
R3 のみを満たすものを環と呼び R4 を満たすものを「単位元を持つ環 (unital ring)」と呼び区別することも多い。
は群となる。これを単数群という。
だから、0 は正則元ではない。すなわち、
。
を
とも書く。
。


体は、整域である。

以下では、有理整数環
とともに、非常に重要な可換環である多項式環について基本事項を学ぶ。
可換環 R の元を係数とする文字 x の整式

を x を不定元とする R の多項式といい、x を不定元という。また、
で、x を不定元とする R 上の多項式全体を表すものとする。

を
の元とするとき、和および積を以下のように定義する。

この演算に関して
は環になる。これを、R 上の多項式環という。
の時、
と書き f の次数という。
の時は、
とする。

(1) (2) ともに明らか。fg = 0 とする。(2) を用いると、

従って、
または
。すなわち、f = 0 または g = 0 を得る。
、
、
とする。まず、n<m の時は、q = 0、r = f とすれば良い。
と仮定し、
に関する帰納法で証明する。
は、仮定より正則元だから、逆元が存在する。
とすれば、f の最高次の係数が消えるから、
。従って、帰納法の仮定より、
の元
で、
かつ、
となるものがある。従って

と表される。よって、
と置けばよい。
R を整域とし、一意性を示す。

とする。すると、
。ここで、次数を比べると、

より、
。従って、
。すなわち、
、
を得る。
n 変数多項式環は、帰納的に、
によって定義する。この元は、一般には、次のように書ける。

また、
と見ることも出来る。