2003NSIII 「自然の化学的基礎」 課題 I

「川と人間生活」 相模川神奈川県

                             鈴木正義

 

相模川の概要

 私の実家は神奈川県の中ほどに位置する海老名市というところにある。その実家から自転車で走ること約5分ほどのところに相模川という非常に大きな川が流れている。神奈川県のホームページによれば相模川の概要は以下のようになっている。総延長は約113km、流域面積は約1687kFであり、山梨県と神奈川県にまたがる非常に大きな川である。水源地は山梨県の山中湖と忍野八海で、途中いくつもの支流と合流しながら、はじめは北に向かい、東、南とその流れの向きを変える。山梨県内ではその呼び名は相模川ではなく桂川とされており、相模川と呼ばれているのは神奈川県を流れている部分である。そして最後に相模湾へと注いでいるのであるが、その河口付近では馬入川と呼ばれている。また、相模川の利水率は約90%であり、川の水が非常に多くの人々に利用されていることがわかる。

 

久しぶりの相模川

 私は現在学校の寮に住んでいるのであるが、先日の年末・年始休みで実家に帰った時に、この課題のこともあって久しぶりに相模川に行ってみることにした。相模川に最後に行ったのは中学生か高校生の時かよく覚えていないが、本当に久しぶりのことである。

 ここで話しは少しそれるが、相模川は海老名市とその隣の市である厚木市とを隔てており、両市を結んでいるのは相模大橋とあゆみ橋という2つの橋である。私の高校は厚木市にあったし、地元に帰ったときに友達と遊ぶところも厚木市なので、実は相模川を『見た』のはそんなに昔のことではない。3ヶ月ぐらい前に実家に帰っていたときに橋の上や電車の中から見てはいる。しかし河原に下りて川のすぐそばにまで『行った』のは上に書いたように本当に久しぶりであった。

 行ってみて最初に、こんなにすごい川が家のすぐそばにあったんだなー、と少し驚いてしまった。川の流れはとても穏やかで、さらさらと流れる水の音が非常に心地よい。近くには犬をつれて散歩をしている人が1人。川の流れが見えなくなるずっと先のほうをただぼーっと眺めていると、橋の上を走る車の音がかすれて聞こえ、なんだか時間が止まってしまったかのような感覚に陥る。息を大きく吸い込むと、川のいい匂いが口のなかに入ってきてとてもおいしかった。

 私は自然の景色を見ることが好きなので、大学に入ってからはいろんな素晴らしい景色を見たいと思い、国内や国外に何度か旅行してはいろいろな美しい風景を見てきた。しかし今回相模川で味わった体験は、そういった旅行で得られた感動と勝るとも劣らない素晴らしいものであり、なぜ自分は今まで気づかなかったんだろうと少し後悔した。おそらくは小さい頃からいつも近くにあったので、それが普通の状態となっていて、あまりすごいものとは思わずに過ごしてきてしまったためであると思う。私の家族は私が生まれてすぐに今の場所に引っ越してきたので、20年間ずっと相模川は私のすぐそばにあったのであるが、22年目にしてはじめてそのすごさを実感した。

 

相模川での思い出

 私の記憶の中にある相模川での一番古い思い出は、保育園の時に先生や友達と一緒に河原で遊んだことである。しかし何をして遊んだのかはよく覚えていない。本当にただぼんやりと覚えているだけである。私が保育園に入る前に相模川に何かしに行ったことはないかと両親に尋ねたが、そんなことは覚えていないという非常に淡白な答えが返ってきて非常にがっかりした。また昔の相模川の様子はどうであったかと聞いても、「今と変わらないよ」と言われただけで、それ以上のことは何も聞き出すことができなかった。近所の人たちにも話しを聞いてみたが、話す内容はみな大体同じようなもので、「川のまわりにビルが建ったり、橋が新しくなったりと周辺の環境は変化してはいるが、川自体はあまり変わっていないんじゃないの」というようなものであった。ただ自分自身相模川は昔はどうだったかなと思い返してみても今とあまり変わったところはないように思う。

 保育園以降の思い出としては、中学校の頃に1年に1日美化デーというのがあり、その日に相模川にごみ拾いに行っていた事を思い出す。ごみの量がとても多くて、全校生徒で拾っても、とても1日では拾いきれないほどごみが落ちていた。なぜいつもはそれほど人がいるわけでもないのにこんなにごみが落ちているのだろうと不思議に思っていたものである。おそらくは大雨の時に流れて来たものや、夏祭りの時(毎年夏に鮎祭りというお祭りがあり、花火を打ち上げるときなどに大勢の人が河原に集まる)や、バーベキューなどの時に出るごみが原因なのではないかと思うが、なぜあれほどのごみが捨てられていたのか本当の理由は分からない。しかし先日見に行ったときにはそれほどごみは目につかなかった。

 高校生の時には直接相模川のそばに行った記憶はないが、毎朝橋の上から相模川を見ながら通学していた。印象的だったのは大雨の次の日の相模川である。普段は青くて比較的きれいな水の色が茶色くにごり、川幅も普段の2倍ぐらいにまでになり、いつもは河原が見える場所がすべて川となっていた。川の流れは速く、水面もいつもより高くあがっていて、目にするたびに恐ろしさを感じたのを覚えている。何日か経つといつもの川にまた戻っているのであるが、地面が少し削れて、河原にあたらしく川が流れている場所があったりして、そういうところを橋の上から発見するのが面白かった。

 

相模川に関するWeb-site

 検索エンジンで“相模川”と入力して調べてみたところ、なんとヒット数は3万件近くにのぼり、この川が非常に多くの人々と関わりがあるのだということが分かった。その中で面白いなと思ったのが相模川に生息する魚のことに関する記述のある、神奈川県水産総合研究所内水面研究所というところのサイトである。他にも魚について書いてあるサイトはいくつかあったが、ここは図や写真などがたくさんあって非常に見やすいし、他のコンテンツも基礎的なものから専門的なものまで幅広くありためになった。

の川の水と海の水が交じり合った場所に生息する魚である。

 

最後に

 私は相模川が今と変わらずにいてほしいと思う。これから先何十年後かに訪れても今と変わらないでいてほしい。そして訪れたときに、遠い昔の記憶、小さい頃に河原で遊んだことを思い出してみたいと思う。おそらく人間が今までのように相模川と接していったならば、何十年経っても変わらない姿でいてくれることだろう。

 

参考資料

●相模川ホームページ 

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kendosomu/ns/sagami-plan/index.html

●神奈川県水産総合研究所内水面試験場

http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/naisui/n_index.asp

 

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