酸性雨、地球温暖化

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1.   2001年1月3日発行の朝日新聞によると、南アルプスの希少種キタダケソウに酸性雨の影が忍び寄っているという。

キタダケソウとは、梅雨時に花を咲かせ、山頂近くの限られた地域でしか見られない世界でただ1種の植物である。日本高山植物保護協会は、1998年から北岳の周辺で酸性雨の調査をしており、98年で1回、99年で2回、00年で6回、酸性雨を観測している。00年の観測結果は三宅島の火山活動の影響が反映されていると思われるが、年々酸性雨が増えているのは確かである。また、酸性雨よりも水滴が葉や茎に長くまとわりつくため厄介な酸性霧も1度観測されている。キタダケソウは、アルカリ性の土壌を好む、また、他のハクサンイチゲやチングルマ、イワベンケイなどの高山植物も土壌の酸性化で打撃を受けるだろう、と報じられている。  これらの打撃を防ぐには、酸性雨を食い止める必要がある。欧州では、酸性雨や酸性霧の影響が深刻で、森が枯れ、魚が湖に住めなくなっている。これらの事が起きないように、早く手を打たなければならない。南アルプスの酸性雨の原因は記事でも言われているように、工場や車から排出される硫黄酸化物と窒素酸化物である。これらは中国大陸から偏西風で運ばれるものと、国内で排出されるものが半々ずつある。そのため、南アルプスの問題を考えるだけでも日本国内だけでなく世界を考えなければならない。それは、主な原因である工場、車を規制する事であろう。規制とは、原因物質を出さないようにする事である。そのためには技術が必要であり、例えば、原因物質を空気中に出さないようにする仕組みの開発、それらを取り除くフィルター作り、または、エネルギー源を原因物質の出ないようなものに変えること、などである。このような技術を作り、それらを必要としている国に供給していくことが必要になってくる。  では、個人レベルではどうだろうか。今の時点では、原因物質を規制する技術が不十分であり、身の回りの出来る事から始めなくてはならない。個人で問題となるのは車であろう。車に乗らない日を作ったり、出来るだけ電車やバスを利用したり、低排気ガスの車に乗り変えたりすることである。しかし、これらの事は、自分一人の努力が目に見えて結果に表れるものではないので難しいかもしれない。それならば、意識することからはじめればいい。意識はやがて行動にたどり着くものである。

 

2.  1997年夏に環境保護団体グリーンピースによって作成された資料、地球温暖化’97によると、アラスカにある世界最大の温暖氷河であるベーリング氷河の後退が確認された。

記事によると、この100年間で長さが10〜12km後退し、130平方km消失した。90年代初頭には、年間1キロメートルの速さで後退していたが、近年その速さは加速している。IPCC(機構変動に関する政府間パネル)は、今世紀における地球平均海面水位上昇10〜25センチのうち、2〜5センチは世界規模の氷河の縮小が原因であるといい、将来的には、海洋の膨張率と氷河融解の組み合わせにより2100年までに15〜95センチの海面水位の上昇を予想している。これらの原因は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料が主要因の地球温暖化と、多くの科学者が関連付けている。一方で、アラスカ北極圏の石油産業は油田の新規開発を進めている、と報告されている。

    このまま氷河の縮小が進むと,海面の上昇により,低い土地であるミクロネシアの島国などが水没してしまう。さらに進むと,ほとんどの陸地が水没してしまう。そうならないためにも,主要因と言われている温暖化を食い止める必要がある。温暖化を食い止める方法として、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を規制する方法がある。これらの規制は,実際に世界レベルで取り決めがされており,97年に採択された京都議定書によっている。それによると,排出ガスの目標数値を決め,それを達成するための仕組みを導入することで排出量を減らす,というものである。この議定書を守ることによって,温暖化の速度は減少するであろう。しかし,この議定書にアメリカは不支持を表明しており,また,発展途上国には義務を導入しないことになっている。発展途上国がいましていることは,先進国が昔していたことなので,規制を義務には出来ないだろう。しかし,何もしないことは温暖化をさらに速めることになる。規制のための仕組みを途上国に対して提供することが望ましい。アメリカに至っては,温室効果ガス排出量世界一の国である。この国が,たとえ先進国に負担の大きい京都議定書であっても守らなければ、温暖化を食い止めるのは、難しいだろう。

    二酸化炭素を抑制するもっと身近な方法として、森林の保護、植林がある。

これは、京都議定書の中でも言われており、森林の二酸化炭素吸収によって、温室効果の抑制が期待できる。その中でも、われわれがすぐに出来る事は、森林の保護である。小さい事でいい、割り箸を使わなかったり、再生紙を使ったり、リサイクルできるものはしたりする事である。そうすれば、少しでも温暖化防止の役に立つだろう。

 

3.  2001年7月5日発行の読売新聞によると、日本海に汚染の影が忍び寄っているという。

   日本海は、太平洋(1億6500万平方km)や大西洋(8200万平方km)にくらべ、わずか100万平方kmと小さな海だが、潮流や水の循環という点からみて、大洋の資格を立派に備えている。つまり、日本海での警告は、太平洋、大西洋での警告につながる。記事によると、1995年初夏の北海道・奥尻島北東の日本海で、海水中のPCB(ポリ塩化ビフェニ‐ル)の測定を行った。水深500〜1000mで海水1リットル当たり1兆分の1グラム、1500mでは4分の1程度に下がるが、2000mでは、再び濃度が上がっている。これは、浅い部分の汚れた水が沈み込んだか、PCBを含む製品が海洋に投棄されて沈んでいるのではないか、と推測されている。一方で、日本海の深層は、温暖化により冬季の海面が冷えにくくなり、酸素の豊富な表層水が沈み込まない為に酸欠状態になっているという。

    今、日本海で起きていることは、いつ太平洋、大西洋で起きてもおかしくない。被害が全世界に広がらないうちにも対策を講じなければならない。日本海で汚染が進んでいる、ということは事実なのである。推測の1つとしてPCBがあげられている。PCBはすでに使用禁止になっているため、まず不法に投棄することさえしなければ、これ以上の汚染は広がらないであろう。不法投棄の取締りを強化することが必要である。それと同時に、今現在投棄されたものの中で回収可能なものは、すぐにでも回収作業を始めることが有効である。また、温暖化の影響による、深層が酸欠状態になっていることに対しては、原因である温暖化を抑制するため、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの抑制が必要とされる。そうしなければ、海中のバランスが崩れ、海に大きな影響をもたらすであろう。これらには、京都議定書による温室ガス排出量の規制と森林の保護、育成による二酸化炭素の吸収量アップに期待される。

    海の汚染というのはなにもPCBだけによるものではない。さまざまな物の投棄によって海は汚れていっている。例えば、横浜港では海の清掃が行われており、毎年、タイヤや携帯電話、ペットボトルなどのごみが出てくる。これらのごみは、国、自治体の問題というより個人の問題である。私達一人一人が気をつけ、ごみによる汚染の実態を知ることで、海の汚染を減らしていかなければならない。

    

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