4. 人間が開発した温度制御法とその利用
4a. 冷却:冷蔵庫、冷凍保存、チルド冷凍、液体窒素、液体ヘリウム
冷蔵庫の原理を説明。冷凍温度が食物に与える影響を考える。生きた精子や臓器、血液の保存法。
液体窒素を使った実験を見せ[低温]、利用法を知る。
液体ヘリウムを使った超伝導磁石装置(NMR, MRI, リニアモーターカー)の実用化の例。
4b. 加熱:火力(料理、加工、発電)、加熱水蒸気(蒸気機関車、タービン)、
圧力釜、電子レンジ、電熱器、電球、金属の精錬(鉄他)、原爆/水爆、原子力発電/核融合発電いずれの場合にも、ます加熱の原理を考え、それぞれの特徴と利用法を知る。
実験(水、ベンゼン、四塩化炭素各50gを三角フラスコに入れ、各2組用意する。1. まず、3つのフラスコを60℃の温浴に1分間置いた後の上昇温度の大きさの順を予想させる。2. つぎに、残り3つのフラスコを電子レンジに1分間かけた後の上昇温度の大きさの順を予想させる。)。この実験は、加温により温める方法とマイクロ波によって温める方法の原理から温度と物質の熱運動との関係を考える教材としても有効である(第1章で扱ってもよい。)[2]。
圧力釜は、圧力と沸点との関係を考える教材となる。減圧下では水が室温で沸騰する実験を並行して見せる。
電熱器は、電気の発熱作用を利用。電球は電気エネルギーが光と熱エネルギーに変換している例となる。発熱量を抑えた蛍光灯、水銀灯の原理を考える。
金属の精錬(冶金)法を、いくつかの金属について考える(金、錫、水銀、銅、鉄、アルミニウム)。
核爆弾、原子力発電については、第3章で学んだ原理に基づいて問題点を考える。
5. まとめ
当初のねらいと実際の授業展開における学生の反応を見て反省とまとめをする。