おいしい水

        ID#031412 清水 郁子

 

 あなたの意見に対してはたくさん反論がくると思います。物理とか科学に関することは他の方々にまかせるとして、私はあなたの味覚に訴えていきますよ。

 まず、はじめに質問です。あなたはペットボトルの水を飲んだことがありますか?あります、と。ではその理由とか覚えていますか?なるほと、味にうるさいお母さんが飲み水用に買われているのですね。お母さんが水道水から直接飲まないようにしているのは、きっと味がよくなかったり、カルキ臭がするからでしょう。水道は、今の生活にあって当然のものです。あなたの朝起きてからしなくてはならないことの中に、井戸の水を汲む、なんて入ってないでしょう。さて、水道水は河川などを水源としています。そうした水源では水質汚染が進んでいて、水道施設では水道水のバクテリア混入を防ぐために塩素処理をするのです。それが、カルキ臭の原因なのです。

 水道水、ミネラルウォーターには、味の決め手のミネラルが含まれています。蒸留水がおいしくないのは、ミネラルゼロだからです。おいしい水とは、ミネラルをちょうどよい加減で含んだ水のことをいうのです。ミネラルとは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄やマンガンのことです。特にカルシウムとマグネシウムは水の硬度を決めます。ミネラルウォーターは、ミネラルのバランスを添加によって調整した水のことなのです。

 あなたが家で飲んでいる水は日本のものですか?富士山のノというなら日本の物ですね。日本の水は軟水です。くせがなく、飲みやすいと言われています。一方、ヨーロッパの水は硬水です。この違いが料理にも影響してきたのです。硬水に多いカルシウムやマグネシウムのタンパク質を硬くする性質を利用して、牛乳から乳製品を作ってきました。しかし、同じ性質がお肉に働くと、かたくなってしまってまずいので、煮込む場合はワインや牛乳を使うわけです。日本食はどうでしょうか。日本では、水をそのまま料理に使います。定番の煮物や、ゆで物を可能にしているのが軟水なのです。それに、日本のおいしいものはお酒を始めとして、“水にこだわって”作られたものが多いと思いませんか?

 人は自分の周りに水が十分にあると、安心していられます。水が自分の一部であること、生命維持に必要不可欠なものであることを考えれば説明がつくでしょう。将来は水をめぐって戦争が起きるだろうとも予測されています。

 しかし、身近な水はペットボトル入りだったり、水道からだったりと水源から遠い水ばかりです。普段考えることのない、その水源では汚染が進み、枯渇しつつあります。水も買う時代になり、日本の水環境が変わりつつあります。日本の食文化をつくってきた水も失われてしまうかもしれないのです。水源からの遠さに比例して水環境に対する意識が低くなっていては、改善は見られないでしょう。遠くてもつながっていて、自分の考えなしに出した汚水がまずい水になって考えてくることを心にとめて、おいしい水を取り戻すために、お皿についた食べカスや油は捨ててから食器を洗う等、小さなことでも出来る事から始めることが重要なのです。

以上が私の話です。水に対する考えが少しは変わりましたか?そうだったらうれしいです。それでは。

 

参考文献

 「エコロジカル・ライフ 飲み水を考える」 鈴木紀雄 著 1994年 家の光協会


▲レポート一覧に戻る

▲元(講義資料)へ戻る