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情報が伝える、「今、地球上に起きていること」とは?
水は、人間の生活においてあまりに身近なものであり、なくてはならない存在である。水は私達の生活において様々な表情を見せる。水の涼やかに流れる音は人々を癒す存在であるし、暑い夏の日喉が渇いた時にはその渇きを潤す存在となる。時には恐ろしい表情を見せることもある。洪水や台風による被害のニュースは水の恐ろしい面を私達にかいまみせる。逆に世界のあちこちで起きている水不足による悲劇が報道されると、私達は自分たちの恵まれた環境を思い返さずにはいられない。このようにもともと様々な表情を持つ水であるが、近代化が進む今日においてまた違った面を見せるようになってきている。それは水による叫びと認識されるものであるかもしれない。
資料1:「気象情報により現実感」
気象面における水災害に対する人間の対策法は、おおまか情報技術が担っている。しかし気象警報が外れることはよくある。それを、過去の被害情報をデータベース化することによってより的確で詳細な気象情報を発令しようという取り組みがここに記されている。いかに人間が台風や大雪といった気象による被害に対処しようとしてきたかが、この記事によってかいまみることが出来る。技術によって水が汚染されてきたが、同時に人間は技術を駆使することによって水との共生をたもとうとしているかのように思える。
資料2:「飲み水は大丈夫?」
ここ数年で河川へ油が流出する事故が急増している。また、老朽化した地下タンクからの流出も指摘され始めた。それによる影響は広範囲におよび、飲料水においても例外ではない。私達が考えている以上に、自分たちの日常生活において身近な水道水が深刻な事態に陥っていることをこの情報は伝えている。今ではもう「そんなこと起きているなんて知らなかった」などと悠長に言っていられる場合ではないことに気付かされる。
資料3:「湖沼の水質汚染が悪化・・・環境省調べ」
2000年度に全国で実施された水質調査の結果、湖沼の汚染状況は前年に比べて悪化したことが発表された。環境省によると、汚染の主な原因は生活排水対策であり、下水整備などの強化が求められている。閉鎖性海域においては海域の環境基準達成率に届いておらず、汚染の改善が進んでいないことを示している。
資料4:「Sub: 中米、010806、深刻な干ばつで食糧危機の恐れ」
中米各国では昨年の雨季に降水量が極端に少なかった為干ばつが深刻化している。食糧危機や餓死者の懸念があるが、これら諸国の政府には対策をとるだけの資金力がなく、国際的な援助を緊急に必要としている。もう既に中米全体では渇水による被災者は約100万人にのぼると推定されている。これにより一部においては貧困層の困窮度が深刻化している。
人間がするべきこととは?私達が、今いるところで出来ることとは?
現代において、水に関 する様々な問題が浮上してきている。それらの問題は突如として現れたのではなく、積もり積もった結果人間がもはや到底無視することの出来ない状態になってしまったにすぎない。特に日本を含む先進国による水汚染や無駄な水消費が原因となっている。日常的なものから国際問題にまで発展するこの問題と人間はどう取り組んでいけばよいのだろうか。最も重要なのは水に関する問題をひとりひとりがもっと深刻に捉えることである。科学技術の発展により、人々は快適な暮らしを手に入れた。蛇口をひねればすぐに水が出る。水不足はあっても雨は降る。日本で普通に生活していて渇水によって死亡する人などいない。これらは今を生きる私達にとって当たり前なことのように思えるけれども、それは本当に恵まれたことなのだ、と思い直す必要がある。また、このような快適な暮らしは気をつけないと失われてしまうものなのであることにも気付く必要がある。こうしたことは様々な角度からのアプローチによって成されることが可能であるように思う。例えば、小学校の社会科見学でパン工場に行く代わりに汚染された川や水整備工場を見学することによって教養を深めることも一つの対策としてあげられる。また、最近見かけるようになったテレビのCMによる警鐘や呼びかけもあげられる。確かにとても初歩的なもののようではあるけれども個人が日々問題意識を持ち、水の無駄使いや不必要なまでの汚染を避けるようになれば大分違ってくるのではないだろうか。今や、貪欲に便宜さを求め続けるのではなく、今まで通ってきた道を振り返り代償を償っていく時代にきているのだ。
参考資料