水の枯渇シミュレーション

 

 

 私は課題選択1を選択します。彼ら高校生は水を、この地球上にある最もありふれた物質だと言い、その水のなくてはならない大切さについて気づいていないようです。そこで、もし水の地球における循環がストップし、私たちが使える水は今、地球にあるだけになったらという状況を想定し、その状況下での人間生活、またそのほかの動物たちの生活、植物、および地球環境の変化までを視野に入れた「水の枯渇シミュレーション」をつくろうと思います。

 

・主題 水は人間生活だけでなく、地球上で欠かせない役割を果たしている。そのことを高校生に気づかせる

 

方法>>>分野ごとに、分ける。

@    人間生活に与える影響をシミュレート

A    動植物に与える影響をシミュレート

    農作物・畜産動物への影響→人間生活への影響

B    地球環境に与える影響をシミュレート

水の枯渇は地球崩壊につながるのか・・・?

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@    地球上にある水の量は1384×10です。そのうち塩水が97.5%、淡水が2.5%となっています。これだけ水があっても基本的に淡水のみが利用可能な水資源であり、またそのなかで利用可能な水量はたったの20%となっています。利用可能な水量は地球上でなんとたったの20兆トン。20兆トンと言われてもピンとこないかもしれませんね。それでは、水が各主要国で一日にどれだけ使われているかを見てみましょう。

    USA 1,440,000 

    日本 290,000

    イタリア 150,000             ➢➢➢➢計 2,017,000 (100万リットル) 

    ドイツ 115,000

    スペイン 11,000

    カナダ 11,000

一日に主要国だけで20170億リットルの水が使われています。地球上の利用可能な水量20兆トン=2000兆リットル。この2000兆リットルの水が主要国だけで使われたとしましょう。そうすると、

2000超÷20170億=991.5716・・・・

991日、たった28か月で地球上の水はなくなってしまうのです。今、水の大循環がとまったら、あと私たちが使える水は3年の命です。

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では、私たちは日常生活で水をどのような場面で使っているのでしょうか。私たちが日常生活で使っている水といえば、主に家庭用水ですね。風呂27%、トイレ24%、洗濯17%、皿洗い14%、飲用と調理用10%となります。まず、水がなくなったらお風呂には入れません。一日のうちに一番使用率が高いお風呂なんてもってのほか、使えるはずがありません。そして次にトイレ。現在は下水道が完備され、水洗トイレが普通となり、匂いも汚れも少ないとても綺麗なトイレを使うことが出来ています。これは全て水のおかげ。私たちが排泄したものを水が全部持っていってくれて、ついでに便器の掃除までしていってくれます。しかし、水がなくなったら、水洗トイレも使えなくなるでしょう。昔ながらのいわゆるボットン便所、またはそのまま自然の中で用を足すことになるかもしれません。次に洗濯。毎日洗濯をすることによって私たちの衣服は清潔に保たれています。この洗濯にも多くの水が使われているのですね。洗濯も出来ません。次に皿洗い。水がなくなると皿洗いも出来なくなるため、使える食器は紙皿紙コップといった使い捨て容器を使わざるをえなくなりそうです。阪神淡路大震災のとき、水がないため、陶器のお皿にラップをしいて皿洗いの水を使わなくてもすむように工夫をしたそうです。これもひとつの案かもしれませんね。そして最後にドリンク・調理用としての水。この水は人間が生きていくうえで減らすことの出来ないものです。しかしそれもあと3年の命…。たとえ、体内に摂取する以外の水使用をやめたとしても、私たちは5年と生きることは出来ないのです。

 どうでしょうか、水が私たち人間生活にとってなくてはならないものだということがわかっていただけたでしょうか…?

 

A    水が枯渇した場合の動植物への影響を考えてみましょう。水がなくては生きていかれない生き物の

代表はまず、水中生物ですね。彼らは水がなくなると、一日も生きていけません。絶滅です。他にも蛙を代表する両生類は湿気の多いところを好んで生活しています。彼らにとっても水がない、ということは命取りとなってしまうでしょう。そして陸上生物。人間も陸上生物の一員ですが、人間よりかはいくらか長く生き延びることができるのではないかと思います。なぜなら、彼らは生活の中に洗濯や水洗トイレといった習慣や環境がないから。生命維持のための最低限の水を使用していくでしょう。しかしそれでも時間はとても限られているのではないでしょうか。

 植物への影響。これは目に見えています。私たちが生活のなかで育てている植物に一週間水遣りを怠ると、植物はすぐに枯れてしまいます。水がないと生きていけないのですね、植物は。

 これら動植物への影響は、人間にもドミノ倒しのように伝わってきます。私たちが普段食している野菜や果物、そしてお肉やお魚はどうなるのでしょう。こう考えていくと、動植物への影響はただ単にそれらの生き物だけには留まっていないことがわかります。

 

B水の枯渇による地球環境への影響。これはとてもグローバルな視野で考えなければいけない問題です。水の循環がとまるということはまず、もう二度と雨が降らないということ。もう二度と雪が降らないということ。雨が降らないなんてとても楽と考えている人もいるかもしれません。しかし、雨は地球を潤す大切な水資源となっているのです。雨が降らなければ、川・湖・海の水の量は減る一方です。そこで生活していた生き物は生活の場を奪われることになるでしょうし、人間のレジャーの場も奪われます。海の水が減っていき、完全に枯渇したとしましょう。海のそこからは海底火山や深い谷が現れます。海底火山の中には、いまだ熱い噴煙をあげているものもあり、とても危険ですし、地球の熱が上がる一因になる可能性もあるのではないでしょうか。また、川の水がなくなると、今まで人間が見てみぬ振りを

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してきたヘドロがあらわになる可能性もあります。これは悪臭を放ち、病原菌の生息地になるかもしれません。水の枯渇によって地球環境は大きく変化することになるでしょう。そこから私たちの生活が大きく変化することも免れません。

 

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 このように、水の枯渇から生じる@ABの状況について私ならば高校生に語りたいと思います。水の枯渇によって色んな面で大きな影響を受けることが考えられます。私自身、このレポートを書いていて、水がなくなったら私の今の生活は全く成り立たないのだということを実感し、少し恐怖心を抱きました。人間を含め、地球上の全てのものがさまざまな局面でお互いに関係しあっていることにも気づかされました。このシミュレーションによって、「水は最もありふれた物質だ」と思っていた高校生の意識を変えることが出来たらとても嬉しく思います。