地下水汚染の現状とその保全対策

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a. 

温泉の人にもたらす作用と必要性について

http://www.onsen-forum.co.jp

http://www/minkatsu.or.jp/onsen/science.shtml

http://www.02.u-page.so-net.ne.jp/gc4/nck/spa/02.htm

世界の地下水汚染について  

http://worldwatch-japan.org/news/news120900.html

地下水水源の保全について 

http://www.asahi-net.or.jp~kv6t-ymgc/04source/racoon_source_gwconservation.htm

http://www.fujiclean.co.jp

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/kaizen/kisei/mizu/chikasui/siori/part1.htm

地下水汚染の現状とその保全対策について 

http://www.gecp.or.jp/iwger99/iwger99-ando.html

b. 今,地球上に何が起こっているか/情報が伝えていること

  集めた資料から言えることは大きく二つに分けることができる。一つは温泉の効用が今注目されていることである。温泉には水圧、浮力などによる物理的(機械的)作用と温熱作用、そして含まれているさまざまな化学成分による化学作用という三つの作用がある。これらの作用によって各温泉は適応症を緩和する働きをもっている。また温泉には自然治癒力の働きを高める効果もある。これは総合的生体調整作用と呼ばれ、不規則な生活,あるいはストレスが続くことによる体内リズムの乱れによって引き起こされる様々な病気に対して効果があるといわれている。21世紀は高齢化社会とも高度情報化社会とも言われているが高齢者の健康療法、また日常生活のストレス緩和の方法としても今温泉は注目を集めているのである。二つ目にいえることは現在地下水汚染が進んでいることである。地下水は直接目に見えないが地球上で活用されている資源のうちの重要な部分を占めている。地球上の水の量のうち海洋が占めているのが約99.2%、地下水が占めているのが約0.7%、そして湖沼水、河川水が占めているのが約0.1%となっている。しかし地球の淡水の約97%は地下帯水層に蓄えられているため地下水は極めて重要な資源だといえよう。また世界人口の3分の1近くが飲み水を地下水のみに頼っている。例をあげるとアメリカの地方在住人口の約99%、そしてインドでは村落住民の約80%が飲料水を地下水に依存している。日本でも地下水は年間146.6億立方メートルも使われている。しかし現在は農薬、窒素肥料、工業的に使用される化学物質、そして重金属などの有害な溶液が世界各地の地下水を汚染しつつある。また地下水は一度汚染されたら修復が不可能だといわれているためこの問題はいっそうの深刻さを増している。2050年までに人口はあと30億人増加すると予測される中、将来はより多くの飲料水、生活用水、農業用水、工業用水が必要となることは間違いないだろう。世界的に地下水汚染は進みつつある。例えば1988年カリフォルニア州における井戸の水質調査では3分の1の地下水から農薬DBCPが検出された。これは睾丸、肝、肝臓障害を引き起こす可能性がある。1990年代後半にはインドの汚染対策中央評議会が22の主要な工業地域の地下水を調査したところ、全てが飲用に適さないことが判明した。地下水水源は表流水と比べると降雨などの影響をあまり受けないため安定しており、水質、水温ともに変化しにくくなっている。しかし地下水は土中の滞留期間が長いため土壌の溶解性成分を含んでいる。このため土壌汚染の進度によって地下水は多大なる影響を受けてしまうのである。このように現在地球上では地下水汚染が進みつつある。飲用による効果も期待できる温泉効用のことも考えると温泉に対する期待と地下水汚染の進行は相容れないものである。よって次に今人間は地下水汚染を食い止めるために何をすべきかについて考えてみる。

 

