Q1. このレポートでは北海道網走郡にある美幌川を扱う。網走川の一部であるので、大規模な河川ではないが、現在でも比較的きれいな川として挙げられるだろう。
Q2. この冬休みに実際に目で見る事は出来なかったが、2年前の夏に車の中から見えた時の事、また昨夏にそこで釣りをした叔父から聞いたことを書く。
昔遊んだ時より随分小さく感じたのは自分が成長した所為だろう。木が生い茂る中に流れている川の周りには釣りを楽しむ人もちらほらいた。叔父も趣味で釣りをしており、夏は必ず叔父の釣ってきたイワナ等を焼いて食べる。今でも比較的水はきれいであるらしく、クマが近くまで来ている事もあるらしい。叔父も以前クマの糞を見つけ、驚いて帰って来たことがある。
また、最近の川の「水」の様子ではないが、毎年夏には筏下りや川の近くでは焼き肉イベントが催される。筏下りに参加したことはないが、いまだにこのようなイベントが続いていることは特筆すべきことだろう。これは美幌川が単に町中を走る川以上の存在であるということを示唆しているからだ。また、実際に車から個人的にバーベキューを楽しむ人も見えた。このように美幌川は現在も人々の楽しめる場所として存在しているのだ。
Q3. 私の祖父母が美幌町に住んでいることから、幼い頃、夏休みには必ず帰った。その時たまに連れて行ってもらった。流れの速くないところ、浅い所もあり、そういう所に少し足を浸けて歩いた記憶がある。しかし、私が小学生の頃にその川にガラスの破片が落ちていた事があり、それ以来ビーチサンダルを履いて遊ばなくてはならなくなったことがとてもショックだった事をよく覚えている。最近は川で遊ぶ事も無くなり、先に述べたように車の中から眺めるだけという位だ。
Q4. 母が幼い頃の話を聞いた。今から30〜40年程前のことになるが、その頃は夏になると子供たちは泳ぎに行ったそうだ。今では町にプールもでき、川で泳ぐ子供はいなくなったが、その頃は多くの子供たちが川で遊んでいたそうだ。また、今では堤防が出来てしまい、河原で遊ぶこともなくなったが、当時は河原でも遊べたそうだ。冬には川全体が凍り、そこを渡ってスキーをしに行っていたとも話してくれた。直接川とは関係無いが、歩いて川を渡る途中、母は割れた氷の間に落ちてしまい、近所のお兄さんに助けられた経験があるらしい。そんな話からも今とは違う、色々な世代が一緒に過ごす遊び方が伺える。そして、今は見られないサケの遡上も見る事ができたという。
Q5. Web-pageの検索でいくつか参考になりそうなものを見つけた。
1. 美幌博物館
「美幌」という名前は「水、清く、大いなるところ」を意味する「ピ・ポロ」というアイヌ語に由来する。この事から昔から美幌という土地は水と深く関わってきた事が伺える。美幌博物館のホームページの中のコンテンツに「河川と人」というタイトルがあった。そこでは美幌川の成り立ちや周辺の動植物等について簡単な説明がされていた。初夏、地上には子ギツネや、ヤマメを捕るシマフクロウ、ヤマゲラ、エゾライチョウなどの鳥、また川の中にはイワナ、ヤマメ、ニジマスが今でも見られる。
また明治二十年代からの開拓期には人々は美幌川を利用した。木材等の運搬に船を利用し、渡し船場も造られた。この発展から大正時代には四千人以上が美幌に移住してきた。
このように美幌川と人々は昔から密接に関わっている。勿論今も渓流釣りが楽しめる程の水質を誇っており、その歴史を受け継いでいると言ってもいいのではないだろうか。
2. クリーンアップin美幌川 参加者の報告
1で述べたような美幌川のあり方には、勿論人々の協力も必要だ。美幌川では周辺住民が清掃活動に取り組んだ様子が簡単に説明してあった。
清流と呼ばれる美幌川にも近年ではゴミが散乱するようになり、それを少数ではあるが地道に拾い、きれいな美幌川を残そうという活動で、不定期に活動しているようだ。2005年5月に行われた際には11人が参加した。また個人のブログにも簡単なレポートが載っていた。美幌川は一キロ程の距離のゴミを拾い、川の中から自転車のタイヤ等も引き上げたと書いてある。
3. 水質調査
2のような住民の協力もあって、2002年には環境省の水質調査でもっともきれいな河川の一つと評価された。
Q6. 色々調べてみると私の予想以上に美幌川は美しさを保ったままだった。確かにゴミは増えたかもしれないが、それでもまだヤマメやニジマス、またそれを狙うクマ等の動物を確認する事も出来るし、それらの魚を食べる事もできる。また、ただその川がある、というだけではなく近隣住民や町民会によって河川と人との関わりが失われる事のないような努力があることも分かった。水質が高く保たれているということが何よりの証拠であり、いまだにそこで釣れた魚を食べられるという事も、このレポートを書くまではそれ程特別な事だとは思わなかったがこの機会に「川の魚を食べられる」ということがどれだけ多くを意味するかが分かった。私はこれからもこのように美幌川が住民の協力によって美しさを保ち、また逆に、美幌川も住民の娯楽に役立ち、また、人々のコミュニケーションの場所として人との関わりを持ち続けていってほしい。
参考文献