2000年6月21日
あなたを支える水
ID 031292・中村真理愛
−講義は可能な限り野外かつ川・湖などの水辺で行う。
皆さんこんにちは、私は今日「水の大切さについて」話すために来ました。
皆さんは「もし水が存在しなかったら」という事について考えた事がありますか?
一般的に人は金欠(金不足)について考えはするのに、水不足については考えようとしない、なんとおかしな事でしょう。
これは私たちがかつて水不足を体験する事があまりなかったため、水の存在に慣れてしまったからではないでしょうか。
皆さんの中で、私たちは水のおかげで今ここに存在しているという事に気付いている人は少ないでしょう。
そうです、水が存在しなかったら私たちはここに存在しないのです。
水は私たちを初めとする生物が存在するのになくてはならないものなのです。
まず初めに、生命誕生の時の話をしたいと思います。
大昔、生命の元である有機化合物は激しい雷雨、太陽の紫外線、強い放電があわさって生じました。
その後、有機化合物は海に溶け、海中でだんだんと複雑な構造を作っていきました。
大昔の紫外線は今よりも何倍も強く本来、太陽の下では本当ならばこの有機化合物は紫外線によって分解されてしまっていたはずなのです。
しかし、海が太陽の紫外線を和らげてくれたため、この有機化合物は存在する事が出来たのです。
また、海に有機化合物が容易に溶ける事が出来たのは海が水で出来ているからです。
水は多くの物質を溶かす事が出来、それはどんな物質にも勝ります。
もし、海が違った物質で出来ていなかったら有機化合物は海から見捨てられ太陽に殺されてしまっていたでしょう。
私たち生命は、大昔誕生の時に水に助けられていたのです。
また、人間の体内における水の割合は約70パーセントだという事実を知っていますか?
この事実は、もし水がなかったら私たちは生存不可能であるという事を示しています。
大昔だけでなく、現在も私たちは水に生命を支えられているのです。
恩返しをしてもよいほど恩恵を受けている水に人間は今までひどい仕打ちをしてきました。
無駄に使って汚し、また使って汚し、その繰り返しです。
その上、人間は水を毒液に変えました。
普段皆が飲んでいる水の味を思い浮かべてください。
塩素の味がするでしょう?
水を消毒するために水道水に塩素が混入されているのですが、近年水道水に塩素を注入する事が危険であるという事が発見されたのです。
1974年に「塩素処理を施している区域ではガンによる死亡率が十万人につき33人、塩素処理を施していない区域より多い」(ハリスレポート)という事が報じられました。
塩素を川の水に注入する時に塩素と水中の汚れ(有機物)が反応して、有機ハロゲン化合物、例えばすでに水道中に存在を発見されている、クロロフォルムに代表されるトリハロメタンという物質が生じます。
今、出てきた「有機ハロゲン化合物」はというものは「塩素や臭素などのハロゲンのついた有機物」の事なのですが、例としてDDT、PCB、ダイオキシンなどといった劇薬や毒物が上げられます。
皆さんもこれらの物質の危険性はご存知だと思います。
さっき述べた、トリハロメタンの他に今毒物として挙げたダイオキシンについてはもうすでに確認されて明らかなのです。
水道水にするために塩素を加える事によって毒物が生じていてガンによる志望者が増えているなんて、恐ろしい事です。
水を汚した張本人である人間が被害を被るのは自業自得といえばそうかもしれません。
しかし全然海を汚していない海の生物がガンや腫瘍を抱えて生きることになるという事は筋違いなのではないでしょうか。
皆さんが日々を生きる中で大切な事なのに気付かない事はたくさんあると思います。
私たち人間は知らないうちに良きにしろ悪しきにしろいろいろな事をして自分の外側に影響を与えます。
しかし気付かなかったからといって責任を逃れることは出来ません。
私たちは他に影響を与える力を持つ限りは責任を持なければならないのです。
そういったことを念頭に置いて日々を過ごして欲しいと思います。
少なくとも今日の講義であなた達は水の大切さについて知ったのだから、これから水のことを考えるときに「どこにでもある、どんな風につかってもいいもの」などという考えはもたないと思います。
人生は長いですが、その中で自己中心的になるのではなくもっと周りのことに目を向けて過ごしてください。
参考資料
- ・吉野教授の授業と授業プリント
- ・いのちの水・中西準子著
- ・遺伝子を打つ水道水・讃岐田訓著