需要水量がそんなに多くない時代では、「緩速ろ過」っていう方法がとられていて、この方法では川や湖沼から取水した浄化前の原水を細かい砂層にゆっくりとおしてろ過し、砂にすみついた微生物の力を借りて汚れを分解するから、つまり自然界で行われている浄化作用と同じ質の良い水が得られるの。でも水道の普及や人口増加で消費水量が増加して従来のこの方法では追いつかなくなってきちゃって、そこでさっき言った「急速ろ過」システムにかわって来たんだ。これは薬品の力で浄化するもので、砂や砂利層も通すんだけど、かなりのスピードで、そして最後に塩素による殺菌をしているのね。

いずみ それで、カルキ臭さが生まれるの?

私   そう。確かにこの方法は大量の水を浄化供給するには適しているんだけど、カルキ臭いという短所もあるし、除去されるべき微生物や有機物質、アンモニア、マンガン、鉄とかを十分に除去できない上、塩素消毒が原因でトリハロメタンが生成されちゃうんだよ。

いずみ トリハロメタンって最近良く聞くよね。発がん性物質でしょ?

私   うん。原水が汚れれば、それだけ消毒用の塩素の量も増えるから、危ないことにトリハロメタンの生成量も増えてきちゃう。水源の水の汚染がすすむと、塩素臭がきつくなるばかりか、トリハロメタンの量も増えちゃうってことになるね。

百合子 そっか。都市部の水道水って、だからおいしくないんだ。

私   きっとこの近くでは、汚染の進んだ川やダムではなく、井戸水か汚染の進んでない河川が水源なんじゃないかな。

いずみ だから必要な塩素の量もすくなくてすんで、カビ臭さとかもないんだね。でも先輩、なんでそんなに詳しいの?っていうか熱がこもってるの?

私   あはは。それはね、この前大学の授業で、水について色々知る機会があって、水に関してすごく興味がでてきちゃったんだ。

優介  水についての授業?なんでそんな授業が大学にあるの?水なんて、まぁ汚染の問題とかはあるにしろ、なんていうか、別に取り立てて特徴もない、なんか当たり前のものじゃん。

私   私もそう思ってたよ、というより、そう思うことさえなかったかも。でもこの授業をとって、それは大きな間違いってことに気づかされた。とても驚いたよ。水は何の特徴もない、ありふれた存在って思われがちだけど、そんなことない。水の持つ異常性に私たち人間だけだなく、地球の生命は救われているんだよ。

優介  そんな先輩、大げさな。

私   本当だって!例えばさ、水に氷を入れると氷は浮くでしょ。これはどう思う?

百合子 それは氷のほうが密度が小さくて、比重が軽いから?

私   そのとおり。でもこれが、他の物質と比べると異常な性質なの。授業で習ったんだけど、あらゆる物質の中で、ただ水だけが、固体が液体にに浮く、という性質を持っているんだって。

優介  それが生命を救っているってどういうこと?

私   もし、氷が水に浮かなかったら、っていうことを考えてみて。どうなるかっていうと、例えば湖や海で、もし氷が底の方から出来ていったり、表面から凍っていっても底に沈んだりしちゃえば、そこに住む生き物は居場所がなくなってしまうよね。それに春が来て暖かくなっても、深い所に氷があればとけて水になるのにものすごく時間がかかっちゃうと思うんだ。だからこの、氷が水に浮くっていう不思議な性質が、地球の生物を育んでいるといえると思うの。

いずみ 氷が水に浮く、か。考えてみたことなかったな。当たり前のことだと思ってたよ。他にはどんな不思議があるの?

私   じゃあ水の特性と、地球と人間の関係について考えてみようか。

 

    まずは…氷の他には、比熱が大きいってことが言えるかな。夏の暑い時、海辺の砂浜は裸足じゃ歩けないくらいに熱くなるけど、海水は熱くならないよね。あと、最近はあまり使われないけど、夜湯たんぽに熱いお湯をいれると、朝まで温かさがけっこう持つでしょ。これが水の持つ、比熱の大きさ。

百合子 比熱が大きいことと、地球や人間はどんな関係があるの?

