2018年度 特別展の予定

特別展示室では、収蔵資料をもとにした企画展が、年に3回開催されています。テーマは民芸や考古学に関連したものが中心ですが、その他にも皆様に楽しんでいただけるよう幅広くテーマを選んでおります。

●「携帯の形・ひらく弁当箱」  2018 年 4 月 10 日 (火) – 7 月 6 日 (金)

弁当箱(弁当)は、外出先で食事をするために使う携行用の容器です。普段使いの一人用の弁当箱から、四季折々の花見、紅葉狩りや月見に、また観劇の際に大人数で食事やお酒を楽しむために持参したものまで、多種多様に展開しました。特に江戸時代から普及した、持ち手の付いた外枠の中に四、五人分の酒の肴が入る重箱、銘々皿、酒筒や盃などの酒器を収めた提重はバラエティーに富んでいます。これらは漆塗りや蒔絵によって加飾されて美しいばかりでなく、材質を軽量化し入子や重ねによってコンパクトにまとめることができる構造にするなど、使用後も持ち帰りやすい工夫がされています。
 本展では、古くは江戸時代のもの、そして明治・大正時代に制作された弁当箱や提重を中心に、携行用の酒器や関連資料をふくめ、収蔵品より75点を選び展示いたします。あわせてご紹介する名所図会や浮世絵ではそれらを用いて宴を楽しんでいる様子が描かれています。この企画を通じ、今では珍しくなった日本の弁当箱の形と工夫をお楽しみいただければ幸いです。

●松浦武四郎生誕二百年記念 「ICUに残る一畳敷」  2018 年 9 月 11 日 (火) – 11 月 9 日 (金)

緑豊かな国際基督教大学(ICU)のはずれに、ひっそりと建つ「一畳敷」。この小さな庵は、幕末・明治に全国を旅し、北海道の名づけ親として知られる松浦武四郎(1818~1888)が自らの古希を記念して造った書斎です。建築に際して、かつての旅先で知り合った友に手紙を書き送り武四郎が求めたのは、各地の霊社名刹の建造物に由来する古材でした。その名の通り、たった一枚の畳に板縁を廻らせ、床の間と神棚、書棚をしつらえた空間は、譲り受けた90もの歴史ある木片で組み上げられ、その来歴の古くは白鳳時代にまで遡るといいます。武四郎はここで旅に明け暮れた人生を振り返り、人々との思い出を偲びつつ晩年を過ごしたのでしょう。
 あるじの死後、所有者を次々と替え、神田五軒町の松浦邸から、麻布、代々木上原、そして三鷹の地へと移築を重ねた一畳敷は、現在、国の登録有形文化財「泰山荘」の一角をなして、キャンパスに保存されています。今年が松浦武四郎生誕200年となることを記念し、数奇な運命を生き延びたこのユニークな建物を、原寸模型と写真パネルで紹介いたします。

●「型染と印判手」  2019 年 1 月 8 日 (火) – 3 月 8 日 (金)

「印判手(いんばんで)」とは手描きによる絵付に対し、型で絵模様を施した陶磁器を示す言葉として一般に使われています。実際には、銅版で紙に文様を印刷し転写する方法(銅版転写)と、型を使用して上から顔料を直接吹き掛ける方法(吹掛絵付)や、顔料を刷毛で摺り込む方法(型紙摺絵)があります。型紙摺絵は布地の染色法を陶磁器に応用したもので、絹や木綿の型染(かたぞめ)と同様、和紙を彫りぬいた型が使われました。文様としては、松竹梅など伝統的な吉祥文のほか、動物や植物など様々なものがあります。
 民芸の蒐集家であった湯浅八郎博士(1890~1981、ICU初代学長)は、1970年代に当時まだ一般の関心が薄かった印判手に注目し、2000種の目標を立てて熱心に収集しました。生涯で集めた印判手の総数は5000点にも及びます。
 このたび当館では、型で文様を付けた印判手の器を、同じように型で染めた藍染木綿や型紙とともに紹介いたしました。手描きとは異なる、型によって表現された文様の数々をお楽しみいただければ幸いに存じます。

過去の特別展および公開講座のポスター

ポスター一覧

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