II. 講義の概要(シラバス)

目 的:「温度」を通して自然を観る、人間活動について考える。

開講の意味と背景

温度は、物質の運動、エネルギー変化、物質の状態変化、化学変化、生物の生命維持、気候、宇宙の誕生と活動などほとんど全ての自然現象に関わっている。すなわち、「温度」は物理学、化学、生物、地学といった自然科学の分野を横断する概念である。また、「温度」は人間生活、産業活動とも密接に関わっており、温度を制御する方法の原理を考え、その実用技術の結果、人間に恩恵をもたらすと同時に地球環境を脅かそうとしている問題について考えることもできる。そこで、以下のような内容で「温度」を通して自然科学の総合的な学習の展開を試みる。

 

講 義 内 容

1. 温度とは何か
a. 温度目盛りの定義と科学

b. 温度(変化)とは何か。

2. 温度を変えると何が起きるか

a. 物質の状態変化、b. 化学変化(化学結合の切断と再結合)、c. プラズマ生成(原子核と電子の解離)、 d. 核反応(核融合、核分裂)e. 核反応の地上における応用、f.人間が達成した最低、最高温度

3. 地球の温度

a. 地球の温度を決めている要因(太陽系第三惑星、地球温暖化)

b. 地球の気温と人間生活

c. 生命活動が可能な温度範囲(生体反応と温度)

4. 人間が開発した温度制御法とその利用

a. 冷却:冷蔵庫、冷凍保存、チルド冷凍、液体窒素、液体ヘリウム

b. 加熱:火力(料理、加工、発電)、加熱水蒸気(蒸気機関車、タービン)、圧力釜、電子レンジ、電熱器、電球、金属の精錬)、原爆/水爆、原子力発電/核融合発電

5. まとめ

 

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