私   まず地球環境について考えてみると、砂漠って昼と夜の温度差が激しいっていわれるよね。これは、急激な太陽エネルギーの熱量の変化を和らげる、水が砂漠には少ないから。地球の表面積は約70%を海で覆われているでしょ。この膨大な量の水が、地球に降り注ぐ熱量を蓄えることができて、急激な気温の変化を和らげる働きをするの。だから地球は液体としての水が存在しない他の天体と比べてはるかに温暖な気候を維持して、生物が生きていくのに都合のよい環境となっているんだよ。

百合子 そっか。沿岸部と内陸部の気候の違いも、水の比熱と関係があったんだ。

私   うん。そしてこの温度をある程度一定に保つ、という働きは、人間など、生き物にも言えること。人間の場合は身体の約3分の2は水でしめられているよね。だから体温を一定に保つことができるんだ。

いずみ 体温調節っていうと、汗は?

私   それも水のもつ、蒸発熱が大きい、という性質のおかげ。蒸発熱っていうのは1gの液体を気体に変えるのに必要な熱量で、これが大きければ大きい程、蒸発する時に多くの熱を奪うのね。水はこの蒸発熱が大きいから、暑い時も、発汗によって体温が上がるのを防ぎ、調節を行うことができるんだ。ほかには、夏って暑さを和らげるために庭や玄関の前に打ち水をするでしょ。この時も撒かれた水が蒸発する時に地面から熱を奪うから涼しくなるんだよ。

優介  あれって気分的なものかと思ってた。実際涼しくなるんだ。

私   うん。でも気を付けなくちゃいけないこともあるよ。髪を洗ったあと乾かさないでいると風邪をひくっていうじゃない?あれは髪の毛を濡らしてる水が乾く時に、頭から体温を奪って寒くなるからなんだ。他には…そう。表面張力があるね

いずみ コップいっぱいに水を入れると表面が丸くなって、不思議とこぼれない、あれでしょ。

私   そう。この表面張力が大きいことで、毛細管現象っていうのが起こって、人間でいうと身体の末端まで血液や体液を行き渡らせることができるんだって。動物だけでなく、高さ40mもある木も、この現象で酸素、栄養分をてっぺんまで行き渡らせることができるから、生きていけるんだ。…だいたいこんな感じかな。

いずみ はぁ。すごいんだね、水って。

百合子 こんなに水の特徴を考えたことなかったよ。

いずみ 私も。人間だけでなく、地球にすむあらゆる生き物や、地球までもが水に育まれているんだ…。ありがたいんだね。

私   大切にしていかなきゃいけないよね。

百合子 ・・・って言ってるそばから優介!きみ、歯磨いてる間水だしっぱなしにするのやめなよ〜。もったいないじゃない。

私   もしかして、シャンプーする間もシャワーだしっぱなしにするタイプ?

優介  だってさ〜。ずっと出してないとなんか磨いてる気がしないんだよ。

いずみ でももったいないって思ったことないの?

優介  そりゃあ、まぁ少しは思うけど、日本は水が豊かなんだからいっかなぁとか思っちゃったりして。

私   その考えにはトリックがあるんだよ!!

いずみ トリック?

私   トリックというか、とにかく違うの!確かに日本は年間の降水量は世界平均の約2倍もあって多いけど、これを人口ひとりあたりの量として計算すると、実はサウジアラビアの半分から3分の1くらいにしかならないんだよ!

百合子 サウジアラビアの?それ本当?

私   うん。まぁ実際、サウジアラビアは雨が降っても蒸発などで失われる量が多くて、水資源として利用できる量は日本よりはるかに少ないんだけど、それでも、日本が年間一人あたり、水資源として利用できる量は世界平均の半分にも満たないらしい。だから日本は水の豊かな国!って信じ込んでいる今の日本人は考えを改めないといけないと思う。それが水の無駄遣いにつながっているとおもうんだ。

優介  そうなんだ・・・。知らなかったよ。

私   あっ、責めてるわけじゃないんだよ。ごめんね。でも今は地球全体が水不足のことを考えないといけない時だから、日本も、自分の国は水が沢山あるから心配しなくていいって思っちゃいけないと思うの。

優介  地球全体が水不足?だって、さっき、地球には大量の水があるって話をしたじゃないか。一時的な渇水期や、砂漠地帯の水不足なら想像がつくけど。

私   確かにこの地球には合計で約14億立方kmの水が存在する。でもこの量は45億年間、変わらない量で循環しつづけているの。だからこれから増えることはないし、14億立方kmあるといっても、専門家の計算によると人類が使う事のできる水の量は、そのうちのわずか0.04%の50万立方kmだけなんだって。

いずみ 残りの水はどこに行っちゃうの?

