人と水:21世紀の重要課題

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・ はじめに

   水−それは人間のみならず、自然や生き物全てにとってかけがえのない、貴重なものである。国際連合は、2003年を「国際淡水年」として宣言、幅広い活動に取り組んでいる。しかし現在、人間は水をめぐって予断を許さない状況に直面している。60億人を突破した人口は、2025年には80億人に達すると予想され、水不足や洪水などによる被害・諸問題が増大することが考えられる。それでは、具体的にどのような問題があるのだろうか。

 

・ 様々な問題

@ 水をめぐる紛争…「20世紀の紛争が石油をめぐるものであったとすれば、21世紀の紛争は水をめぐるものとなるだろう」。これは、IDA(世界銀行)副総裁・セラゲルディン氏の発言である。事実、世界各国では水をめぐる紛争が起きており、とりわけアラル海地域、インダス川、ヨルダン川、ナイル川、チグリス・ユーフラテス川は、5大紛争地域として、水供給量をめぐる争いの激化が懸念されている。

 

A 水不足…人口の急増、工業・産業の著しい発展によって水不足が増大しており、現在アジア、アフリカなど31ヵ国が、水の絶対的な不足に悩まされている。また、水不足が深刻な食料不足をもたらしている地域も広がっている。国連資料によると、水が原因で年間500‐1000万人が死亡しており、12億人が安全な飲料水を確保できておらず、2025年には48ヵ国で水が不足すると見込まれている。

 

B 水汚濁…先進国に対して、下水道等の衛生設備の整備が追いつかない発展途上国を中心として、水質汚濁が大きな問題となっている。世界保健機関資料によれば、途上国における80%の原因は汚水で、水に関わる病気病気で子供達が8秒に1人ずつ死亡している。また人間のみならず、淡水魚の20%にあたる種が水汚染で絶滅の危機に瀕している。

 

C 洪水…都市化による土地利用の変化や森林の伐採により、洪水時に多くの生命と財産が失われている。また急激な人口増加の結果、氾濫の起こりやすい地域に多くの人々が居住するようになり、洪水による被害はますます大きくなっている。

 

D 地下水…増大する水需要へ対応しようと過剰な水の汲み上げがなされ、地下水位の低下や地盤沈下が世界各地で発生している。例えば中国・山西省では、地下水位が年平均1.5メートルも低下している。また人間の様々な活動が、地下水の水質に対して影響を与えている。

 

・ 人類の使命

   以上が、今現在世界を取り巻いている主な水問題である。やはり、水をめぐって深刻な状況に陥っているのは発展途上国の人々である。これらの問題を打開するには、世界的におきな貧富の格差を無くすことが大切である。地球上でそのまま飲める綺麗な水のほぼ全てが、日本や欧米などの先進国にある。そして先進国には、世界の人口の20%しか住んでいないのだ。

   そして、地球規模で水についてもっと知り、考えていかねばならない。自国だけでなく、他国で何が起こっているのかに目を向け、水の重要性について再考する必要がある。

   また、言うまでも無いが、やはり環境を保護することが水問題の解決に大きく関わってくる。水を汚せば、何らかの形で必ずその代償が自分に返ってくる。そのことを念頭に置いて、人類全体が積極的に限りある資源である水を守る行動を起こすべきだと考える。

 

・ 日本がすべきこと

 

   このレポートを通して私は、世界のみならず日本の驚くべき水の現状を知った。それは、日本における「仮想水」輸入量(食料などを通じて世界中から間接的に輸入している水の量)が世界一ということである。その数値は年間744億トン、国民一人当たりに換算すると年間600トンに達する。日本は水に恵まれていると言われつつも。日常生活は世界の水資源に支えられているのだ。

   具体的に農業・畜産業でどの位水が必要かと言うと、とうもろこしでは可食部の重量当たり1000倍、大豆では2400倍、また豚肉では精肉比に対する重量比で6000倍、牛肉では何と22000‐25000倍もの水が使われている。

   私達が今いるところでできること−それは、水というものをもっと意識して省水資源的な生き方することだと考える。今挙げた仮想水に関して言えば、残飯を出さないように食生活にすることから水問題に取り組むことができる。これは極論だが、日本で残飯の量を減らせば農業物の輸入量が減り、穀物の売価も世界的に下がる。そうすれば、水と貧困に悩む発展途上国の人々も食物が買え、飢えなどの危機を回避することができる。

   他にも、生活排水の量を減らしたり、湖沼や河川、海にゴミを捨てない・ゴミがあれば進んで掃除をする、といった様に周りを見渡してみればできることはたくさんある。

   日本の暮らしを守ることと世界の水を守ることは、非常に密接に結びついている。水豊かな日本を、そして世界の水を守り、後世に残していくために、一人一人が水と真剣に向き合っていかなければならない。水と人とは、切っても切れない関係なのだから。 

 

≪参考資料≫

・ 「新世界事情」 東京新聞 夕刊 2003.1.18

・ 「みんなでエコ社会」 東京新聞 朝刊 2003.1.19

・ 「世界と水−水問題編」 http://wwwf3kyo.com/world/index,html

・ 「世界と水−水紛争編」 http://wwwf3kyo.com/world/index2.html

・ 「世界水ビジョン」 http://idi.or.jp/vision/wwv-01.htm#top

・ 「世界の水問題」 http://idi.or.jp/vision/wwv-02.htm

 

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