「アラル海の危機 〜旧ソ連開発計画の果てに〜」
「サンゴからの無言の警告」を見て
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1 a;「アラル海の危機 〜旧ソ連開発計画の果てに〜」を見て。 

概略;中央アジア、カスピ海の東方に位置する塩湖、アラル海では、その面積が従来の6割も縮小し、小アラルと大アラルというふうに2つの湖に二分されてしまっている。このアラル海周辺では、漁業が盛んだったが、1950年代から、ソ連政府は湖の周辺に人々を移住させ、大規模な灌漑を行い、水も大量に使った。その結果、環境バランスが崩れ、1970年から、湖の一部が干上がるといった現象が見られるようになり、現在に至る。この番組では、アラル海に面したカザフスタンの人々、政治家、漁師などの視点を通し、湖の現状を紹介している。

 

b;今、地球上に何が起こっているか、情報が伝えている事は何か?

 この地球上では、人間によって環境破壊が行われてきた。そして、今、その結果が仇となって私達に襲いかかってきている。アラル海もその一例であったと思う。アラル海周辺では、干上がった部分の塩分が土に残り、塩害が発生し、作物が育たない地域が見られ、又、畑で使われた農薬が、土中からアラル海に注ぐシルダリア川に溶け込み、アラル海の生態系を崩し、漁業に影響を与えた。灌漑によって、国をもっと豊かにしようとした結果が、逆に問題を引き起こしてしまった。今はもう、ソ連は無いので、責任の転換は出来ないだろうが、当時の政府の、利益だけ追い求め、環境への配慮の足りない計画がアラル海の危機を招き、周辺住民の安らかな生活を侵してしまった。そして、今、人類の身勝手で、このような環境破壊、変化が世界中のいたる所で起こっている。アラル海のような、目に見えて大きな変化が、私達の周りには起きていないと思っていても、それは私達がよく見ていないだけで、今までよりも、より大きな反動が迫っているのではないか、と思った。

 

c;人間は、人類は何をすべきか?(Think globally)

  アラル海を取り戻そうとする意思確認が、カザフスタンとウズベキスタンの大統領の間で交わされたそうだ。そして、カザフスタンでは、小アラルと大アラルの間に堤防を作って、小アラルから、大アラルへの水の流出を抑え、小アラルを取り戻し、大アラルも周りの大地からの自然な浸透水によって、潤そうとした。これは、一番可能性のある方法だが、小アラルからの魚の流出を断ってしまって小アラルと大アラルの人々の対立を生んでしまった。また、国がアラル海にまわす精一杯の援助も少ないらしい。しかも、ソ連解体後、各国は独自の方法で計画を進めていて、上手くいかないらしい。アラル海を取り戻すためには、周辺住民が一つの事業に協力して取り組まなければならない。各国、各住民がいがみ合ったり、歩調が合わなかったりすれば、また新たな問題が出てきて、アラル海復活は、夢のまた夢しまうのではないかと思う。では、地球上の人々はそんなアラル海の為に何をすればよいのだろうか。皆、自分達の問題で手一杯かもしれないが、私は、先進国の企業が、アラル海復活の為に、援助を行って、アラルの人々に他の産業を教えて、しかも互いに利益が見込めるような一石二鳥の方法があったらよいと思った。アラル海は立派な私達の財産だと思う。現地の住民が出来なかったら、他の国の人々も一緒に問題に取り組んであげるべきだと思った。モbモの問題になってしまいますが、この番組はそういう事も言いたかったのかもしれないと思いました。

 

d;私達は、今いる所で何ができるか?(Act locally) 

 アラル海は私達にとって、又、全てにおいて遠い所だと思う。そう簡単にアラル海の復活に携われるものではないけれど、今、すべき事はより多くの人にアラル海の現状を知ってもらう事だと思う。そうすれば、アラル海には何の影響も無くても、一人一人の環境に対する姿勢をよい方向に変えることができると思う。その為には、やはり、テレビやインターネットなどのメディアを利用して、より多くの人々に知ってもらう事が、今できることなのではないかと思います。

 