私   人間が使える水は塩分を含まない淡水だけだよね。だから海水は使えない。残った淡水の約70%は極地の氷雪や氷河として閉じ込められていて人間が利用するのは無理だし、そうやって計算していくと0.04%になってしまうらしい。それに、人口増加に伴って、農業や工業の発展、生活様式の変化などによって世界の、水の需要は確実に増えつづけているんだよ。

優介  人間が使うことのできる水の量が限られているってことはわかった。でも地球全体の危機なの?

私   地球全体、というか、私が言いたいのは地球規模で考えていくべきだってこと。日本は今の所、夏の渇水時とか、一時的な水不足以外には、そんなに水不足で困ってはいないけど、世界のある地域では既に水を巡る紛争がおこってるんだよ。

百合子 知ってる!イスラエルとパレスチナでしょ。

私   そう。この辺の地域では、出生率の高さや移民などによって水の使用量も増える傾向にあって、更にヨルダン川の水不足が深刻な状態なの。中東の戦争は水をめぐる戦争でもあったんだよ。

いずみ 私、21世紀は水の世紀になるって新聞で読んだ事ある。

優介  水?石油じゃなくて?

いずみ 20世紀は石油の世紀だったけど、21世紀は水の世紀になるって書いてあった。これってやっぱり水を巡る戦争のことなどを指しているのかな。

私   そう思う。今でさえ水をめぐる紛争が起きているんだもん。これから水不足がもっと深刻になったら水をめぐる戦争が頻発して、世界の安定を脅かすかもしれないって言われているよ。

優介  そんなに深刻なの?水不足。

私   私も実感がつかめないけど、とある資料によると、2025年には世界人口の約30%の人が水不足の影響を受けるらしい。国家単位で言うと、52カ国が水不足に悩まされる計算になるんだって。

優介  日本は大丈夫なの?

私   日本は大丈夫だろうって言われてる。でも、だからといって日本人が世界の水問題に無関心でいたらいけないと思う。

百合子 そうだよね。日本は水こそどこの国とも奪い合うことなく、十分もっているけれど、育てるのに水を大量に必要とする食物を輸入しているってことは、形の変わった水の輸入っていう風に言えるかもしれない。

私   するどいね!百合ちゃん。私もそのこと本で読んだ。だから日本も世界の水問題に関する取り決めなどに積極的に参加していくべきだと思うし、私たち国民一人一人で何をすべきかを考えてみると、やはり、ありきたりだけれど水資源を大切にすることだと思うんだ。私たちがいくら生活の中で水を大切にしたところで、中東の水紛争が解決するわけではないし、その分が砂漠地帯を潤すことには、物理的にはならない。でも水や、世界の水問題に対する意識が高まると思うし、水の汚染という点では、日本も十分、というのは変な言い方かもしれないけど、問題を抱えているのだから水資源を大切にすることは絶対に必要だと思うんだ。

いずみ 水質汚染か。問題だとは分かっているけれど、下水道施設の見直しや環境にやさしい洗剤とか、そういう技術的なこと以外に、私たち一人一人でできること、やっていかなければいけないことって難しい。

私   本当、そう思うよ。でもね、水質汚染の原因の80%は家庭の生活排水にあるって聞いたら、何かしなくちゃ!って思うでしょ。

百合子 80%も?でもそれって言い換えれば、皆が皆気をつければそれだけ改善の余地が期待できるってことにもなるんじゃないかな。

私   そうだね。それにはやっぱり、まずは生活排水に関心を向けないとだめだよね。

優介  洗剤とか、米のとぎ汁とか?

私   もちろんそれもそうだし、それだけではないよ。味噌汁の残りも、ラーメンの残り汁も汚染につながるんだよ。いくら下水処理場で処理したとしても、その汚れ全てを取り除くことは出来なくて、残りの汚染物質はそのまま河川に入って、やがては上水道の取水口に入っていく。

いずみ それは、汚れた水が、各家庭にもどってくるっていうこと?

私   ダイレクトに戻ってくるわけではないけれど、さっき話したみたいに原水が汚れていればそれだけ必要な塩素の量も増えて、上水の質も下がってしまうってこと。水道水がまずくなったのは、元はといえば私たちの、生活排水に関する関心のなさがいけないと言っても過言ではないかもね。

いずみ 確かに下水に関して無頓着かもしれない。だって流しから消えれば見えなくなってしまうんだから。

私   昔、まだ下水道設備の整っていない頃は各家庭がもっと生活排水に気をつかっていたんだって。そうしないと異臭を発したりして近所迷惑にもなってしまったみたいだし。下水道設備の充実が、かえって水の質を落として汚してしまうことになってしまったみたい。

優介  じゃあ今、俺たちにできることはなんだろう?

