様々な生体反応に不可欠な水

            ID#041201 黒田 恵子

 

 「水はこの地球上のどこにでもある最もありふれた物質だ」と考えている人は多いかもしれない。確かに、水は私たちの身近にある。しかし、逆に、こういう考え方もできる。こんなにも身近にある水がもし無くなったら、私たちは絶対生きていけないだろう。水が無い世界を想像してみると、私は荒れ果てた世界を思い浮かべる。喉が渇いても飲む水はないし、体を洗うこともできない。その他、無限個程の不都合が生じてくるだろう。だが今回は生物体内での様々な反応に関与する水に焦点を当て、水について述べようと思う。

 まず、植物について述べたいと思う。植物は根から水を吸収し、また、水と二酸化炭素の光エネルギーを使って炭水化物を合成する。この反応を光合成と呼ぶが、水が無ければ炭水化物という有機物を合成することができない。すなわち栄養分を欠くため生き延びれない。また、植物はその光合成により二酸化炭素を酸素に変え、私たちの呼吸に必要な酸素を供給するのだ。水が無ければ、植物も無くなるといっても過言ではないだろう。

 次に、私たち人間の体の中で使われている水について述べたいと思う。生体反応に不可欠な物質にATPがあるが、これは生物体のエネルギー代謝における共通のエネルギー伝達物質である。例えば、筋収縮や能動輸送、物質の合成などである。このATPも、水を利用した加水分解がなければエネルギーを放出することができない。つまり、水が無ければ、ATPがエネルギーを放出することができず、私たち生物はエネルギー代謝ができなくなってしまうのだ。

 今回、生体反応について取り上げたのは、生体反応という現象は、私たちが常に無意識にやっていることだからである。私たちは、喉が渇いたと思えば水を飲みたいと思うし、体を洗いたいと思えば水で洗う。しかし、筋収縮するから水が欲しいと思う人はまずいないと思う。私たちは無意識な所で常に水を使っているのだ。水は最もありふれた物質だが、生きる為に不可欠な物質でもあるのだ。


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