NS-III:一般教育・自然の科学的基礎                  2000年6月21日

 

水について、私が高校生に講義した場合

           

                          I991809 山口 もなみ

 

皆さんにお伺いします、水っていったい何でしょう?

 水は、私たちにとってとても大切な物質で、今現在環境問題などでもたくさん取り上げられていますね。国連では今、将来水をかけた戦争の可能性を大きく取り上げているんですって。水の量より、人口が増えるから。水を大切にしよう、環境を保護しようっていう運動を大人は結構してますよね。あなたたちも小学校の頃、「水道週間」の作文を書かされた事があるんじゃないでしょうか。ちなみに、私は「水道週間」の作文が入賞したので、その時は国語の成績が5でした。だいぶ前の話しですけど…。

 と、いっても、ピンときませんよね。環境問題って、私たちのまわりじゃ興味の対象から外れています。もっと色々な事が大変だから。では、どんな事が大変でしょう、どんな事に関心を持っていらっしゃいますか?

 家族の事、人生について、これから先の事、生と死について、愛について、受験、金、色々大変ですね。その他、インターネット、テレビ、好きな芸能人、趣味、友達、そういった事の方が関心あるでしょう。食欲、睡眠欲、性欲、他に何があるの?とか。十分結構です。ではさて、水とは一体何なのでしょう。あまり関心を集めない水ですが、この、「当たり前」の水を、紹介します。

 最初に、身の周りの水をちょっと思い浮かべてみましょう。お風呂、シャワーの水、ジュース、米を炊く時必要な水、洗濯するのに必要な水、涙、植物にやる水、トイレで排出する水、それを流すトイレの水、川、海、雲、雨、雪…。ずいぶんいっぱいあります。あれ、こんなにあったっけ?と思いませんか?

 では人間は、水なしに、どのくらい生きられるのでしょうか。あなたは一日にどの位水を飲みますか?実は、人間は一日も水無しでは生きられないのですって。人間は、7割が水でできています。人間は、水を2%失うと、喉が渇き、痛みを感じます。5%失うと、幻覚をみます。12%失うと、死にます。びっくりしましたか?あなたたちの肌を見て下さい。肌が肌であるのも、水のおかげです。年をとると、水が減って肌がしわしわになりますよね。水が減るので、筋肉もやわらかくなくなります。すごいですね、水の威力は。

 水は、いつからあるのでしょうか。地球ができた45億年前からです。そして、その時から水の総体量は変わっていません。45億年前からある水が、今あなたの周りにある水です。水は循環しているのです。地表から海面、蒸発して、雲、雨、雪と、45億年前から循環しています。あなたが手にしているその飲み物は、恐竜が飲んでいた水かも知れません。そして、今環境破壊が騒がれているのは、この45億年前から循環している水が、50万年前に誕生した人類の様々な手によって、汚染されて大変な状態になっているからです。

アポロ宇宙船がとった、地球の写真を皆さん見た事がありますよね?青い海と、白い雲。両方とも水です。地球は、水の星。そして私たちは、水でできている水の生物です。

 実は、水はすごく不思議な物質なのです。人間って不思議だと、思う事がありますか?さすがは、私たちの水。水は、他に類を見ない、ユニークな性質を持つ不思議な物質なんですって。自然科学的観点から見ると、“異常”な物質なのだそうです。ここでは、化学的な話はしませんが、例えば、水の分子の角度が、104.5°だということ。これは異常な角度だそうです。それから、水が気温を調節するという事。水がない砂漠では、昼夜の温度差が激しく、海辺は温暖で住みやすい事が、この例です。固体の時の方が液体より密度が小さいという事も、異常だそうです。例えば、氷は浮きますよね。これは、氷の方が、液体より密度が小さく軽いためです。湖は表面から凍ります。密度のピークは4℃の水なので、湖の底は4℃になり、魚は生きていられます。それから水は、あらゆるものを溶かし込む性質をもっています。ガラスも金も、溶かします。人間が栄養を摂る事ができるのも、この水の性質にあります。それから、まだ化学で解明されていない事。木は水を吸い上げますよね。地上120メートルもある木の中を、水が上に登っていける理由は、いまだに分からないそうです。

  水について、どんどん調べて見て下さい。尽きずに不思議で、そして私たちに最も大切なのが水なのです。水について、調べると、心が落ち着くかも知れませんよ。なんたって、水の星に住んでいるのですから。水について、興味を持って頂けたら、幸いです。


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