水と人間

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b):まず、一つ目の日経新聞の記事の内容について考えてみたい。この記事によると、都市の地表面や植物の減少、それに代わるコンクリート、アスファルトの増加、河川のコンクリートによる護岸工事、という二つの大きな要因によって、ヒートアイランドが起きているという。ヒートアイランドは、熱中症や、都市部での局地的な豪雨の原因として近日大きな問題になってきている。地表面や植物が減少することにより蒸散作用が低下し、気温調節の機能がなくなり、その代替物として使用されているコンクリートやアスファルトは不透水性で雨水などの水を地下に浸透するのを阻害し、さらに、熱を蓄積しやすいという性質を持っている。また、河川が、コンクリートで護岸工事され、まっすぐな流路にされたことにより、河川の役割は排水路と等しくなっている。

 つまり、地下に浸透できない水は、不当性のコンクリートの上を流れて、排水路と化した河川を通って都市外へと、あっという間に流されていくこととなっているのである。この、雨水循環の欠如はヒートアイランドだけではなく、局地的な豪雨による大量の雨水による都市型洪水を引き起こしているのである。

 

 次に、二つ目の記事の内容についてみてみたい。この記事によると、1880年代からの観測史上二番目に暑い年となった今年は、グリーンランドの氷床の氷の溶解度が過去24年間で最も多く、夏の北極の氷の面積が最も小さかったという。その要因として挙げられるのは、近年の地球温暖化傾向と、北極振動という現象であるという。(北極振動とは北極域の気象が周期的に変動する現象をいうらしい。)

北海洋大気局(NOAA)などの研究機関によると、大量の氷の溶解による、真水の流入によって北極海の塩分濃度が変化すれば、海水の循環や、世界の気候に大きな影響があるという。グリーンランドの氷床の溶解度量は観測以来増加する一方であり、このまま地球温暖化が続けば、北極海の氷は今世紀末には消滅すると予測されているという。

 最後に、三つ目の記事の内容をみてみたい。この記事によると、12月12日、三井金属鉱業は、埼玉県上尾市の銅箔事業本部上尾工場の地下水から環境基準値を2440倍上回る水銀、220倍の鉛、6倍のヒ素、土壌からは53倍の水銀を検出したことを公表した、とのことである。

 

 

(c):このような、記事の扱っている水に関する問題をみて、人類は何をすべきなのかを考えてみたい。今、大きな問題となっている地球温暖化問題。この要因は、挙げたらきりが無いくらいである。化石燃料の使用による二酸化炭素の増加、植物の伐採、コンクリート、アスファルトの増加、、、。ここでは、私は、雨水循環というものに目を向けてみたい。

 記事を見ればわかることだが、雨水循環の欠損による都市部でのヒートアイランドは、ひいてはグリーンランドの氷床溶解に影響しているとも考えられる。では、人類に何ができるのであろうか。失われた雨水循環を見直すために、今考えられていることは、河川の復活である。ふたをした河川を開けたり、護岸修復をしたり、公園などの水面を整備する、ということである。

 そのほかに、雨水浸透施設の普及が考えられている。地下に水を浸透・還元させる人工的な水循環系改善技術による透水性舗装を使っていくことである。

 保水、蒸発散機能を持った、葉の大きく量の多い木を植えるなどの緑地整備も挙げられている。これらは、すべてコストがかかることは否めない実情である。しかし、持続的な地球資源を考える上では、避けては通れないのではなかろうか。また、このようなことを政策に加えていく政府と、地域的な住民のコミュニティによるアプローチが必要なのではないか。

 

 地下水の問題としては、とても難しいものがあると思う。なぜならば、いろんなところにある工場などから、汚染物質が流されているか可能性があるからである。汚染された地下水は、やがては海に出、その海を汚染していき、また循環の輪の中へと入っていくからである。

 こういった重金属などの地下水汚染は、重工業を主としていくであろう発展途上国での下水技術の、先進国などによる指導が必要になると思われる。また、日本国内での地下水への考えを改めて、下水、排水などの技術を改善していくこともかんがえられる。

 Globalyに考えたとき、人類のなすべきことは、水と緑の活用に基づく雨水循環の回復にある、と思われる。

 

(d): では、この雨水循環の復活に関して、私たちは今いるところで何ができるというのであろうか。まず、考えられるのは身の回りの生活においてできることである。例えば、地域のコミュニティなどで河川の整備や、緑地の整備などが考えられる。

 しかし、何よりも大切なのは、今回りで何がおきているのかを知ることにあるのではなかろうか。知ることによって、いろいろな活動や、問題、対策などが分かり、自分の行動について考えることができるからである。

 

 今回のレポート作成のための資料収集のおかげで、現在においての環境問題などを知り、考えるよいきっかけが与えられたと思います。地球温暖化によって北極海の氷床が今世紀末にはすべて溶解してしまう危険性があるというのは、驚愕の記事でしたし、いろいろと考えさせられました。水と緑は、地球にとってなくてはならない、地球の壮大な循環を作り出すものであることを痛感しました。

 

《参考資料》

毎日新聞2002年12月13日東京朝刊

毎日新聞2002年12月19日夕刊

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Enviroment/200212(毎日新聞のサイト)から

日経新聞2002年12月25日

 

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