2 a;「サンゴからの無言の警告」を見て。 

概略;サンゴは海の多くの生物に恩恵をもたらす生物である。オーストラリアを代表するグレートバリアリーフやスコット礁では、今、サンゴが白化してしまっている。原因は海水の温度上昇だ。サンゴは海水が冷たすぎても、温かすぎても生きられず、過剰なストレスが溜まると体内の褐虫藻(光合成を行って、その内の50%の養分をサンゴに供給する)を切り放して、白化して、消滅してしまう。今までにも、サンゴ礁の白化現象は存在したが、局地的で、すぐに元の状態に戻っていたそうだが、近年はすぐに戻らず、白化が長期にわたって続いているそうだ。これは、明らかに地球温暖化によるものだ。しかも、前よりもエルニーニョ現象が起こる間隔が短く、アーストラリアだけでなく、世界中でサンゴの白化が問題とされている。

 

b;今、地球上に何が起こっているか、情報が伝えていることは何か?

この番組はサンゴ礁の白化によって、海の生態系や地球環境が、本当に急激に変化しつつあること、そして、一人一人に強い関心を抱かせ、私達が置かれている状況への危機感を引き起こしたかったのではないかと思う。実際、海水の温度が5度よりも上昇したり、2ヶ月〜5ヶ月も高温が続いたりと、数百年もの長い間生きてきたサンゴ礁が、たった一年で白化してしまった。ここ数年、世界各地で地球温暖化が問題とされてきたが、皆、海の中まで、このようなひずみが生まれていようとは、思わなかったのではないかと思う。この番組を見た人なら誰でも、地球温暖化の被害の甚大さに気づかずにはいられないと思った。

 

c;人間は、人類は何をすべきか?(Think globally)

少し古い記事だが、1999年7月6日の読売新聞に、自然環境保護団体の「グリーンピース」が、このまま地球温暖化が進めば、2040年までに世界の多くの地域でサンゴの白化現象が毎年のように発生し観光、漁業資源が減少し、数千億ドルの経済損失が出ると載っていた。今、私達、人類がしなければならない事は、二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を防ぐ事であると思う。その為には、京都議定書を各国が遵守し、環境に配慮していく事が重要だと思う。この地球は、そして海は国境があっても一つでそれ故、世界全体で協力して温暖化に着手していかなくてはならないと思う。

d;私達は、今いるところで何ができるか?(Act locally)

 上述にもおるように、サンゴの白化は地球温暖化によるものである。今、私達がここでできることは、一人一人が環境に配慮した生活を実践することにあると思う。二酸化炭素の排出量を減らす為には、個人個人のごみの量を減らしたり、地域でリサイクル活動を行い、ごみを減らす努力をしたりすることが望ましいと思う。又、近年、ソーラーシステムやバイオマスエネルギーや水素電池など、クリーンなエネルギーも開発されているので、まだコスト面など、様々な課題もあるが、こういったエネルギーをどんどん利用して、火力発電による電力を使わないようにしていくできだと思う。

 

 私達、日本人は、環境問題を、ニュースや新聞で、事の重大さは理解していても、身近な問題ととらえている人は少ないように思える。しかし、今回、私はこの番組を見て、日本には沖縄にサンゴ礁があるので、環境破壊を実感したというか、衝撃的で、海の環境を大切にしなくてはならないと思った。沖縄では、伊江島沖のダイオウサンゴが白化していたそうだが、完全に回復したそうだ。(経済新聞.1999年7月20日)しかし、これから先、このサンゴもまた、白化する可能性は高いと思う。サンゴの白化は私達にも影響を与える。だからこそ、もっとサンゴの白化についてメディアは取り上げるべきだと思う。

 

参考資料; 

・ 「アラル海の危機 〜ソ連開発計画の果てに〜」2003年1月22日 午後10時 NHK衛星第一

・ 「サンゴ礁からの無言の警告」2003年1月23日 午後10時NHK衛星第一

・ 毎日新聞 1999年7月6日 「温度上昇続けばサンゴ白化加速 グリーンピースが予測」http://members.tripod.com/~namazu/sinbun.html

・ 産経新聞 1999年7月20日 「南の青い海「サンゴ」生き生き 白化現象から回復 沖縄」http://members.tripod.com/~namazu/sinbun.html    

 

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