水ダイエットの流行

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 ここ一年ほど一日水を2リットル飲んで痩せるという水ダイエットが、テレビや雑誌などで注目されている。現在は血糖値を上げずに食べて痩せるという低インシュリンダイエットという新しいダイエット方法が注目されはじめ、一時期のようには大々的に取り上げられなくなったものの、まだまだ水ダイエットの人気は衰えていないことは、インターネット始め様々な情報機関を通じて知ることができる。ここでは特に、3つのウェブサイトから参考にした情報を元に水ダイエットについて考えてみたいと思う。

 

 まずAの情報からわかることは、水ダイエットは痩せるお茶の流行を経て生じた流行だということだ。飲むだけという手軽さや、海外のスーパーモデルが水を持ち歩いて飲んでいることにファッション雑誌が注目したことから水ダイエットが着目され始めた。流行の当初は食事などに含まれる水分もあわせて一日の水分摂取の合計が2リットルになることが理想的だとされていた。しかし次第に水そのものよりも水に含まれるミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなど)に注目されるようになっていった。つまり、水の量だけでなく質にも注目されるようになっていった。国産の水は硬度、つまりミネラルを含む量が少ないため海外の硬度の高い水を飲むのが良いとされるようになった。そこで注目を浴びたのがコントレックスというフランス産ミネラルウォーターだ。コントレックスの硬度は1000を越え、ミネラルの含有量は他のミネラルウォーターと比較してもずばぬけて高い。ダイエットには飲む水の質も関係するということは情報Bからもわかる。

 情報Bでは、人間の体内の水について、また電解質やイオン、水のクラスターなどにも触れており、情報Bよりも科学的に水とダイエットについて述べられている。ここでははっきりと、水に含まれるミネラルが基礎代謝を変化させ新陳代謝を活発にすると述べられている。また、酸化還元電位の低い水を続けて飲むことでアトピー性皮膚炎の痒みがとまり皮膚炎の症状が良くなること、薬の効き目が水道水よりも良くなることなども述べられている。このように水はダイエットに効果的であるといわれているが実際のところはどうなのだろうか。

 情報Cでは水ダイエットの体験談などが公開されている。しかしアップされた写真をみるだけでは確かに痩せているようだがそこまで効果があるようには思われない。その理由は管理人の日記を読めばなんとなくわかる。管理人は揚げ物などの高カロリー食品を好み、飲酒もあまり控えているようではない。つまり、情報Cからは、いくら水を飲んでいるからといって普段の食生活で好きなものばかり食べていては水ダイエットは意味がないということがわかる。

 

 さて、このようにインターネットから得た情報をもとに水ダイエットについて考えてきているが、さらにここから水ダイエットに対してやや批判的な意見を述べたいと思う。ダイエットに関しては、特に女性の注目が高いが、健康上の理由なども考えて男性も関心を持つようになってきている。コントレックスへの注目からもわかるように水ダイエットの流行は日本だけでなくヨーロッパやアメリカなどでも起こっている。一日に2リットルという大量のミネラルウォーターを飲むということはあまり経済的とは言えない。もちろん体のためにはいいことかもしれないが、一日に十分な水を確保することが難しい国や地域が世界中にあることを考えると水でダイエットをするということは先進国に住む人々の贅沢な考え方である。また自然に採れるミネラルウォーターというものは、その水が採れる自然環境に影響されるものである。地球全体の環境状態が悪化している今では、上質の水が手に入る場所は限られてくる。水は無限ではないので一ヶ所から大量の水を採っていてはミネラルウォーターが尽きてしまうかもしれないし、また水質や自然環境の変化を招きかねない。

 このようなことを考えると、水ダイエットは水の質と量が重要なのであり水の産地を限定する必要はないのだから、水道水や国産の天然水などに人工的に処理をしてミネラルを加えた水を飲むことでも十分に効果があり、環境にも良いのではないかと考えることができる。さらに環境の点から付け加えると、ミネラルウォーターとは大半ペットボトル容器で市販されている。一日に2リットルのペットボトルの水を飲むことを一ヶ月続けただけでも30本ものペットボトルが、一年続けたら365本のペットボトルがごみとして捨てられることになる。もし50人が水ダイエットを一年続けたら18250本のペットボトルが捨てられることになる。もしその50人が水ダイエットをしない限りミネラルウォーターを飲まないとするとそのごみも出ないことになり環境には断然そちらの方が優しい。

 

 先にも述べた通り水ダイエットに変わる新しいダイエット法として低インシュリンダイエットが注目されはじめ、また今後も次々と新しい方法が出てくることは明らかであり、水ダイエットが下火になっていくことは今後多いにありうる。ダイエットに関心を持つ人は後をたたずそれにあわせた商業は今後ますます盛んになっていくだろう。水ダイエットの流行によってますますミネラルウォーターの存在は身近なものとなったが、自分の飲む水が体にどのような影響を与えるか、その水はどこで採れてどういうプロセスで自分の手に入ってきたかということやごみのことなども考えられるようになればこの水ダイエットの流行は意味あるものになるだろう。

 

参考資料

情報A
http://homepage1.nifty.com/yoo/2page1_.html
飲むだけで手軽にできるダイエットの紹介、体験談等 2002年1月26日
 
情報B
http://www5c/biglobe.ne.jp/^sspring/dai-2.htm
ダイエットの命は水・・・水の特性、ダイエットなど体への影響 2002年1月26日
 
情報C
http://www.aqua-road.com/daiet/
水ダイエット体験者の日記など 2002年1月26日

 

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