2007年度冬学期

NS-III 「自然の化学的基礎」 ・スケジュール

   主 題『水』---- 水と人間 との共生 ----

      <- 水を通して人間と自然環境について考える->

                                  担当:吉野 輝雄

第1章  はじめに

 自然とはなにか?  自然科学とはなにか?  化学とはなにか?

 

第2章 水の科学史

  水とは一体何ものか? 水という物質の本性を探り続けた人間の歴史を概観する。

§1 むかしむかし:古代人も水なしでは生きて行けないことを体験的に知っていた。

§2 古代ギリシャの哲人たちの自然観/物質観(特に水について)

     「万物の素(アルケー)は水だ。」「水は四元素の一つだ」「水は原子の一つだ」・・・

§3 18世紀に化学が自然科学として確立、ラボアジェによる化学革命を経て近代科学となる

    水は元素ではなく、水素と酸素から成る化合物である。分解ができ,合成もできる 。水は数Åの大きさ

    の微粒子で、H2Oと表すことができる。水の本性が分かった事で他の物質の本性を知る基礎が確立した。

 

第3章 水の自然科学

  水を自然科学の目で見てみよう(仮説実験授業方式で)。

§1 物質の三態(状態変化):液体,気体,固体と姿を変えるのはなぜか?

§2 水を冷却してゆく,水を加熱してゆく:どこまで冷却、加熱が可能か? そこで何が起こるか?

§3 圧力を変えると水の状態はどう変わるか?(圧力変化と水の三態)

§4 水は異常な物質なのか? 科学的に説明できるのか?

§5 水の科学(水の特性は科学的にどのように説明されるか?)

A.水の大きさ、かたちを調べる:水は104.5°の結合角をもつ極性分子である

B.水の不思議な性質/特性(融点、沸点、蒸発熱、比熱、密度,溶解性、表面張力を他の物質と比較し、水の性質と日常生活との関係を考える)

C.水の特性は生命活動とどのように関係するか(水なしでは生物が生きられない理由は?)

 

第4章 自然環境における水

 自然環境を司る水,水を利用し,汚しながら留まるところを知らない人間活動の影響で生存,生活,生命が脅かされている地球環境を見つめ,今なすべきことをグローバルに、そして自分の問題として考える。環境データ/情報を調査し、発表討論を行うのクラス方式とする。

§1 自然環境における水の存在と役割(地球を巡る水の大循環が地球環境を支えている)

§2 水と人間生活,水 資 源(水が人間生活に不可欠な資源であるとは?)

§3 水質環境汚染(人間の生産,農業,生活,戦争などの行為が水=地球環境にどんな影響与えているか)

§4 野川に行って水に触れる(身近な湧水源を見て、野川の水質検査を行う。環境における水を実感・理解する)。

§ 5 “水”とのつきあい方,これから(生命の源泉である水とのつきあい方に人間の未来がかかっている。人間も動植物も水も物質も地球のリサイクル系におかれた存在であることを基本としたあり方を創造することが21世紀の人間の課題。)

 

第5章 水はどこからきたのか? 

§1 水の誕生(なぜ地球上に水が存在するのか)

   宇宙のはじまり、銀河系の誕生、原始太陽の形成、地球の誕生,水/海の誕生

§2 生命の誕生(なぜ地球上に生命が発生し、今まで存在できたのか?)

  原始地球上における生体物質の生成(化学進化)、生命の誕生、生物の進化,豊かな動植物が棲む地球の特徴に注目する

●まとめ(これからの人間の課題/私見)

 

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