1999年秋学期

NS-III 「自然の化学的基礎」 ・スケジュール

 

   主 題『水』---- 水と人間 との共生 ----

 

 担当:吉野 輝雄

第1章  はじめに

 自然とはなにか?  自然科学とはなにか?  化学とはなにか?

 

第2章 水の科学史

  水とは一体何ものか? 水の本性を探り続けた人間の歴史を概観する。

§1 むかしむかし:水なしでは人は生きられない。

§2 古代ギリシャの哲人たちの/物質観(特に水について)

    水は万物の素(アルケー)だ。

§3 純粋化学時代(自然科学としての化学)の確立期

    水は微少な粒子である。

§4 ラボアジェによる化学革命と近代化学のはじまり

    水は分解でき,合成できる化合物である。水はH2O。数Åの大きさの微粒子。

 

第3章 水の自然科学

  水を自然科学の目で見てみよう(仮説実験授業方式で)。

§1 物質の三態(状態変化):液体,気体,固体に姿を変えるのはなぜ?

§2 水を冷却してゆく,水を加熱してゆく:どこまで?そこで何が起こるか?

§3 圧力を変えると水の状態はどう変わるか?(圧力変化と水の三態)

§4 本当に水は異常な物質なのか?なぜそう言えるのか?

§5 水の科学(水の特性はどのように説明されるか?)

A.水の大きさ、かたちを調べる:水は105.5℃の結合角をもつ極性分子である

B.水の不思議な性質/特性(融点、沸点、蒸発熱、比熱、密度,溶解性、表面張力)

C.水の特性と生命活動との関係(水なしでは生物が生きられない理由)

 

第4章 自然環境における水

 自然環境を司る水,水を利用し,汚しながら留まるところを知らない人間活動の影響で生存,生活,生命が脅かされている地球環境を見つめ,今なすべきことをグローバルに、そして自分の問題として考える。環境データ/情報を調査し、発表討論方式のクラスとする。

§1 自然環境における水の存在と役割(地球を巡る水の大循環が地球環境を支えている)

§2 水と人間生活,水 資 源(水が人間生活に不可欠な資源であるとは?)

§3 水質汚染(人間の生産,農業,生活,戦争などの行為が水=地球環境に与えている影響)

§4 “水”とのつきあい方,これから(生命の源泉である水とのつきあい方に人間の未来がかかっている。

人間も動植物も水も物質も地球のリサイクル系におかれた存在であることを基本としたあり方を創造することが21世紀の人間の/あなた方の仕事。)

 

第5章 水はどこからきたのか? 

§1 水の誕生(なぜ地球上に水が存在するのか)

宇宙のはじまり、銀河系の誕生、原始太陽の形成、地球の誕生,水/海の誕生

§2 生命の誕生(なぜ地球上に生命が発生し、今まで存在できたのか?)

原始地球上における生体物質の生成(化学進化)、生命の誕生、生物の進化,

豊かな動植物が棲む地球

 

●まとめ(これからの人間の課題/私見)

 

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