c. 人間は/人類は、何をすべきか

  地下水汚染をこれ以上進めないために人間が今できる水質保全対策について述べたいと思う。第一の方法に法制度の整備が挙げられる。日本では1989年に水質汚濁防止法の改正が行われ、有害物質を含む水の地下浸透を禁止し、地下水質の常時監視を都道府県の義務とした。さらに1996年の改正、97年の環境基本法によって環境基準を制定して基準維持を目指している。しかし地下水水源の汚染が修復不可能なことを考慮すると基準維持という日本の方針はまだ甘いのではないか。世界に目を向けてみるとオランダのように汚染税を99%まで引き上げることによって河川や運河への汚染物質の削減を促進している国もある。インドネシアからケニアまでは農業経営者に対して化学物質の使用量を減らす方法を学ぶシステムを構築した。ドイツの水道事業は農業経営者に対し有機農法に転じるための資金援助をしている。この方が供給水から化学物質を取り除くよりも安価なのである。スウェーデンでは2000年末までに塩素系用材の使用を完全にやめた。このように日本ももっと具体的な法整備をするべきである。第二に技術の向上とそれに伴う実験に関する世界的な協力が挙げられる。地下水汚染は世界的な問題であるから水質浄化の技術とそれに伴う実験において各国が協力すべきである。各国の環境庁が集まって会談したりそれぞれの国で行われている最新の土壌浄化政策などを発表することによって、技術的あるいは意識的に最も進んだ考えを各国が取り入れるようにできるようになるだろう。第三に民間に対する投資システムの提供がある。これまでの地下水汚染の対策はほとんど各国政府が主体となってきた。しかし政府だけが投資するのでは効率が良くないのではないだろうか。水質汚染を食い止めるにはたくさんの調査、実験そして対策への取り組みが必要であり、国家という大きな枠組みとはいえ時間的にも経済的にも一つの機関で取り組むには不可能に近い。現に汚染状況が環境基準を下回るまでには複数年を要する上に、経費は県単位で考えても数億円もかかるのである。汚染に対する対策も経済の一部だと考えると市場原理に当てはめることができる。例えば土壌浄化事業を民営化することで民間企業の積極的な介入を促進し競争が生まれることによってさらなる浄化技術の向上、ひいては実際の水質向上につながることが予想される。また、水質向上の評価を政府自身がするのではなくいくつかの民間団体にもさせることによって、より正確で信頼性のある調査が可能になるだろう。またこの方法は各地によって異なった汚染規模、社会生活への影響度、技術的課題にも対応できるはずである。それによって土壌調査、浄化対策は汚染原因者、あるいは土地の所有者の責任が明確に浮き彫りになるだろう。そしてたくさんの民間企業の参入によって今までは汚染に対する事後対策が中心だったのに対して事前評価を中心とした汚染対策ができるようになる可能性もある。

 

d. 私たちは、今いるところで何をすべきか

  地下水汚染について私たちは日常生活であまり触れることがないのが現状である。しかし、神奈川県など一部の県では県民の意見をインターネット上で取り入れるシステムを取り入れている。これは県の水に関する対策に意見や批判あるいは提案などを県民自ら投書できる。また東京都では都民に対しインターネットを通じて水循環の基礎知識をはじめ地下水の基礎知識や地下水の保全対策、地下水汚染、そして地下水の周辺知識についてわかりやすく簡潔な説明を提供している。また生活している上ででてくる素朴な疑問にも答えている。しかし、どんなに政府や民間団体が努力しても私たち住民がそのことを知る努力をしなくては何も始まらない。私たちが渇水時にはどうすればいいのかに対する正しい知識を持ったり、公共団体が呼びかけていることに応じたりしていく必要がある。例えば現在の下水道は雨天時には雨水と下水が同時に流れる仕組みになっている。そのため川に下水を流すことになるので私たち住民は雨水浸透ますを設置し屋根の水を下水導管に流さないように協力することができる。雨水浸透ますとは雨水を地下に染み込ませるために作られた「ます」でほとんどはコンクリート製で穴がたくさんあいている直径約35cmの「ます」だ。雨水浸透の原則は3つある。それは雨水がきれいなうちに分散させ、少量を、表面近くから浸透させることだ。また基本的なことではあるが最も簡単で毎日できることが節水への協力である。例えば東京都では年間600万立方メートルも河川の水を使っている。参考として例を挙げると多摩川の水量は100万立方メートルである。もちろんそれ以外に地下水の利用もしている。水資源の限界と浄化の手間を考えると私たちはできる限りの節水を心がけるべきである。それ以外に私たちができることは地下水調査等への協力である。以前にも述べたとおり地下水汚染を防止するにはたくさんの緻密な調査が必要不可欠である。現在は都道府県単位で毎年地下水の調査が行われている。この水質チェックにおいて個人情報のデータ公表はされないので、水質改善の調査に協力することが私たち住民の義務であるといえよう。最後に緑の保全対策が挙げられる。小さいことだけれども庭や敷地内の緑化はたくさんの人々がすることによって水循環の再生、地下水の回復に効果があるといわれている。またもう少し大きな規模で考えると山地や丘陵の緑の保全に関わるとともに谷戸や崖線の緑の保全をも進めることも水循環の再生や地下水の回復に最も効果があることだといわれている。このように私たち住民にもできることはたくさんある。普段当たり前に使っている水が本当はかけがえのないものであり、将来においてこの水が汚れて使えなくなってしまう危機に今立っていることを改めて認識して、個人でもできることをしていく必要が今あるのである。

 

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