酸・塩基の定義、pHの定義 |
水 は H2Oという安定した分子として存在しているが、ごく一部分 H+とOH-というイオンのかたちで存在している(図1)。
そこで、水のイオン解離反応式は、次のように書き改められる。
●pHの定義:
pH=-log[H+]=-log[H3O+]
●酸: HA + H2O A- + H3O+
[別の解釈]
ここに酸HAを加えと、
酸HAはOH- にH+を与える;その反応した分だけH3O+が残り、濃度を増す。pHが小さくなる。
●塩基: B + H2O BH + + OH-
[別の解釈]
塩基 酸 Kw=[H3O+][OH- ]=1x10-14 mol/l
ここに塩基Bを加えると、
塩基Bは H3O+からH+を受け取る;その反応した分だけOH- が残り、濃度を増す。pHが大きくなる。
*[別の解釈]では、酸、塩基の本質が水そのものにあるという根本理解に立つ。 水のイオン積 Kw=[H3O+][OH- ]=1x10-14 mol/lは、質量作用の法則から温度が一定でイオン濃度(厳密にはイオン強度)が大きくない時は水の中に酸や塩基が溶けていても一定である。そこで酸、塩基の一方の濃度が分かれば他方の濃度がすぐに求められる。 |
中和反応
HA + B --------> A- + BH+
例
HCl + NaOH --------> Na+ + Cl- + H-OH
NaOHは水の中でNa+ とOH- に解離している。BをOH- と考える。
中和によって生成する水のほかにできる物質を塩(salt)という。
●「アルカリ性とは?」:指につけるとヌルヌルし、灰汁(あく)様の不快感があり、リトマスを青くし、酸と反応して塩となる性質。代表物質:NaOH,
KOH。 ●「塩基性とは?」:元々は水に溶けにくく(ヌルヌル感触を示さない)、酸と反応して塩をつくる性質に由来する。Fe(OH)2はアルカリ性を示さない。現代化学(ブレンステッドの酸塩基理論)では、塩基性の方が一般的に用いられる。 次のような可逆反応があるとする。 aA + bB
+ …… mM
+ nN + …… この反応が平衡状態に達した時、温度が一定であればKは一定の値をしめす。これをを質量作用の法則という。 K
= [ M]m・[ N]n……
/[A]a
・[B]b……