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飲料水を考える

 

「水」は人間を初め、動物の無くてはならない生命の源であるのは言うま

でもない。人間の身体のほとんどは水分によってつくられていて、その内5%

の水分が無くなると幻覚に陥り、たった12%減るだけで死に至るのである。

今回は人間の大切な水分補給のための飲料水について考えたいと思う。飲料水

の原点である水道水の現状、その対応とまた今私たちがなにを出来るかを問い

たいと思うのである。

先進国である日本の水道水は他国と比べ、比較的安全で飲みやすいと思わ

れがちだが、日本とアメリカの水道水に対する姿勢を比較するとそうも思わな

くなるのである。

アメリカではまず安全飲料水質基準がい現時点で363項目挙げられ、農薬類

は81項目、発癌性物質が53項目、放射性物質が6項目定められている。ま

たアスベストも基準にある。それに対して日本では安全飲料水質基準が46項

目しかなく、他に農薬類は4項目、発癌性物質は7項目、そして放射性物質と

アスベストの基準はないのである。

また、アメリカでは人工30万人に対して、180世帯の家庭が任意に選

ばれ、家庭の蛇口からの水道水を水道局が測定している。これらの調査結果を

参考にどんどん大規模な浄水場が設けられている。このように官庁、民間企

業、大学の研究室、市民団体が一体となって、国民全体の飲料水の安全性を真

剣に検討している。が、日本では浄水場の送水口を調査の基準としているだけ

ので、実際の家庭での汚染現状は把握されていないのである。また、浄水計画

がアメリカに比べ遅れているということもある。

それでは、汚染された水道水に含まれている物質で具体的に何が人間に害

を与えているのであろう。

1)アスベスト:消化器系癌や肺癌、腹膜癌などの発生

2)鉛:一度体内に摂取すると外に代謝することが非常に困難な物質。不眠な

どの神経障害、脳炎,痴呆、肝臓障害などの危険性

3)トリハロメタン:発癌性、肝毒性、肝細胞癌の危険性

4)ホルムアルデヒド:発癌性、変異原性、催奇形性、神経毒性などの危険性

5)農薬:有機リン形の農薬は手足のしびれや紙型麻痺を多発させる

6)放射性物質:発癌性などの危険性

8)アルミニウム:アルツハイマー病、老人痴呆症などの危険性

 

以上、このような危険性を持つ物質が含まれている事がある。むろん、日

本の水道水を飲むと絶対的に病気にかかるとは言わないが、多かれ少なかれ危

険性があるのは否定出来ない。

そこで、人間は何をすべきなのであろう。もちろんそれは地球の水を汚さ

ないことに超したことはない。工場からの汚染物質の排出、家庭からの排出

物、石油の汚染などなど色々考えられる。国の法によって汚染物質の排出の規

制をするのは重要である。主に工場からの排出物が的になるが、家庭の下水も

把握し、規制を定めるのも一つの案である。が、法が定められても、国民の一

人一人に「きれいな水の大切さ」の意識が無い限り大規模の変化は見られない

であろう。その意識は宣伝や広告やマスコミによって広められるのである。ま

た、今までに起こった飲料水の悲惨な事件を振り替えるのも大切である。たと

えば、かの有名な水俣病である。また、アメリカのように官庁、大学研究室、

民間企業、や市民団体が一緒になって「水」を考えるシステムが成り立たなけ

れば、いくら一つの団体が活動しても効果は小さい。

今日では様々な大規模な浄水方が研究されている。NASAが認めた逆浸

透膜浄水システムのエコメートや電解水などが注目されている。しかし、これ

も研究だけでなく国が積極的に、また効果的に浄水方を取り入れる体勢がない

といけない。それは先ほども述べたが市民と国のあらゆる組識が一体になった

協力が必要である。

しかし、私たち個人がとりあえず何を出来るかというとまず、自分を守る

ため安全な飲料水とは何か理解し、また確保することである。水道水に対する

不安はよく耳にすることである。例えば、ある中京圏、東京圏、大阪圏で実施

されたアンケートによると水道水が「おいしくない」という意見が60%もあ

り、「塩素など消毒剤は体によくない」が57%,それに「貯水槽や水道管が

汚れているような気がする」という意見が52%もあったのである。

実際に水道水を飲料水として利用しているのは4人に一人しかいないのだ

が、他にはミネラルウォーターや浄水機が最も一般的に使われている浄水方で

ある。そこで、これらの物に関して誤った知識を持っている人が多いため、正

しい理解をして欲しいと思うしだいである。例えば、ミネラルウォーターは体

にいいとされているが、一概にそうとは言いきれない。含まれているミネラル

の種類や量は様々で、それらを目的によって使い分けることが大切なのであ

る。またミネラルウォーターのブランドによって他の水と混ぜたり、人工的に

ミネラルが添加されたものもある。

また、浄水機に関しては基本的に水に含まれているミネラルの量に変化は

無い。浄水機は水道水の香を悪くしている塩素を取り除いているのである。し

かし、そもそも塩素は水の中の殺菌を殺す作用があり、この塩素を取り除く浄

水機は必ずしも完全な殺菌をしてくれる訳ではない。更に、フィルターを定期

的に変えるのを忘れるひとが多いが、それでは意味が無いし、その上フィル

ターを通ったあとの水が溜まるとむしろ細菌が繁殖してしまうのである。もう

一つ付け加えたいのは、インターネットを調べても分かるが、今あらゆる浄水

機が出回っているが中には不良品も多くあるので、浄水機を決める祭には気を

付ける必要がある。

このようなことを頭に入れて私たちが毎日水と接すればある程度安全に飲

料水を楽しめる。大切なのは水に対する意識である。毎日のことであり溢れて

いると考えられがちなので、よく忘れられるが。念を押すようだが、水は命の

源であり、限りもある。人間の勝手で汚すと結局私たちが困る。人間は水との

付き合いをもっと考えてもいいのではないか。

 

参考文献

“Which do you choose taste or safety”
http://www.fhs.kanagawa-u.ac.jp
“O-157”  nmt@osaka.venture-web.or.jp
「NASAで認められたエコメイトの浄水システム」
http://www2.tky.3web.ne.jp
「高知県海洋探層水研究所の取り組み」 file://A:$水!!!.htm
「電解水による洗浄」 file://A:$水!.htm
「飲み水と浄水機」 http://www.ylw.mmtr.or.jp

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