私   細かいことだけれど、資源の無駄遣いをやめて、下水に関して言えば、最近は普通の米との価格の差もなくなってきたから無洗米を使うとか、油は絶対にそのまま流さないとか、自然界で分解されにくい界面活性剤の入った合成洗剤の使用をやめるとか。節水に関して言えば、よく言われることだけど歯磨きや洗顔、お風呂などで水をだしっぱなしにするのをやめたり、洗濯に風呂の残り湯を使ったりとかかな。そして何よりも、私たちは今、水、地球で何が起こっているか認識することが大切だと思う。

優介  だしっぱなしにするの、やめるよ。他に、水資源を大切にするという点で、もっとスケールの大きな解決方法はないのかな?もちろん生活の場での行動は大切だけどさ。

私   うーん…。森林や湿地の保護とか。

いずみ 水と関係があるの?

私   うん。水と生態系っていうのは切っても切れない関係にあるの。

いずみ 生態系?

私   そう。例えば食物連鎖。水源の汚染について話したときも言ったけれど、食物連鎖や、水の大循環が環境汚染の経路になってしまうっていう事実もあるの。でも、今言ったように森林や湿地を守ることで、水の質を上げることにつながるっていうのも事実。森林の土壌は浸透能力や貯水能力に優れていて、降った雨がそのまま地表を流れるのではなく、地下水として少しずつ流しつづけることができるの。湿地も貯水能力に優れていて、重金属や、他の汚染物質を取り除く働きをもっているんだって。しかも森林は、雨水が土壌を浸透するときにミネラルも加わっておいしくなるんだって!

優介  へぇ。一見関係ないように見えるけど、すごくお互いに影響しあっているんだね。水とまわりの環境は。

私   本当にその通り。水について考えると、環境全体についてよく考えさせられるよ。話していたらすごく長くなっちゃった。ごめんね。でもそれだけ水に関する話題はつきないってことかな。

百合子 そうだね。今まで当たり前すぎてこんなに水について考えたことなかった。こんなに私たちは水の恩恵を受けているのに私たちはその水を汚してしまってる。

いずみ なんか今日の話で水ってありがたいんだなって思うようになったよ。ありがとう。

私   私も改めてそう思った。水はありふれた物質ではないということ、水に育まれている私たちが、その水を汚しちゃうなんて、よくないよね。

優介  俺も、どこまで実行できるか分からないけどさっき話し合ったこと、将来の水や環境のために、やってみようかな。

私   それが大切だと思うよ!まずは何が起きているか広い視野で認識すること、そして、小さなことからでいいから、どれだけ行動に移せるかってことだね。

百合子 Think globally, act locally.だね!

私   さすが百合ちゃん帰国生!

    なんだかものすごく白熱しちゃったね。拙い説明だけど、でも水ってありがたいんだねって思ってくれたなら嬉しいよ。私も同じように思ったから。

いずみ 水について考える良いきっかけになったよ。ありがとう。

    あっ。もう練習時間になる!

私   嘘っ。急がなきゃ。

百合子 東京に戻ったら、野川公園にでも散歩しに行こう。また水について考えるいいきっかけになると思うよ。わさびが育つくらい水のきれいな所もあるんだから。

私   私も野川大好き!守っていかなきゃね。

 

おわり


* 終わりに

 特にこれといって焦点をあてていない、ジェネラルなトピックでしたが、この話の中で私が話していたことや、高校生3人のリアクションは、この授業や課題を通じて感じたり、考えた、私の正直な感想そのものです。3人が水って実はすごいんだね、ありがたいねって思ったのと同じように、私も感じました。そして今起きている水、そして環境にかんする問題を認識する機会があって、足元から行動しなければいけないなと思いました。授業を通じて、水の特性やそれが生体に及ぼす影響、水問題、人間と水の関わりの歴史について、ある程度は知ることが出来たと思います。あとは先生のおっしゃるように、そして話の中で“私”がえらそうに言ったように、行動のベクトルを大きくしていきたいと思います。水と人間との関係は、それだけ強固なものだから。

 

参考文献

 


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