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1) はじめに
私の祖母の家では、未だに井戸水(地下水)を使用している。もちろん、飲料水にはできないのだが、風呂水として使用している。飲料水として利用するには安全確認のために水質検査をするなど、面倒だからだ。ここで、この機会に、地下水について、また、今、地下水をめぐってどのような問題が起きているのか、調べてみようと思い、このテーマを選んだ。
2) 今、起こっていること
戦後の経済復興と共に、水道が普及するまでは主に工業用水として、地下水の需要が急増し、大都市をはじめに地盤沈下が問題となった。地盤沈下とは、粘土層のまわりの帯水層から水がなくなり、粘土層からも水が搾り出され粘土層が収縮を起こし、その結果起こるものである。そもそも地盤沈下は、地下水位の低下から引き起こされるものだ。地下水位の低下が進むと、土や緑からの蒸散が減り、都市の気温上昇(ヒートアイランド)がおきやすくなる。これは、水が蒸発する時に大量の熱を奪うという性質が、地下水が減ったために蒸発の量が少なくなるから生かされないために起こる。しかし、1960年代から各地で地下水の採取規制が行なわれ、一部を除いて地盤沈下は沈静化の傾向が続いた。
今では都市化の振興が原因で台地や丘陵地の浸透域が減少し、雨水が地下に浸透しにくくなっているため、また、渇水による雨水浸透の減少のため、再び地下水位が下降する傾向が見られる。他には、トンネルやビル、地下鉄などの地下構築物が、地下水の流れをさえぎり湧水や付近の井戸を枯渇させることが多くなってきたことも問題となっている。更に、開発により湧水の水源自体が枯れてなくなってしまうというケースも増えてきている。
水質に関しては、昔は下水道の普及が間に合わずに排水をそのまま地下に流し、アンモニアや塩素化合物、大腸菌などが問題となっていた。最近では、工業排水に含まれる有機塩素系化合物の地下浸透が問題になっている。今までの汚染と違って、これらの物質は除去しない限り回復はしない。また、更に毒性が強いものに変化している場合が多い。
このような状況のもと、今では今以上の地下水利用は難しくなってきている。
3) 人間のすべきこと、私たちができること
地下水の量をふやし、水質汚染阻止のために…
* アスファルトやコンクリートの道路のように、地下に水が流れ込めない性質のものから、浸透性のレンガなど、雨水を地下に戻す性質のものの研究開発が進んでいる。
* 産業廃棄物の不法放棄(香川県豊島)をなくす。(これが積もり雨水の浸透の妨げとなったり有害物質が溶け出し水質汚濁にもつながる)
* 森林伐採や乱開発を避ける。
* ごみを出さない、リサイクルする。(燃えないごみは埋められるだけ)
今の私が考えられるものはこれくらいしかないが、今回このレポートを書くにあたって、はじめて今でも地下水の問題は終わったものではないと知り、今の自分に何ができるか、頭の片隅に入れておこうと思う。
参考資料