§1 自然環境における水の存在と役割(水の大循環) §2 水と人間生活(今、水に何が起こっているか?) §3 水 資 源 §4 水 質 汚 染 §5 水とのつきあい方
§1 自然環境における水の存在と役割
燃えカスとしての水:燃焼反応の生成物
CH4 + 2 O2 -------> CO2 + 2 H2O +195kcal/モル
(熱エネルギー)
天然ガス 石炭、石油 :化石燃料 有機化合物
燃焼とは? 徹底的酸化反応(Complete oxidation)
化合物中の元素
C -----> (CO) ---> CO2H -----> H2O --->(H2O2)?
N -----> NO2 ---> HNO3 (硝酸)
S -----> SO2---> SO3---> H2SO4 (硫酸)
Metal--->Metal oxides (e.g., 鉱石:CuO, Fe2O3, 石:SiO2, Al2O3)
CO2, H2Oはこれ以上酸化されない状態。最も安定な酸化物(不活性)
<生物体内では>
有機化合物 + O2 -----> CO2 + H2O + energy(生産)
(はく息)(尿、汗) 体温維持、代謝
呼吸は体内の燃焼反応(熱および化学エネルギーの獲得)
燃えカスとしてCO2, H2Oが生じる。
合成原料としての水(燃えカスの利用):
原理:水の還元反応
H2O ---(電子)--> 2H + O
方法:
1)水の電氣分解 (電氣エネルギー)
H2O -----> H2 + 1/2 O2
2)水性ガスの生成
石炭-----> コークス( C) + H2O -----> CO + H2 高温
3)太陽光を利用した光化学反応
H2O--- 太陽光 -----> H2 + 1/2 O2 +TiO2/Pt電極
4)光合成:緑色植物が太陽エネルギーを利用して水と炭酸ガスを還元し
有機化合物(ぶどう糖)を合成する反応
6 H2O + 6 CO2 --- 太陽光--------> C6H12O6 + 6 O2 +クロロフィル =(CH2O)6 (緑色植物) Glucose(ぶどう糖)
物質代謝(生体内の物質変換過程):metabolism
(プリント参照)
水 H2OとCO2 から生命活動を維持するのに必要な有機化合物がすべてつくられる。
物質代謝(生命活動を維持する化学反応)は水溶液の中で行われている。
人間の身体
水の必要量
老廃物1gを尿中に排泄するのに少なくとも15mLの水が必要
30-40g/day, 成人 → 450-600mLの水が必要
腎臓は老廃物の排泄装置:体内の物質濃度を一定に保つ働き
・100mL(血液)/min.分の ろ過速度 → 1日当たりでは100x60x24=144L/day・1mL/min.(1440mL/day)を尿として排泄する
即ち、その差99mL(99%)は再吸収され、再利用される。
優れた水分調節機能!
単位:兆トン(103km3)
水の大循環の意味を考える:
1) 蒸発量: 361 + 62 =423 兆トン(海から)(陸から)
6 : 1
2)降水量: 324 + 100 =423 兆トン
(海へ)(陸へ)
3 : 1
3)海から陸地への移動量:361 - 324 =37 兆トン
=陸地から海への移動量(河川による)
4)37兆t は、海水(塩水)が淡水に変化したもの
蒸留水製造(熱源:太陽)
5)陸地からの蒸発する水の役割(1):62兆tの水が雲となり、雨・雪として降る。
すなわち、汚濁水を清水(せいすい)に浄化する。
6)蒸発する水の役割(2)
熱エネルギーをうばう:太陽熱による灼熱化を防ぐ
大気温を和らげる(平均大気温、+15℃)
7)陸地から海へ戻る水(37兆t)(河川水)=水資源
水資源:農業用水、工業用水、生活用水、エネルギー源(水力発電)
8)海から陸地への運ばれた水(37兆t):雲→雨がエネルギー(水力発電)源となる。
9)地球上の気象をコントロールしている(大気を動かしているのは水蒸気)。
10)動植物も水の循環系の中にあり生命が支えられている。
* 他にどんな意味が考えられるか?
自然界における水:地球の水(分布、量)
・総量: 1,384 x 106 km3塩水:97.5% 淡水:2.5%
(海水) (その70%は極地の氷、29%は地下水)
・海水面積:361x 106 km3 (71%) 陸上面積:149x 106 km3 (29%)
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